2023年2月6日、トルコ南部とシリア北部を襲った地震はマグニチュード7を超え、トルコ・シリアであわせて死者5万6,000人以上、2,000万人以上が被災し、数百万人が避難する未曽有の大災害となりました。
(震災直後、シリアのスタッフから届いた写真)
私たちは、地震後すぐにシリア人スタッフに安否と被害の状況を確認しました。
そして、緊急支援のための活動のために動きを見せており、資金さえあれば、緊急支援の活動ができることが分かり、寄付のキャンペーンを開始。
650名を超える個人・法人の方から、1200万円を超える、あたたかいご寄付をいただくことができ、現地で最も必要なものを届けるための活動を進めることができました。
(708世帯にテントの配布などを実施しました)
私たちはトルコ南部にも活動地がありますが、シリアに集中する形での支援を行いました。
なぜなら、シリアは長期化する戦争によって、生活が元々厳しい状況に加え、政治的な対立によって支援を届けにくかったためです。
震災の前から、シリアは、ニュースでの関心の低下から支援も減少傾向にあり、さらに2年で8倍にもなる物価高騰など、「ここ数年で一番生活が厳しい」という状況でした。
その中で起きた地震は、シリアの人たちを絶望に突き落としたと言います。
そこで、支援がより届きにくい地域に住む人々に、希望となる支援を届けたい、と現地スタッフと活動を開始。
スタッフには安全第一で、と伝えていましたが、自らが被災する中でも、情熱を持って活動しており、今まで教育支援で培ってきた現地でのネットワークを用いて、支援物資を適正な価格で手に入れ、どこに最も支援が必要な人がいるかを把握し、届けてくれました。
(テントの値段が地震後1週間で2倍近くなるなか、自前で作成)
「教育を続けるためにもまず、先生達に支援を届けることが重要だ」
そう話す現地スタッフの声を元に、共に活動をしてきた先生達が、今後も教師として地域で活動を続けてもらうため、教職員に対象にした緊急支援を実施しました。
シリア北西部では180万人が被災、30万人が家を失い、50%を超える学校が影響を受けていました(OCHA、2023)。
また、公共サービスが届かないシリア北部では、先生が無給であることも多く、経験のある先生が別の場所に避難し、先生不足から学校が閉鎖する問題がありました。
今回の地震を受けて、地域から先生がさらに減ってしまうリスクが高まっていました。
そこで私たちは、教職員を中心に、テント・食料などの緊急支援を実施しました。
(震源地から近いシリアの地域では、50%近い学校が影響を受けました)
ご支援のおかげで、下記の事業を実施することができました。
$ 13,200:テント/防寒具/食糧
地震での家屋被害が特に大きかった教職員の108世帯(家族4名が生活できる簡易テントを100世帯分、毛布や食糧が備わったテントを8世帯分)に配布しました。
$ 64,000 :現金給付
家の補修や、子どもの数、家族の持病など、各家庭ごとに異なるニーズに応えるために、教職員700名に、現金給付を実施しました。家の補修を現地の職人に依頼することは、地域経済にとってもプラスになります。
上記の緊急支援に、キャンペーンで集まった資金のうち、約1100万円を活用させていただきました。
差額分につきましては、下記の「緊急支援後」の活動のために活用させていただいています。
(先生達が地域に残って先生として働いてもらうために、現金給付を実施しました)
破損した屋根や窓、床などの修復、電力設備の修繕、壁の塗装、ホワイトボードの取り付け、9月から学校を再開させています。
■心のケアのためのアクティビティ・心のケアセンターの運営
地震後すぐに、幼稚園で心のケアを実施。2023年10月からは1000人の生徒・先生・保護者を対象にした心のケアセンターの運営を開始しました。
(動画内で、地震後の心のケアのアクティビティについて紹介)
■地震で被災した小・中学校に越冬支援として皆さまのご寄付を届けています
クラウドファンディングで集まった金額に加え、継続寄付や単発のご寄付から100万円を追加し、越冬支援として灯油ストーブや燃料をシリアの小中学校に届けています。
<日時>4月19日(金)20:00-21:00 +交流会
<参加費>無料 ※ご支援者限定
<申込>https://report2024cf.peatix.com/