活動報告

代表中野にVR事業についてインタビューしてみました🎤

こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。Piece of Syriaインターンのりんです。

 
さて今回は、現在Piece of Syriaが進めているVR事業について、主軸となって進めている代表の中野にインタビューさせていただいたので、そちらの記事をみなさまにご紹介したいと思います。

 
様々なデジタルツールが普及する今、コンピューターによって作り出された仮想的な空間などを、まるで現実であるかのように疑似体験できる仕組みであるVR(Virtual Reality、仮想現実)も、多くの現代人に親しまれているといえます。様々な業界が目的に応じて、このVRを幅広く活用しています。
Piece of Syriaも、こうしたVRの強みを活かして、シリアのことを広く伝え、知ってもらえられたらなと考えています。

 

Piece of SyriaのVR事業に対する想いを中野に、質問形式で語っていただきました。以下、そのインタビュー記事を載せておりますので、ぜひご覧ください👀

Q. 具体的にどんな事業ですか?

 シリアの文化や人々の生活を、VRを通して「体験」できる授業やイベントを作る事業です。

 
 シリアは、まだ現地に行くことが難しい状況なので、360度映像やVRを活用することで、遺跡の中を歩いているような感覚や、街角で響く音楽・家庭の食卓の雰囲気などをその場にいるように感じられる体験をつくりたいと考えています。シリアの豊かな有形・無形遺産をデジタルで残し、今だけでなく未来につむいでいくことを目指しています。

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今年9月6日の東京イベントでのVR体験の様子

Q. 事業の目的、目標はなんですか?どんな事業にしたいですか?

日本では、「戦争」「難民」というイメージが強いシリアですが、美しい遺跡や歴史ある文化を持つ魅力的な国だと、私たちは今まで伝えてきました。デジタル技術を用いることで、平面の映像や文字情報以上に、リアリティをもって感じていただき、理解や共感の輪を広げていこうと考えています。

 
 また、難民として他国に住むシリアの子どもたちも多いため、シリアに行ったことがない子どもも少なくありません。「お父さん、お母さんが生まれ、育った国ってどんな場所だったの?」ということを伝えるものとして、母国を知るための教材化も進めているところです。

Q. 本事業をやろうと思ったきっかけを教えてください。

まず「シリア文化」について取り組もうと思いました。シリアの内戦は非常に複雑で、大きな分断が生まれていました。

一方で、シリアの人たちに「シリアの魅力」を尋ねると、「多様性」という答えを聞くことが多かったんです。元々持っている「多様性」が「分断」されているのが戦争なのでは?と仮定してみました。

  
 僕が何かできるかを考えているときに、「なぜ人類は戦争で文化破壊を繰り返すのか?」(ロバート・ベヴァン)という本に出会いました。

戦争中に、「敵」の文化や精神的支柱となるものを壊すことで、相手の心を折ることを敢えて行っている、というのです。

 

逆に言えば、文化を守ることが平和につなげられるのでは?と。ユネスコ憲章にも「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不審を起こした共通の原因」と書かれています。

  
 この活動は戦争を止める直接的なことではないかもしれないけれど、対立している立場にある人たちが協働・協力するための「対話」を創る可能性があることを信じて、文化事業に取り組もう、という構想が生まれました。

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ダマスカスにあるウマイヤドモスク(戦争前に撮影)。多神教のローマ神殿、キリスト教の教会が転用されています

Q. 中野さんが感じる本事業の魅力は何でしょうか?

他業界・他業種との協働が生まれているところです。

 
  今まで、私たちは「シリア支援」「教育支援」に専念し、おかげさまで多くの方のご支援を届けていただき、現地で大きな成果を生み出すことができています。ですが、シリアや国際協力に関心がある方は決して多くはありません。また寄付以外の協力方法についての提案が僕らもうまくできていませんでした。

 
 ですが、今、新たなシリア人NGOのパートナーだけでなく、日本の大学、企業、ミュージシャン、NPOの方々と相談しながら活動を前に進めることができています。新しいつながりが次々に広がっているのが、この事業の魅力です。

Q. 事業を進めている中で、印象的だった出来事はありますか?

正直、どんな成果が見せることができるかわからない、新しい挑戦だと思っています。

しかし、そんな事業に助成金を出して、応援してくださる方々がいらっしゃって、「あなたたちの事業は本当に大事だ」と活動を後押ししてくれていることです。

さらに、VRを体験した方から『シリアに行ってみたい』という声をいただくなど、共感の輪が少しずつ広がっていることも、挑戦してよかったと感じています。

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2025年春の出張で代表が撮影したダマスカス市街の様子

Q. 逆に事業を進める中で、大変だったこと、苦心したことは何かありますか?

内部の理解が意外に難しかったです。「私たちが今までやってきた教育支援に専念すべきではないか?」という声が多くありました。

しかし、私たちのビジョンの達成や、活動を理解し応援してくださる方を増やしていくためには、重要だと確信していました。

 
 予算面では、「寄付でお預かりした分は教育支援に、文化事業は助成金と事業収益でまかなう」ということと、業務時間としても他のスタッフは教育支援に専念してもらって(広報だけはお願いしました)、僕が教育支援に充てる時間を減らさないようにしながら、僕とプロボノメンバーで進めるようにしていました。

今ではスタッフも意義を理解し、一緒に前進できています。

Q. 意気込み、みなさまに向けて一言があればお願いします。

先日、VR体験、360度映像の体験をしてもらったときの反応がすごかったんです。「あれ?どこでもドア?」って。

 

シリアや中東は決して身近ではありません。ですが、そんな「遠い世界を近くに感じられる」きっかけを届けることには様々な可能性を感じています。
  一人でも多くの人が、シリアや中東を「知りたい・行ってみたい」と思える未来をつくれるよう、挑戦を続けていきます。

皆さんと一緒に、この文化を未来につなぐ活動を広げていければ嬉しいです。

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今年9月6日の東京イベントでのVR体験の様子

みなさまいかがだったでしょうか?代表中野の本事業に懸ける熱い想いが伝わってきますね。

今後も、Piece of Syria では、こうしたVR体験を通じたイベントを定期的に開催していく予定です。イベントを通して、みなさまにシリアをより身近に感じていただきたいと考えています。

 
 
今後も、イベント情報やVR事業の報告は、公式ホームページやSNSなどで詳細を発信していきます。

ぜひチェックしてみてください!みなさまのご参加を心よりお待ちしております✨

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