Posted at 23:45h
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イベント
by PiS
「おうちから、シリアを知る旅に出てみませんか?」
「シリア」と聞いて多くの方がイメージされるのが難民や戦争といった悲しい風景ではないでしょうか?
しかし、戦争が起こる10年前まで、美しい自然や人々の笑顔がありました。
シリアに訪れて、景色に、歴史に、そこに住む人たちに魅了された人たちがたくさんいます。
料理、スポーツ、ビジネスなど様々な形でシリアに関わる人たち、日本で生きるシリアの人たち、そして、今の状況に対し、国際協力の最前線で活動するNGOの人たちにたくさんの写真と経験を語って頂きます!
世界中のどこからで参加できる、オンラインのスタディツアーへようこそ!
【こんな方におすすめです】●シリアや中東情勢について関心がある方●いつかシリアに行きたいと思っている方●国際協力、海外でのボランティアや仕事に興味がある方●戦争の前後でシリアに関わり続けてきた人たちの話が聞きたい方●平和について考えたい方●シリアについて、全然ご存知ない方も大歓迎です!
【日にち】8月9月の毎週金・土曜(8/21〜9/19)【時間】20:00〜21:30【場所】Zoom (開始1時間前に視聴用のURLをお送りします)【申込】https://syria-tour2020.peatix.com/【参加費】各回500円(見逃し配信付き)
※ 各回のチケットをご購入の方に、Live配信+見逃し配信のURLをお送りします(公開後1ヶ月の限定公開) 一度でもLive視聴を検討されている場合は、「10回分見逃しチケット」ではなく、各回チケットのご購入をお願い致します。
※ 経費を除いて、シリアの人たちを支援する団体に寄付をさせて頂きます。
【ネットワーキング】本予約をいただいた方を、Facebook限定グループに招待いたします。(参加はご自由です)事前の交流会や、聞いた後の感想をシェアするイベントをグループ内で企画予定です。
【旅の訪問予定地/ツアーガイド】①8/21(金)ヤセル ジャマル氏(明治大学4年生。日本で難民認定を受ける)「シリアの当たり前の日常と、日本の難民認定」
②8/22(土)ハルドゥーン氏(東京外国語大学 特任講師。元JICAシリア事務所勤務)「今、シリアで暮らす人たちの声」(シリアから現地の様子をレポートしてもらい、解説します)
③8/28(金)青山弘之氏(東京外国語大学 教授。「シリア・アラブの春顛末記」運営)「シリア情勢を知る初級編」(初めての人でも分かりやすく、シリアの今と昔について解説していただきます)
④8/29(土)ChalChal(中東アラブ音楽を奏でる国際派ユニット)「アラブ音楽と建築を訪ねて」(写真展を実施しているオリエントワインショップから生演奏)
【各登壇者のプロフィール】(別サイトにて準備中)
【主催団体】
シリア和平ネットワーク2016年1月に、シリア支援団体サダーカ(Sadaqa for Syria)、日本イラク医療支援ネットワーク(JIM- NET)、日本国際ボランティアセンター(JVC)、 ワールド ・ビジョン・ジャパン(WVJ)の4団体で立ち上げ、 シリアの紛争終結と和平実現に向けたアドボカシー活動を行っています。Facebook
TEAM BEKO2018年に福島の復興のシンボル赤ベコをシリアに届けたことか ら交流が始まった国際協力チーム。 小児がんの子どもたちの支援を開始。Facebook / Youtube / Twitter
Piece of Syria「ひとかけらをひとつなぎに」をコンセプトに、一人ひとりのチカラが発揮できる世界を目指して、2016年5月に設立。紛争により、パズルのPieceのようにバラバラになってしまったシリアを、再びPeaceにしていくため、シリア国内の教育支援と平和教育活動を行なう。Facebook / Youtube / Twitter / Instagram
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Posted at 22:30h
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未分類
by PiS
アッサラームアライクム!Piece of Syriaの中野貴行です。
Twitterでこのような投稿を見ました。
【感染拡大受け、都立学校、GW明けまで休校延長へ】という投稿に、「日本の休校って休んでるだけ?」とNYの方が疑問を呈します。
https://twitter.com/inspiring_dots/status/1245184223318867972
シリア人が多く住むトルコではどうなってるのか気になったので、トルコに住むシリア人の友人に尋ねました。すると、
その点は心配いらないよ。
トルコ政府が、新しいTVチャンネルを作って、公式のカリキュラムを提供してる。小・中学生にはテレビで、高校と大学はオンラインで講義が受けられるんだ。担任の先生達が、生徒達とSNSグループを作って、リモートでの特別授業もあるよ。
教育プログラムを利用する、トルコ人やシリア人の生徒・先生達が使える無料のインターネットパッケージを、トルコ政府が配布してる。
とのことでした。
トルコで行われている予備校の授業。オンラインでシリア国内とも結べないか?と模索するシリア人の友人も
トルコでも、一万人を超える新型コロナの感染者が出ています。
もちろん、トルコの人たちのとっても経済的な影響は大きいですが、シリアの人たちにとっては、レストランや建築現場の日雇いで働いていることが多く家賃や光熱費さえ払えなくなるかもしれないような、危機的な状況だそうです。
【新型コロナ】トルコのシリアの人たちの声
僕たちが教育を届ける理由
[instagram-feed]
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Posted at 00:35h
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へむり。
by PiS
アッサラームアライクム。Piece of Syriaの中野貴行です。トルコに住むシリアの人たちは約360万人ほどいます。(UNHCR:https://data2.unhcr.org/en/situations/syria/location/113)今の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、どのような状況なのか、シリア人の友人に聞いてみました。
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トルコに住む、シリアの人たちとコロナウイルス
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トルコでは県を越えた移動やレストランでの外食などが制限されている、とのことです。学校も休校中です。
トルコ、65歳以上の外出禁止=新型コロナへの対応強化
【イスタンブール時事】トルコ政府は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、重症化のリスクが高い65歳以上や持病のある人の外出を禁止すると発表した。既に学校を閉鎖し、国民に対して外出自粛を呼び掛けていたが、対応を強化。レストランも店内での飲食は禁止される。 ...
