Piece of Syriaでは、教育支援活動、そして経営において、各分野の専門家である「アドバイザー」の方々に外部の視点から定期的にアドバイスを頂戴しています。
就任から約1年を振り返って、アドバイザーの方々からメッセージをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
関西大学 名誉教授
NPO法人 学習創造フォーラム 代表
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<メッセージ>
"シリア内戦が終結し、今後、シリアの子ども達が帰国するに伴い、教育において母国語のアラビア語の補習が重要になってくると思います。しかし、シリア国内におけるJICAや日本政府からの支援はまだ時間がかかるかもしれません。そこで、企業からの応援や海外からのファンドに応募するなどを検討することが求められます。
そのためには、現地の活動をビデオに収録・編集した動画をSNSで発信したり、現地と日本の学校をつないだ交流の場など、シリアの子どもたちの現状を具体的に知ってもらう工夫をしたり、企業がつながりたくなるポイントを作っていくことを検討していくことが重要になります。
地域と密着して、学校、企業、そしてシリアを結びつける橋渡しのような活動ができるようになると、団体の活動がより多くの人たちに知ってもらえるようになると思います。応援してます。"
上智大学 総合人間科学部教育学科 教授
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<メッセージ>
"アサド政権が崩壊し、シリア情勢が大きく変わっていく中で、教育カリキュラムがイスラム色が強まる傾向がある、という報道がありました。支援活動の役割の一つとして、少数派も重視するような教育を目指すような働きかけを行ない、元々シリアが持っていた多様性が損なわれることがないようにしていくことも重要だと感じています。
Piece of Syriaはシリア国内で幼稚園を運営し、子どもたちが多様性や寛容さを学ぶ機会を提供しています。そのことは、将来の国づくりにおいて非常に重要です。幼少期のこうした学びが、平和な社会を築く基盤となっていくからです。
長期にわたる戦争でインフラもまだ整っておらず、人材育成に対しての支援はまだまだ手薄な状態が続くと思います。そこで、Piece of Syriaが現地で得た生の情報を発信し、日本からのシリア支援が本格的に始まる際に、現地目線での情報を通して、支援のニーズを把握していくことができると良いと感じています。
Piece of Syriaには、目の前にある課題に対しての活動も継続しつつ、シリアの国作りに関わる、中長期的なビジョンを示し、シリアの教育と復興を支える役割を果たしてほしい。"
株式会社アビタシオン 相談役
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<メッセージ>
"ニュースが伝える通り、シリアの政治状況が変わり、現地の生活やニーズが今後大きく変わりそうです。パレスチナやアルメニア、イランなど紛争当事国に囲まれる土地柄だけに、シリアが再度不安定化すれば周辺の紛争に影響を与えかねず、現地の情報を絶え間なく入手し、その時や場所に応じた適切な援助を提供することがとても大事になるのだろうと思います。
そんな中、当地に幅広い人脈を有し情報に精通するPiece of Syriaの重要性は、現地の人にとっても、日本にとっても、ますます増すばかりです。そして、Piece of Syriaが活発に活動し、シリアの人々の支援を続けるためには、団体の経営を安定させる継続的な国内のサポーターがもっと必要だと思います。
昨年代表の中野さんがニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人 100」に選ばれたことは、活動を認知し評価してもらえるよいきっかけになったと思います。
中野さんの地元や出身学校のOBなど、中野さんに個人的なつながりを感じることのできる人たちの中に国内の支援の核となるサポーターが生まれることを期待しています。
地元の人々や子供たちにとっても、難民支援のために世界を飛び回る中野さんのお話を直接聞ける機会があれば、とてもよい経験になると思います。"
日本精機㈱ 代表取締役
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<メッセージ>
"私自身、企業仲間にPiece of Syriaへの寄付を伝えていますが、簡単ではありません。多くの中小企業にとって、中東・シリアは遠く感じてしまうからです。しかし、日本は一国で生きているわけではなく、世界とつながりあって生きています。企業として世界に貢献することが重要だと言うことをもっと伝えたいと思います。
今、多くの企業は、素晴らしい人材を獲得することに苦心しています。そこで寄付の可視化を工夫すれば、企業のイメージアップ戦略につながり、支援のハードルを下げられるのではないでしょうか?例えば、寄付したことで、Piece of Syriaが支援した校舎に企業名を刻んだり、継続的な支援を表彰することも考えられます。私たちの会社も、Piece of Syriaの幼稚園と社員たちが対話する時間を作らせていただきましたが、その様子を会社のSNSなどにそのまま投稿できるようなところまで編集して渡してもらえたら、会社側も活用しやすいと思います。
企業が支援を実感できて、外部への企業の魅力発信となる形を整えることが大切です。Piece of Syriaには、こうした視点を取り入れながら、企業との新たな関係を構築していくことを期待しています。"
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4名のアドバイザーの皆さまからは、ご多忙な日々の合間を縫って活動を見守っていただき、貴重なアドバイスを頂戴しました。
今回いただいたアドバイスを受け、教育支援の面では、情勢の変化を受けた教育内容の検討、シリアという国が本来持つ多様性や、Piece of Syriaらしい柔軟性を活かした活動の展開を目指してまいります。
経営面では、これまでリーチできなかった層へアプローチし、新たな核となるサポーター様との繋がりや、法人様との連携を模索していきたいと思います。
引き続き、Piece of Syriaの活動を見守っていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。