活動報告

シリアの幼稚園・小学校の教員と児童を対象とした心のケア活動を行っています【前編】

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皆さま、こんにちは!Piece of Syriaインターンの岡田です。

本日お届けするのは、Piece of Syriaが行っている海外事業に関するご報告の第3弾!

 

戦争や災害など、これまでにシリアの人々は数多くの逆境に立ち向かってきました。それらの逆境は、時に人々の心に大きな爪痕を残します。実際に、心の傷が原因で学校に通い続けるのが難しくなってしまう子どもたちもいます。

 

Piece of Syriaでは、子どもたちや先生たちが安心して教育を受けられるように、彼らの心のケアを提供することを重要視しています。2023年11月から1年間かけて実施中の本事業では、先生たちと子どもたちそれぞれに心のケアに関する研修を行いました。

 

前編の今回は、10校の対象校にいる200人以上の先生たちに行われた、特別なニーズを持つ子どもに対応するスキルや、セルフケアの重要性に関する研修についてお届けします!

 

 

心理的・社会的ケアについての教員研修

  

長引く避難生活や地震の経験など、多くのストレス源となり得る事象に触れてきたシリア人の子どもたちにとって、身近にそういった心の悩みを聞いてくれる、そしてその悩みに適した対応をしてくれる大人がいることはとても大事なことです。

 

Piece of Syriaはこの重要性を認識し、私たちのシリアでのパートナー団体であるEducation Without Bordersと共に計10校の幼稚園・小学校にて、教員100名を対象に、子ども向け心理社会的ケアの基本的な手法を身に付けてもらう研修を行いました。

 
研修内容には、発話・言語障害、小児自閉症、学習障害等といった特別なニーズを持つ子どもに適切に対応するための専門性を身に付ける座学研修も含んでおり、多様な子どもたちを包括的に指導できる人材を育てるべく、今回の研修は行われました。

 

 

■教員研修を通して得られたこと、先生の思い

 

2023年12月に行われた今回の教員研修。計10校の学校から200名以上の先生が参加し、研修中はとても活発な議論や先生たちからの質問が見られました。

 

避難のために長距離移動したり、地震災害にみまわれるなどした家族が、ストレスを抱えた子どもたちとどう向き合ってきたか、親たちが心理カウンセラーなどのプロの協力を上手く得ながら子どもたちに向き合うには何ができるか、社会的危機や戦争、災害の被害にあった子どもたちにどんな特徴が見られるかなど、様々なポイントについての議論が交わされました。

 

また、自閉症など特別なケアが必要な子どもたちがクラスにいる場合、どう対応すべきかや、心理的トラウマとその影響についてなども重要なトピックとして扱われました。

 

研修後に行われたインタビューで、ある先生は以下のように答えてくれました。

 

「私は、心のケアの研修を受け、学校で心理的問題を抱える子どもたちを発見する経験を積みました。

 

この訓練により、教師として子どもたちに対する心理社会的ケアの基本技術を習得しました。訓練内容には、言語障害や発達障害、学習困難など特別な支援を必要とする子どもたちに適切に対応するための必要な経験が含まれていました。

 

私自身も、以前は職場での問題や家庭でのストレスにより、厳しい状況に直面していましたが、この素晴らしい訓練を受けたことで改善し、学校の子どもたちを助けることができるようになりました。

 

また、学校で提供された絵画や自己表現のセッションが子どもたちに非常に良い影響を与えたことも報告したいです。

 

これにより、子どもたちは友達や学校、教師を愛するようになり、教師との間に共有が生まれました。最後に、私たちのスキルを向上させ、子どもたちの問題を早期に発見し、専門の心理センターに紹介する機会を提供してくれた日本の友人たちに心から感謝します。」

 

(研修に参加したファティマ先生より)

 

  

■教員研修の大切さ

 

実際に研修に参加してくれたファティマ先生の声は、日本にいる私たちに何を伝えてくれるのでしょうか。

 

シリアの人たちが重視する教育。戦争前までとても高い水準の教育率を誇っていたからこそ、彼らは教育の重要性を理解し、未来を担う子どもたちに継続的にその機会を提供していきたいと強く願っています。

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そのためには、単発で終わってしまうような支援ではなく、持続的に現地にインパクトを残せるような支援が非常に大切だと、Piece of Syriaは考えています。今回の教員研修は、まさに現地の人の、現地の人による、現地の人のためのプロジェクトではないでしょうか。

 

戦争や災害など、人々の心に大きな影響を与える事象を多く経験したシリアだからこそ、1人でも多く、現地で継続的に、先生として子どもたちにケアを届けられる人材の確保が必要不可欠です。

 

Piece of Syriaは、引き続きこういったプロジェクトを行い、新たに始めていくために、全力を尽くします。

 

後編では、同じプロジェクトの一環として子どもたちを対象に行われた、心理社会的ワークショップに焦点を当ててまいります。

 

お楽しみに!!

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