Posted at 22:42h
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へむり。
by PiS
アッサラームアライクム。Piece of Syriaの中野貴行です。
今日はイタリアとシリアの話をさせていただきます。
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難民について知るためにイタリアへ
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2017年の年明け、僕はイタリアにいました。
イタリアは、ヨーロッパに向かう「難民」の中継地点となる国の一つです。
ヨーロッパに向かう「難民」のルートは、
トルコ〜ギリシャ経由で行く「バルカンルート」と、
地中海を超えてイタリアを経由して行く「地中海ルート」の二つがあります。
Refugee Crisis in Syria
僕は2015年から難民となったシリアの人達を訪ねて、中東・欧州を旅していたのですが、
イタリアでは「国境なき医師団(MSF)」スタッフと話が聞けることになり、MSF事務所のあるローマ、
そして、実際に難民が地中海を越えて到着するシチリア島を訪れました。
MSFが展示していた難民の靴。歩いて国境を越えるためボロボロに
イタリアは難民の受け入れをしていないので、
イタリアを経由して、イギリスやドイツ、スウェーデンに向かう通過点です。
2017年1月にシチリア島を歩きながら、国境なき医師団の人から聞いた話を撮影した動画です。
もうちょっと詳しい話は、こちらをご参照いただければ!
・リビア側(アフリカ側)にも対応することで、イタリアに来る移民・難民を防ごうとしている
・経済問題を移民・難民のせいにすることで、政治に批判が向かないようにする
・移民と難民との差とは?
また、MSFは人命救助という名目で密航業者を支援している、と批判された、という話もMSFスタッフから聞きました。
(田中宇メルマガ「欧州の難民危機を煽るNGO」2016年12月29日)
1週間ほどのイタリア滞在では、シリアの人達と出会うことはなく、MSFが運営するキャンプにも
エリトリアやスーダン、エジプトから来た人達が居ただけでした。
MSFが一時的に受け入れる施設。左にはクルディスタンとスーダンの国旗
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新型コロナでの行動制限の話を聞いて
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イタリアにいる友人が、数日前にシェアしていた記事によると、
・不要不急の外出禁止。外出の際には書類所持が必要。
・全土で移動制限で、他県に行くことが禁止。
・レストランはデリバリーのみ。Barもお店もクローズ。
・スーパー等の日用品が買える店は開いている。(並ぶ時に1m離れる)
・不要の外出をしていると警察が罰金または禁固刑を課す事ができる。
という状況だそうです。
「信じられない。今はイタリアに行くことができない」
そう話します。
僕がシリアから日本に帰って1年後に、シリアで戦争が始まりました。
そして、行けなくなった時、まさに同じ感想でした。
「信じられない。今はシリアに行くことができない」と。
そして、360万人も住んでいるトルコでは、シリア人は移動制限が課せられており、
許可がないと県から出ることができません。
家族がいても会いに行けませんし、仕事がなくても県内で探さないといけません。
トルコに住むシリア人には、医療・教育を受けることができる一時的IDをトルコ政府が発行していますが、
シリアに戻ってしまうと、その許可は二度と発行されないとのことです。
(詳細はトルコ便り⑥【シリア人のID ~教育と医療~】)
シリアでは、戦争が始まって10年です
シリア内戦が今日で10年目に突入。
シリア国内外に友達がいる私にとっても胸が痛い状況です…。
日本はUNDPなどを通じて政権・反体制派支配地域に支援を行なっていますが、へむりさん(@hemuri_)さんのPiece of Syriaはじめ、Black or Whiteでない支援のあり方が今後も続くことを願います。#シリア pic.twitter.com/a2ntXdxxTK
— 福田けんと كينتو الياباني (@kentoslife) March 15, 2020
10年近い紛争により、シリアの「日常」は破壊されました。
・学校の5校に2校は、破壊されたり損傷したり、または避難所や軍用施設として使われているため、使用することができません
・保健施設の半数以上が、閉鎖されています
・シリア国内と近隣諸国で学校に行けない子どもは280万人以上に上ります
・身体的もしくは精神的障がいのある子どもの3分の2以上が、居住地域で必要なサービスを受けることができません
・生活必需品の価格は、紛争開始以来20倍に高騰しました
(Unicef「シリア紛争9年:紛争下に生まれた子ども、480万人」2020年3月16日 )
そして、私たちがいつも発信しているように、シリアは元々、とても「豊か」な国でした。
医療・教育が無料で、大学も無料で行けて、かつレベルの高さが有名です。
日本が縄文時代の時から街を形成していたような歴史があります。
治安は日本よりも良く、自給率100%を超える豊かな作物が実り、
昼の2時まで働けば、子どもが何人いても飢えることなく、大きな家で生活できました。
僕の出会ったシリアの人達は、「まさか今のような状況になるなんて思ってなかった」と話します。
「まるで夢の中にいるみたいだ。
朝起きて、シリアの自分の家かな、と期待するけど、やっぱり僕は”難民”で、故郷も家族もいないんだ」
イタリアから届いた友人の「恐ろしいほどのスピードで全てが変わっていった」という話を聞きながら
「当たり前」が変化していったシリアの人達の話を思い出さざるを得ませんでした。
【ミラノの校長の手紙】
[instagram-feed]
https://piece-of-syria.org/archives/17703
...
