皆さま、こんにちは!Piece of Syriaインターンの岡田です。
本日お届けするのは、Piece of Syriaが行っている海外事業に関するご報告・第3弾心のケアセンターの後編です。前編ではPiece of Syriaが約200名の先生たちを対象に行った教員研修に焦点を当てましたが、後編の今回は1200名以上の子どもたちが参加した心理社会的ワークショップについてお話しします。
幼い子供たちは、身体的にも精神的にも大事な成長過程にあります。そんな時に、彼ら・彼女らは、戦争や災害といった辛い経験に見舞われました。そんな子どもたちの精神を少しでも回復し、次世代の担い手として教育を施すかどうかが、シリアの未来にとって非常に重要なのです。
ワークショップの様子
私たちPiece of Syriaは、この心のケアセンターでの活動を通して、子どもたちに自己表現と自己回帰の機会、そして生活に必要なスキルを学ぶ機会を提供することで、中長期的なケアを続けられると考えています。
絵を描くアクティビティの中で自己表現をする子どもたち
2024年1月より始動したこちらのワークショップは、4部構成で実施されました。
まずはお絵描きを通じたワークショップ。こちらでは、子どもたちが自分の好きなものを絵に描き、なぜそれが好きなのか、なぜそれを選んだのかを共有する場となりました。お庭や海を描く子どももいれば、戦争で亡くしたお父さんや地震で倒壊した自分の家を描く子どももいました。
同月に行われた第2弾は、経験を行動で表すワークショップです。こちらでは、自分の体を使って自分の経験を再現する、という活動が行われました。地震の時に家族がどう動いたかなど、各自でデモンストレーションを行いました。そして、それらの経験からいかに学ぶか、違う視点から捉えるか、という問いかけを行いました。
同年2月には、第3弾となるライフスキルを学ぶワークショップが行われました。こちらでは、コミュニケーション力、時間管理、グループワークを中心に、今後学習を進めていくうえで欠かせないスキルを養う機会が設けられました。
最後の第4弾は同年3月に開催されたグループプロジェクトです。学校の校庭に集められた子どもたちは、いくつかの班に分かれて与えられたお題に対し解決策を見出す、というアクティビティを行いました。大勢の前で自分の考えた解決策や意見を発表することで、個々の自信に繋げよう、という狙いのもと行われました。
自己表現とは、私たちが常日頃友達や家族相手に行っていることです。しかし、表現の相手を自分にすることで、自分の感情や経験を整理し、心理的な負担を減らしたり、周囲との社会的な関係の構築をスムーズに行えるようになると私たちは考えています。
今後も、心のケアセンターは先生や子どもたちを対象にワークショップを行うだけでなく、彼らからの相談も受け付けられる体制を整えていきます。センターのカウンセリングチームが相談者の話を聞き、精神的負担を軽減し、必要に応じてより高度な医療機関に相談者を案内できる形が取られます。
戦争や災害に負けず、立ち上がろうとしているシリアの人々を、私たちPiece of Syriaは今後もずっと応援し、支援していきます。
ぜひ、私たちの活動にお力を貸してください!あなたも、私たちと同じように、シリアの平和を形作るパズルの1ピースになって頂けることをお待ちしております。