東京大学大学院・渡邉英徳研究室とNPO法人Piece of Syria(代表理事:中野貴行)は、シリアの文化遺産や日常の記憶を3Dデータとして記録・保存する「シリア・アーカイブ」を共同で開始
戦争は、街を壊すだけでなく、人々の文化や記憶、社会のつながりを分断します。文化や伝統、日常を記録し未来へ手渡すことは、復興に向けた土台づくりにもつながります。こうした考えのもと、両者は3Dデータを活用した「シリア・アーカイブ」を進めています。
シリア3Dアーカイブ:https://syria.archiving.jp/
シリアでは長引く紛争の中で、歴史的建造物や街並みが破壊されてきました。さらに、難民・避難民として故郷を離れた人々が増えたことで、伝統文化や生活の記憶そのものが失われつつあります。
こうした状況に対し、文化のアーカイブを行うことには大きく三つの意義があると考えています。
・戦争では、人々の心を挫くために文化遺産が意図的に破壊されることがある。だからこそ、文化を守ること自体が平和へのメッセージになること
・国民の半数以上が避難生活を余儀なくされ、後継者不足や伝統行事・音楽・母国語に触れる機会の喪失によって、文化の断絶が進みつつあること
・シリアを知らずに育つ子どもたちが増える中、自国に根付いてきた文化や伝統を知ることが、将来の復興を支える精神的な土台になること
この取り組みは、日本に住む私たちにとっても、戦争や難民というイメージで遠く感じられがちな中東地域を、豊かな文化と日常を持つ社会として捉え直す機会となります。
Piece of Syria 中野
「私たちは、シリアからトルコに逃れたシリア人の子どもたちに、母国語・母国文化を学ぶ補習校を運営してきました。
トルコ生まれのシリア人は70万人以上と言われ、母国を知らない子どもたちも多く、親世代はそのことを危惧しており、そうした声から本プロジェクトは生まれました。また、長期に渡る内戦で生まれた分断は、支援活動を妨げるほど根深く、時に命の危険を脅かすものになっています。
だからこそ、分断を超えて共通する価値観となる歴史的な文化を軸に、対話と協働を生み出していく可能性を信じて、取り組んでいます。
今回、広島・長崎・ガザなどでの取り組みに感銘を受けていた渡邊先生と、こうして共同事業ができることを大変楽しみに、ワクワクしています」
写真右から二人目の渡邊教授を囲むPiece of Syriaスタッフ。一番右が代表の中野
本プロジェクトに関連し、「シリア3Dアーカイブ」も用いたワークショップと、東京文化財研究所・安倍雅史氏と、シリア中東の歴史・文化・政治の専門家の黒木英充氏によるシリア文化の解説、そして参加者同士の対話の機会を作ります。当日は、渡邊教授もご登壇いただき、シリア3Dアーカイブについても解説いただきます。
【日時】 2026年4月26日(日)14:00 – 17:00
【会場】 JICA東京(幡ヶ谷駅から徒歩約8分)
【参加費】無料
【詳細・申込】 https://syriaculture2026.peatix.com
【後援】独立行政法人国際協力機構(JICA)
【主催】NPO法人Piece of Syria
【渡邉英徳研究室プロフィール】 東京大学大学院情報学環に拠点を置き、戦争・災害・社会記憶を対象に、デジタルアーカイブと情報デザインの研究・実践を進める。ヒロシマ・ナガサキアーカイブ、東日本大震災アーカイブ、ウクライナやガザの戦災、能登半島地震のデジタルアーカイブなど、記憶を未来へ継承するプロジェクトを展開している。直近では、緊迫する中東情勢における衛星画像やオープンソースを用いた戦争の状況分析・記録活動にも従事する。
●お好きな金額でご支援ができます。
継続寄付の場合、
https://piece-of-syria.org/
●企業版ふるさと納税(お問い合わせから)
https://www.youtube.com/watch?
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