Posted at 12:58h
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へむり。,
イベント
by PiS
アッサラームアライクム!
Piece of Syriaのへむり(中野貴行)です。
先日、トルコ駐在から日本に帰ってまいりました。
● 生の声を聞きに来てください!(8/21(水)24(土)@大阪)
トルコで感じたこと、聞いたこと(シリア国内含む)の詳細は、
イベントでお話ししたいと思っています。
まずは地元の大阪でお話をさせて頂きます。
【8月21日(水)19:00〜 @弁天町 (参加費 1円〜)】
また、アラブ在住経験者さんとこんなイベントも実施します。
【8月24日(土)15:30〜@梅田 アラブの歩き方 〜知ってるようで知らないアラブ〜】
24日の方では、スピーカーとしては登場しませんが、
会場にいますし、交流会にもずっといますので、お気軽にお話しかけ下さいませ。
報告会は、東京・広島・福岡・札幌で実施が決まっていますので、詳細が決まり次第、お伝え致します。
(企画や当日ボランティアでご参加希望の方はお声がけ下さいませ)
http://piece-of-syria.org/2019/07/09/summer/
● イスタンブールのシリア人の今
「IDを持っていないで外に出て、警察に見つかれば、”不法移民”として即シリアに帰される」
「今月(2019年7月)から、シリア人を追い出すキャンペーンが始まった」
「差別があり、ヒジャーブをトルコ人の子どもに剥ぎ取られる事件があった」
私が駐在中に主に滞在していたのは、シリア国境の近くシャンルウルファです。
そのため、僕の知るイスタンブールの情報の、ごく一部でしかありませんが、そのような声を聞きました。
シリア人家庭の状況を調べるために、シリア人スタッフが家庭訪問をしていると、
「ここに住んでいるシリア人は、共益費(道路の掃除などを依頼するお金)を払おうとしないんだ!シリア人はこの国から出て行け!」
と言われたこともあるそうです。
(ただ、実際にその部屋を訪問すると、住んでいたのはシリア人ではありませんでした。
イスタンブールにはエジプト、アフガニスタン、ウズベキスタン、イランなどから来た外国人が住んでいます)
イスタンブールの市長選で野党が勝利し、対シリア難民の政策が高圧的になったと感じているそうです。
「トルコ シリア難民に退去命じる動き 住民とのあつれき表面化」(NHK 2019/7/23)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190723/k10012005141000.html
「『殺される』襲撃者の影に脅えるシリア人、トルコで反移民感情高まる」(REUTER 2019/7/10)
https://jp.reuters.com/article/turkey-syria-refugee-idJPKCN1U50SF
● イスタンブールの「不法移民」とは?
シリアから逃れてきたシリア人は、トルコで「一時的な身分証」の登録をします(Kimlik)。
Kimlikがあれば、公的な医療や学校を、無料で利用することができます。
申請から受理まで時間がかかることもありますが、病気や出産などがあれば、すぐに登録をしてくれるそうです。
Kimlikは、県ごとの登録となり、原則として、登録した県から出ることができません。
仕事が多いイスタンブールに行きたいと願うシリア人も多いですが、イスタンブールはKimlikの新規発行を停止しています。
そのため、違う県でKimlikの登録(シリアから来たばかりで登録することが多いので、よく分からないまま登録する、という話も聞きました)し、
仕事を求めて、イスタンブールにやってきて、身元確認が不十分でもできる仕事に就くケースがあります。
それが、ここで言う「不法移民」です。
こうした「不法移民」が「即シリアに帰らされる」と話すシリア人がいる一方で、
「ソイル大臣は、一時保護制度の対象となっているシリア国民が国外追放になることはないと強く述べた。
ソイル大臣は、一時保護制度の対象となっているシリア国民で移民登録がない人はキャンプに、
移民登録がある人は登録されている県に送られると説明した」とのことです。
「ソイル内相、移民政策について発言」(TRT 2019/7/24)
https://www.trt.net.tr/japanese/toruko/2019/07/24/20190724-002-1241849
● シリアが、シリア人がこれからどうなるのか?
この問いを、当のシリア人に尋ねても「分からない」という返事がかえってきます。
私たちができることは決して多くないかもしれませんし、大きいものではありませんが、
「まず知ることから始めたい」とお考えの方は、イベントに足を運んでいただければ嬉しく思います!
( ↓ 画像をクリックすればイベント申込ページに飛びます)
【トルコ便り】
①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち ● シリアの今
②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突
③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち
④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド
⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID ● 医療と教育事情
⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は
⑦【シリア人のID ~市民権と欧州の難民~】● トルコの市民権を得る ● 中東の「難民」、欧州の「難民」
◉【トルコでの僕の仕事とクルド民族について】
http://piece-of-syria.org/2019/07/09/summer/
【ご寄付】
・ネットでのご寄付
・銀行口座でのお振込
ゆうちょ口座 ピースオブシリア
店名 408(ヨンゼロハチ)
普通 4328753
※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、
お振込みの場合は
・メッセージ、DM
・メール(piece.of.syria@gmail.com)
・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/)
まで、ご一報くださいませ。
...
Posted at 21:40h
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イベント
by PiS
世界で6800万人を超え、かつてない規模へ拡大している難民問題。
持続可能な社会の実現を目指し、
「誰一人取り残さない」をスローガンとするSDGs達成へ向けて、
難民問題に向き合うことは必須の課題です。
かつて日本より平和だったシリアは今、
内戦によって一国では世界で最も多い600万を超える人々が、
世界各地へ避難を余儀なくされています。
また、アフリカ・南スーダンでは、
近年に生じた大規模な衝突によって、200万を超える人々が、
国内外へ避難を余儀なくされています。
そうした現実を自分事として捉え、
支援活動をされている実践者の方々から、
紛争と難民の現実を伺うことを通して、
持続可能な社会をつくるために、
私たちにできることを、ぜひ一緒に考えませんか?
●JICA関西HPでの詳細
https://www.jica.go.jp/kansai/event/2019/190401_01.html
●JICA関西Facebookでの詳細
https://www.facebook.com/JICAKansai/posts/2225166350882890
●チラシ
https://www.jica.go.jp/kansai/event/2019/ku57pq00000kqc6x-att/ku57pq00000kqc7w.pdf
【日時】
2019年6月8日(土)13:30~17:00(その後、交流会17:40まで)
【会場】KYOCA京果会館 3F HACOBA
〒600-8841
京都市下京区朱雀正会町1−1 / TEL: 0120-60-8448
JR嵯峨野山陰線「梅小路京都西駅」 徒歩1分(京都駅から一駅の新駅)
会場地図 : https://goo.gl/maps/Sn9LsqhGtw12
【入場料/定員】 無料 / 先着70名(要申込)
【主催】JICA関西
【協力】認定NPO法人 テラ・ルネッサンス、シリア支援団体Piece of Syria
【講師】
・中野 貴行さん (元青年海外協力隊(JICA) シリア / シリア支援団体Piece of Syria代表)
・栗田 佳典さん (認定NPO法人 テラ・ルネッサンス 京都本部事務局)
【プログラム(予定)】
●13:30 – 13:40 アイスブレイク
●13:40 – 14:50
第1部 「シリア内戦と難民の現実」
中野 貴行さん (元青年海外協力隊(JICA) シリア / シリア支援団体Piece of Syria代表)
●15:00 – 16:10
第2部 「南スーダン紛争と難民の現実」
栗田 佳典さん(認定NPO法人 テラ・ルネッサンス...
Posted at 12:00h
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へむり。
by PiS
アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。
● トルコの市民権を得る
● 中東の「難民」、欧州の「難民」
についてお伝えさせていただきます。
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トルコの市民権を得るメリット
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トルコ便り⑤でお伝えしましたが、トルコに住むシリア人のステータスは、
「来たばかりの人」、「Kimlik(外国人登録)」、「市民権」の3種類です。
市民権を取得するには、
・トルコに5年住み続けていること
・トルコ語が話せること、
・トルコにとって品行方正であること
・学歴や技術を持っていること
等、条件があります。
しかし、話を聞いていると、その条件がピッタリ当てはまる人でなくても市民権を得ていたり、
逆に取れていない人もいる、とのことです。
Kimlikがあれば、教育や医療を受けることができますが、移動の自由がありません。(参照)トルコ便り⑤
Kimlikを登録した県以外への引っ越しどころか、移動さえ難しく、
移民局の許可がなければ、県外に出られず、許可もなかなかおりないため、
仕事探しや家族に会いに、隣の町にいくことができない、という話をよく聞きます。
(日本で県外に出られない、という制約を想像してもらえたら、その大変さがイメージできそうです)
<僕らにとっては非常に便利なトルコのバス事情だが…>
トルコの市民権を得た場合、トルコのパスポートを取得することができ、
トルコ国内だけなく、日本をはじめ海外に行くこともできます。
家を購入することもできます。
トルコの与党は、シリア人に対して、無理に追い出すような政策をしていませんが、
野党はその反対の姿勢になるので、当然、シリア人を追い出すような対案を持っています。
「いつか選挙で与党が負けた際には、急にシリアに退去強制させられるかもしれない」
そんな不安もある中、トルコの市民権の取得は、
トルコに住む家族の仕送りに頼っている家族にとっても、
シリアに帰ったら徴兵制で戦前に送られるかもしれないと不安を感じている若者にとっても、
自分と家族の安定と安全を守ってくれるものなのです。
ただし、それが認められたケースは非常に限られています。
(聞いた話だと3万7000人。多そうだがトルコに住むシリア人全体の1%)
http://piece-of-syria.org/2019/03/03/kimlik/
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中東の「難民」欧州の「難民」
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「難民」といえば、難民キャンプに生活しているイメージをお持ちかもしれませんが、
実際には数%程度で、ほとんどが家賃を払って、都市で生活をしています。
そして「難民キャンプ」と名前がついていますが、
そこに住んでいる人たちは、実際には「難民(Refugee)」というステータスではありません。
「Asylum Seeker」(亡命希望者)というステータスです。
言い換えると、「難民になりたい」ということで、「難民」にはなっていません。
<イラクの難民キャンプ>
「難民申請」「難民認定」という言葉があるように、
申請し、認定されないと難民にはなれないからです。
シリアから国外に避難する際、周辺国のトルコ、ヨルダン、イラク、レバノンに向かうことが多いです。
しかし、それらの国では「難民」となれず、
ドイツやスウェーデン、カナダやアメリカなどで「難民」を目指すわけです。
例えば、僕が2016年にスウェーデンに訪れた際に教えてもらった例で言いますと、
難民申請から認定まで2年ほどかかりますが、
その間、語学訓練が実施され、授業に行けば生活費が支給され、家も個室(相部屋の場合も)でした。
難民認定後、5年以上定住し、安定した就労していることが認められると、国籍を得ることもできるそうです。
<スウェーデンの難民キャンプと語学学校>
シリア周辺国はまだ途上国で、ここまでの保障ができかねます。
制度が変わることも珍しくなく、いつ追い出されるかもわかりません。
就労そのものが認められていなかったり、仕事がなかったりします。
周辺国のシリア人は仕事がなくなれば「ゆっくり死んでいく」と表現している人さえいました。
トルコを除けば、国籍の付与も少ないため、特に子ども達の将来を考えて、不安だと言います。
子どもは、今住んでいる国しか知らないが、その国の国籍もないままで、その国の教育しか受けておらず、
いつしか実際の故郷にも、縁がない状態になってしまうからです。
将来への保障が感じられる「難民」と、
特に子ども達が不安定な立場になる不安が大きい「難民希望者」。
「ゆっくり死んでいくくらいなら」と、命をかけて死のリスクを負って
ヨーロッパに密航する人たちがいたのです。
そして、家族を呼び寄せて、子ども達への未来を紡ぐために。
<トルコから見えるほどの距離にあるギリシャのレスボス島。かつては難民が殺到していた>
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シリア人は難民になりたかったのか?
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シリアの人たちは、シリアという国が大好きです。
難民や難民希望者として受け入れている国への感謝をしつつも、
「シリアの方が豊かだったし、いい国だよな」という声ばかりです。
ヨーロッパに渡ったシリア人でさえ、その調子です。
(もちろん、そこに、三丁目の夕日的な「昔は良かった」という美化されたノスタルジーがあると思いますが)
離れ離れで暮らす家族、戻れない故郷は、いつも彼らに影を落としているように感じます。
いつか、シリアに戻れる日を。家族が集まれる日を。
僕らができることは限られていますが、
できることを、ひとつでも積み重ねられたらと思っています。
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【トルコ便り】
①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち ● シリアの今
②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突
③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち
④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド
⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID ● 医療と教育事情
⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は
◉【トルコでの僕の仕事とクルド民族について】
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【ご寄付】
・ネットでのご寄付
・銀行口座でのお振込
ゆうちょ口座 ピースオブシリア
店名 408(ヨンゼロハチ)
普通 4328753
※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、
お振込みの場合は
・メッセージ、DM
・メール(piece.of.syria@gmail.com)
・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/)
まで、ご一報くださいませ。
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Posted at 12:38h
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へむり。
by PiS
アッサラームアライクム!Piece of Syriaのへむりです。
最近、トルコも暖かくなり、桜かアーモンドの花を街中に見ることができます。
今回は、僕がトルコでどのような日常を送っているかを書きたいと思います。
<シリアの春に見たアーモンド>
<トルコで見かける桜?アーモンド?>
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様々な民族が混じるオフィスで
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現在、僕はNGOの専門家という立場でトルコ駐在をしています。
活動内容は、シリア難民の人たちがコミュニティを作り、
NGOがいなくなった後も、自立して生活していくお手伝いです。
僕自身が直接、受益者のシリア人に接するのではなく、
NGOオフィスで働くスタッフ達への働きかけをしています。
他の国や地域の活動を紹介して、彼らなりに応用して欲しいと思っているのですが、
「この地域では」とできない理由を並べ立てられたりもして、もどかしいこともあります。
基本的にはモチベーションは高く、やる気のあるスタッフが多いため、楽しく過ごしています。
オフィスには、トルコ人とシリア人、そして民族的には、
トルコ系、アラブ系、クルド系が入り混じっています。
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イラクに住むクルド人
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トルコには、世界最大の少数民族と言われるクルド民族が多く住んでいます。
クルド民族は、トルコ・シリア・イラク・イランにまたがって生活していますが、
自分たちの国を持っておらず、それぞれの国の中で「クルド語禁止」など、
文化や政治を表立って表現できていません。
<The Kurdish Project>
イラクでは、サダムフセイン政権下で迫害を受けていましたが、
アメリカによるイラク侵攻によって、フセイン政権が敗北し、クルド人は自治権を拡大し、
イラク北部に、バグダッドとは別の自治地域を作りました。
2016年に僕がイラク北部のクルド自治地域の「首都」エルビルを訪れた際は、
バグダッドとは別の独自のビザで、入国できました。
(最近、バグダッドに統一されたと聞いています)
「(中東では目の敵にされる)アメリカやイスラエルが大好きだ」という話を聞いたのが、すごく印象的でした。
<高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶエルビルの街並み(2016年)>
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シリアに住むクルド人
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シリア北東部のハッサケ、カミシリ、コバニは「クルドの町」と呼ばれ、
デリゾールやアレッポの一部の地域にも、クルド人が多く住んでいます。
クルド人は市民権(選挙権)を持たない、クルド語の学習ができないなど、権利が抑えられていましたが、
2011年のデモの後、アサド政権は、そうした抑圧を緩和しました。
南部の首都近辺が反政府組織との騒乱で揺れる中、
イラクで起こったイスラム国が、シリアの北東部の国境を超えて占拠し、
シリアの都市ラッカを首都とした時期がありました。
やがて、クルド部隊が盛り返し、イスラム国を撃退していき、
現在、シリア北東部はクルド組織の占領下にあります。
トルコ軍がシリア北部への侵攻し、占領地を広げる中で、この地域がどうなるかが
まだ見えていません。
<現在のシリアの地図(2019年3月11日)>
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トルコに住むクルド人
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トルコではかつて、アラビア文字でトルコ語を表記していました。
それが今は、英語に近い文字を使っています。それは100年ほど前に遡ります。
第一次世界大戦で同盟国が敗北したことで、オスマン帝国トルコが分割占領されていきます。
その抵抗運動を組織し、「近代トルコ建国の父」として、トルコ共和国を建国したのがケマルパシャ。
肖像画や銅像、そして紙幣で、トルコの国中で彼の顔を見ることができます。
彼の進める「西洋化」政策によって、文字が変わり、「政教分離」が進められます。
その中で、宗教を拠り所ではなく、「トルコ民族であること」を拠り所にしていきました。
しかし、トルコ共和国内には、クルド語を話す「クルド民族」がいます。
それに対して「トルコ語を学んでいないだけだ」とし、クルド語の教育やメディアは禁止され、
「トルコ人化」を進めようとします。
それに対するクルド人の反発は「テロ vs テロ対策」まで発展しますが、
今では、クルド系政党が国会で議席をとるにまで至っています。
(弾圧がないわけではない、とトルコに住むクルド人から聞くことも)
もちろん、陸でつながっていて100年前まではオスマン帝国という一つの国だったので、
トルコ人の中にもアラブ系もいます。
つまり、トルコ人の中にある民族的アイデンティティには、
「トルコ」「クルド」「アラブ」がある、ということです。
それが顕著に見えるのが「家の中の言葉」です。
外では、学校教育の中でトルコ語を学んでいるので、トルコ語を話しますが、
家庭では自分たちのアイデンティティ言語を話します。
(シリアやイラクでも同様です)
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多言語多民族のオフィス
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僕のいる町は、シリア国境が近いため、アラブ系トルコ人もシリア難民が多く住んでいます。
またクルド人にとっての「首都」にあたるディヤルバクルという街も近く、クルド民族も多い。
そんなわけで、オフィスには、トルコ人とシリア人、そして
民族的には、トルコ系、アラブ系、クルド系が入り混じっています。
アラビア語を話してたから、シリア人かな?と思ったらアラブ系トルコ人だったり、
チーム内にアラビア語が通じないトルコ人、英語が通じないシリア人がいて、クルド語が通じないシリア人がいて、共通語が全くなかったりすることも(トルコ語が話せないシリア人も多い)。
朝の挨拶はいつもパニックです(笑)。
<シリア人が多く住む地域ではシリア人のお店も>
僕がいるチームでは、シリア人スタッフが、シリア人世帯に家庭訪問をし、
情報共有をしたり、ワークショップやイベントを企画したり、
障害や病気があった場合は、ソーシャルワーカーにつないだりしています。
家庭訪問の際、男女ペア、アラブ系とクルド系がペアになるようにしています。
家の中に女性しかいない場合、男性だけが家に入るのを良しとしない文化があったり、
アラビア語を話せないクルド系世帯もいるからです(シリア人スタッフは全員アラビア語を話せる)。
<トルコ南部の街角にて。スーパーマーケットと書いてある>
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毎日の過ごし方
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スタッフの勤務は8時半から夕方5時半まで。
その間、僕は基本的に自由ですが、与えられた目標を達成できるよう行動しています。
土日や仕事終わりには、スタッフに誘われて英語クラブに行ったり、
スタッフが経営するダウンタウンのカフェに行ったり、
近隣の町まで出掛けて、シリア人・トルコ人・クルド人の友人に会ったりしています。
Piece of Syriaの活動は、早朝か仕事終わり、土日で、
記事を書いたり、現地パートナーとの調整、日本のスタッフとのやりとり等をしています。
トルコのビザは「180日間のうち90日間の滞在が可能」というものですので、
日本と行き来しながらになります。
日本にいるときは、家族との時間とPiece of Syriaの活動、講演活動を行なっています。
もうすぐ日本に戻りますので、また報告会を企画していきたいと思います。
是非、いらっしゃってくださいませ。
<スタッフに連れられて遺跡に遊びに行ったり>
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【トルコ便り】
①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち ● シリアの今
②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突
③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち
④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド
⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID ● 医療と教育事情
⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は
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【ご寄付】
・ネットでのご寄付
・銀行口座でのお振込
ゆうちょ口座 ピースオブシリア
店名 408(ヨンゼロハチ)
普通 4328753
※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、
お振込みの場合は
・メッセージ、DM
・メール(piece.of.syria@gmail.com)
・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/)
まで、ご一報くださいませ。
...
Posted at 14:04h
in
Blog,
へむり。
by PiS
アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。
● 外国人登録証Kimlikとは
● 難民キャンプが閉鎖する理由
についてお伝えさせていただきます。
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トルコ密入国、直後 ~ Kimlik取得
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トルコに住むシリア人のステータスは、3つあります。
「来たばかりの人」「Kimlik」、そして「市民権」です。
2011年の戦争前までは、買い物のために国境を越えるくらい自由でしたが、
今では多くの場合、シリアからトルコに来るのは密入国です。
相場は、時期や業者(安全度)によって違うのですが、最近は一人3500$と聞きます。
壁やフェンスができており、業者はその警備のスキマを探して国境を越えさせるのですが、
見つかれば射殺されるというリスクがあります。
(トルコ軍が密入国を斡旋しているケースもあるらしいですが、定かではありません)
2011年3月以降トルコ軍国境警備隊は避難しようとしたシリア人400人を射殺(2018年8月28日)#シリア #トルコ #難民 https://t.co/Qiikn6unK3
— シリア・アラブの春顛末記 (@SyriaArabSpring) 2018年8月29日
国境を越えた後、Kimlikという外国人登録証(Protection Card)の申請を行ないます。
「以前はそれほど重要視されていなかった」というこのKimlikが、
1~2年前から死活問題になる程に重要になっているとのことです。
Kimlikなしでは、学校に行けず、病院も保険なし、仕事もままなりません。
銀行口座や携帯電話を取ることもできないそうです。
(なので、国境を越えてすぐのところに、ヤミのSIMカードが売る人たちがいるんだとか。
ヤミなので、数ヶ月で使えなくなることもあるそうです)
<難民が殺到していた時期、ギリシャの島レスボス島の難民キャンプ前では携帯会社がSIMを売りに来ていた>
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Kimlikとトルコの難民キャンプ閉鎖
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Kimlikは申請してすぐに取れるわけではなく、数ヶ月から1年かかることも。
身内に障がいを持った人や病気の人がいた場合などは、優先して発行してくれるそうです。
Kimlikは県ごとの管理になるそうで、シリア人が特に多く流入しているトルコ南部の町では、
Kimlikを発行するイミグレーションオフィスが一時閉鎖したことも(しかも数ヶ月!)。
一度登録してしまえば、その県とIDが紐づくので、引っ越しは難しいと聞きました。
僕が訪れた、あるシリア人の家族は、トルコの難民キャンプに数年住んでいたのですが、
難民キャンプは今年から閉鎖が進んでいます。
トルコ内務省はシリア難民13万人を収容していたキャンプ6カ所を閉鎖(2018年11月22日)#シリア #トルコ #難民 https://t.co/nGrnRt9pNk pic.twitter.com/SSOCYJmlvz
— シリア・アラブの春顛末記 (@SyriaArabSpring) 2018年11月24日
そのため、その家族は難民キャンプから出て、自分たちの家を探さないといけないのですが、
キャンプがあった県はシリア人がほとんどいなかったそうで、
シリア人が多く住む、シャンルウルファ県にやってきたのです。
<トルコの難民キャンプ>
しかし県が異なるので、Kimlikがまだ取得していないことも多く、様々なサービスが受けれない状況にあります。
シリア国境近くの難民キャンプの閉鎖の裏には、お金の問題だけではなく、
トルコ軍のシリア侵攻が関係している、という人もいます。
(シリア国内にトルコ軍占領地があり、そこを拡張しようとしています。参照:トルコ便り④)
キャンプのあったところに、軍が配備されており、そのためにキャンプが撤去された、
と、あるシリア人は僕に話してくれました。
※僕が見た限り、報道では、軍の配備とキャンプ閉鎖との関連は書いていませんでしたが、
軍の配備している場所については、キャンプのある地名(スルチ区・アクチャカレ区)と重なります。
(参考)
●【テロ掃討】 国境向かい側からの挑発に対しトルコ軍が瞬時に報復 TRT2018.11.4
●Turkey closes six Syrian refugee camps (2018.11.22)
トルコ内務省は、19あるシリア難民キャンプのうち6つを経済緊縮を理由に閉鎖した。トルコに住むシリア人は、2017年の340万人から、2018年には360万人に。トルコ政府は、トルコ軍が占領するシリア北部の安全地帯へのシリア人帰還を進める政策をしているが、実際にはトルコのシリア難民の数は増えている。トルコ南部のガズィアンティップ県、マルディン県、シャンルウルファ県の、13万2000人の住む6つの難民キャンプを閉鎖した。
内務省は、閉鎖の理由について経済の緊縮とし、キャンプに住んでいたシリア人は経済支援を使って家を借りていたと話した。3万1000人のシリア人はトルコの他のキャンプに移動した。6つのキャンプ閉鎖によって、7690万リラ(1450万ドル)が節約できたという。
<スルチ>
<アクチャカレ>
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僕らは、夢の中にいる
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「数ヶ月あれば、状況は変わってしまう。
だから、僕らは帰るのは難しいんだ。まだまだリスクが高い」
と、言うと、友人は涙目になりながら、僕に語ります。
「まるで、夢の中にいるみたいだ。
7…いや、もう8年だよ。戦争が始まってから。
僕の故郷も、政府軍に、ダーイシュ(IS)に、クルド軍に、
めまぐるしく支配する組織が変わり、そのたびに破壊されてきた。
帰っても、僕の住んでいた家はもうないんだ」
朝起きて、家族とご飯を食べ、学校や職場に行き、
2時には仕事を終えて、家に帰って、家族とご飯を食べ、
夕方から夜にかけて、友人たちとおしゃべりしたり、親戚の家に行ったり・・・。
のんびりと、人と人とのつながりを、家族を大切に生きてきたシリアの人たちの「当たり前」。
それが再び、「当たり前」になる日がくるように、僕たちができることはあるのでしょうか。
答えは出ないままですが、今できることを少しずつ積み重ね続けたいと思います。
次回は、シリア人のIDの続き、「kimlik取得後」と「市民権」について、解説したいと思います。
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【トルコ便り】
①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち ● シリアの今
②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突
③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち
④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド
⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID ● 医療と教育事情
⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は
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【ご寄付】
・ネットでのご寄付
・銀行口座でのお振込
ゆうちょ口座 ピースオブシリア
店名 408(ヨンゼロハチ)
普通 4328753
※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、
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・メッセージ、DM
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まで、ご一報くださいませ。
...
Posted at 00:27h
in
へむり。
by PiS
アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。
● トルコのバス事情
● シリアの中のトルコとクルド
についてお伝えさせていただきます。
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トルコのバス事情
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トルコの市内バスは、日本のPitapaのようなICカードが使われています。
現金で払うより運賃が半額ほどになるのでありがたいのです。
[caption id="attachment_17511" align="alignnone" width="500"] ここにピッと当てる[/caption]
ただ難点は、「どこで売っているかを探し当てるのが大変」ということと、
「町ごとに流通してるカードが異なる」という点です。
カードは、バスターミナルの売店の窓口を見つけられたら、5リラで買えます。
(町ごとに違うカードなので、毎回探し当てないといけないのが大変…)
チャージは、日本のようなチャージの機械もしくは窓口でできます。
または、雑貨屋さんでもチャージできる所があります。
バスの中は譲り合いの文化。
女性や年配の方が来られたら、男性陣はさっと席を譲ります。
ちなみに。
今いるのは、割と保守的だと言われるトルコ南部の町ではありますが、
ヒジャーブで髪の毛を隠した女性達だけで出歩くのも、日常的な出来事です。
(シリアでも、それは普通でした)
長距離バスは、頻繁に街と街を行き来しています。
また、小さな町にも空港があって、LCC(格安航空)も行き来しています。
【バスと飛行機が一覧で出てくる便利なサイト】
[caption id="attachment_17514" align="alignnone" width="500"] <バスターミナルとチケット>[/caption]
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移動できないという日常
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先日、長距離バスの移動中に、セキュリティによるIDチェックを受けました。
バスが止められ、セキュリティが車内に入り、乗客のIDを一人ずつ預かっていきます。
僕はパスポートを見せれば、特に何も言われたりはしませんが
シリア人は事情が違うんだそうです。
昨年の緊急事態宣言以降、シリア人は許可がないとトルコ国内の都市移動ができなくなったのです。
行き先に家族がいるか、仕事を探すなどが明らかじゃないと許可も取れないそうです。
5年も住んでいる国で、自由に移動できない、というのは、
なかなか想像できないと思います。
トルコ、非常事態宣言を2年ぶり解除 デモ制限などの新法も準備
(新法が、事実上の「非常事態宣言」の恒久化だとして批判も)
[caption id="attachment_17516" align="alignnone" width="500"] <ヨルダンの街中にて>[/caption]
ヨルダンにいた時も、長距離バスではなく首都のアンマンの市内バスで、
抜き打ちで、乗客全員のIDチェックされたことがあります。
下記の地図にあるように、湾岸諸国を除くシリアの周辺国が非常に多くの難民を受け入れています。
Syria Crisis | Refugees and IDPs – DG ECHO Daily Map | 19/04/2018
国連やEUからの支援を引き出して、トルコ政府はポケットに入れてるんじゃないのか?
きちんと届いていない!と憤るシリア人たちの声も聞いたりはするのですが、
難しい舵取りの中で、自国民の不満を爆発させないようにしながら、
テロの芽を摘み取りつつも、人道的な対応を迫られている国々の努力は肌で感じます。
とはいえ、「ここしか居る場所がない」とトルコに住むシリア人が、
自由に移動さえできない、というのは、彼らに暗い影を落としているように思います。
許可がないまま移動した場合、
「シリアに強制的に返される」「投獄」になるかもしれないそうです。
[caption id="attachment_17518" align="alignnone" width="500"] <ヨルダンの市内バス>[/caption]
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可能性を求めて
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トルコは今、シリア北部に支配地域を作っています(トルコ便り③に詳細)
[caption id="attachment_17694" align="alignnone" width="500"] Syrian Civil War Map[/caption]
こちら住むシリア人によると、
トルコは、その支配地域を広げようと画策している、と言います。
狙っているのは、今、クルド人が支配している地域だそうです。
マンベジ西部の村の近くで、トルコ主導の軍とクルド軍が戦闘に。
マンベジが攻撃されないように、米政府とトルコ政府で協定が結ばれていたが、反故された形とのこと。
僕が出会った友人たちの平和な日常を願ってやみません。#Manbij #シリアhttps://t.co/ne5FRKI50a
— へむり。@シリア国内への教育支援 (@hemuri_) 2018年11月20日
このことについて、トルコに住むあるシリア人からは、
「トルコの支配地域が増えてくれた方が嬉しい。
クルド支配地域は治安も悪く、警察が機能しておらず、
家に泥棒が入られた友人も、泣き寝入りしたんだそうだ。
(クルドが支配する)俺の故郷のデリゾールでは、
アフガンなどから来たドラッグの売買が蔓延していて、
街角で売られていたり、シリア政府支配地域にも流れていると聞いている。
一方、トルコ軍がコントロールしている地域は、治安も安定している。
今、トルコ政府はシリア人をその支配地域に戻るように呼びかけている。
トルコ政府は決して強制はしていないが、
引っ越し費用を出したり、仕事を斡旋しようとしてくれたり、と。
俺もトルコが支配してくれている地域なら、シリアに帰ることを考えるよ」
と話していました。
とは言え、僕の住んでいたマンベジ(Manbij)が戦闘地の候補になっている現状に、不安は募ります。
こまめに友人たちに連絡を取るようにはしていますが、どうか無事でいてほしいです。
「当たり前の日常」という幸せを、
叶わない夢ではなく、再び日常に。
その日まで活動を継続していきたいと思います。
【イベント】
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12月21日(金)夜...