みなさん、こんにちは!読書、詩と香水作りが好きな新スタッフのシエーク・サダフ・アザルです。団体内ではさっちゃんと呼ばれています。
私はもともとインド出身ですが、現在東京外国語大学でアラビア語を勉強しています。「なぜ日本でアラビア語を」と自己紹介をするたびに聞かれます。でもその話をする前にはまず、日本語を勉強するようになった経緯について語らなければなりません。
●日本語とアラビア語を学ぶようになったきっかけ
私は現在、日本語を6年間も学んでいることになりますが、日本語を紹介されたのは子供の時、アニメを通してでした。そして何年か経ってから、15歳のときに正式に学び始めました。来日して最初はもう少し日本語を勉強しようと思っていましたが、途中でオンラインアラビア語講座を受け始め、完全にハマってしまいました。アラビア語の文法はとても面白くて、またアラビア語の詩も素敵であると知り、もっとアラビア語を勉強したいという気持ちが強くなりました。
●Piece of Syriaとの出会い
アラビア語をもっと勉強したかったのですが、大学でまた別のことを勉強していると同時にアラビア語を勉強するのが難しいと思いました。すると、東京外大ならアラビア語を学ぶことができるとわかりました。とはいえ、日本語でアラビア語を学ぶというのはそう簡単じゃないのではという心配もありました。 日本語学科のことを調べたら、留学生が多いとありましたが、日本をよりよく理解するには日本人だけの環境で勉強してみたいと思いました。 アラビア語科はまさにその条件は当てはまりますね。ほぼ一石二鳥のようでした。
そうやってアラ科生になり、アラビア語、そしてアラビア語と対照的に日本語を勉強し始めました。思ったより難しかったですが、日本の大学でアラビア語を学ぶことでアラビア語だけではなく、日本人がどのようにアラビア語を学ぶか、そしてアラブ世界に対する日本人の印象、これら2つの文化と私自身の国の文化の類似点と相違点についていろいろ学ぶことができました。変わった選択だったので心配もしましたが、それが私をピースオブシリアに導いたのでとても満足しています。
実は、シリア情勢やシリア難民問題について興味を持つようになったきっかけは、多文化共生の授業の課題でした。戦前と戦後のシリアの教育、特に語学教育に関する情報を探していたところ、ヨルダンやドイツなど各国のシリア難民の教育に関する興味深い論文にたどり着きました。大学の教授の一人はたまたまシリア人で、この問題をよりよく理解するために、私は彼にインタビューしました。その教授の話の中一つとても印象に残る言葉がありました。それは、「私たちシリア人は自尊心を持っています。かわいそうだから与えられるものよりも、自分自身の努力によって稼ぐものがいい」という言葉でした。
▲新島で見つけたアラビア文字が書かれている遺跡。アフラームという言葉から始まり夢という意味です。
それからしばらくたって、ほかの教授にピースオブシリアを紹介され、「かわいそうだからではなく、愛しているから」という団体モットーに強く共感し、入りたいと思いました。
シリア難民問題についてより知るようになった以来、何か助けたいと思ったのですが、どうしたらいいのかわからず、その時に質問への答えのようにシリアのピースがやって来ました。
ピースオブシリアの活動の中でも特に目を引いたのは戦争で教育の場を失った子供たちのための幼稚園建設への支援でした。
私の課題の調べの時に戦前のシリアの教育率はとても高くて、アラブ世界で最も質のいい教育だということを知りました。その教育制度は戦争のせいで破壊していて、子供が学べる場所が危機に陥っています。教育は人生で役に立たすあらゆるスキルや知識を学ぶうえでとても重要であり、未来を継いでいく世代を育つ上では欠かせないこと、そして子供の将来の夢をかなえるうえでは必然なものだと強く思います。
私もやはり大学という教育の場を通してシリアという世界について知るようになったのではありませんか。
▲福島の磐梯山の頂点よりの私です。
●挑戦してみたいこと
この国の未来は子供が担いますが、その子供がちゃんと自分の足で立ち、いい教育が受けられるように支えたいです。そして今度、その子供がシリアを受け継いだら、シリアという国が再び立ち上がることにつながるのではないでしょうか。
私はこのピースオブシリアという団体の一員として好きなシリアという国がまた立ち上がることを助けることができればそれが幸いです。
この素敵な国とその文化についてまたたくさんの人に知ってもらいたいという風に思います。今の私は詩や文学、そして絵本の翻訳などの活動に励んでいます。また、アラブ料理のサークルなどで食べ物を通してシリアや中東についていろんなことを学んでいます。これらの活動で学んだことを中東やシリアの文化を知りたい人、そして愛している人と共有したいです。
ピースオブシリアは、戦争や難民問題だけのレンズを通してではなく、独自の文化を持つ一国としてシリアを見るプラットフォームであり、国としてのシリア、そして人間としてのシリア人を理解しようとし、 その知識を広めようとする団体だと強く思います。だからこそ、この組織での活動を通じて、シリアとアラブの文化とそれに対する私の愛情をみんなと分かち合いたいと思います。
これからよろしくお願いいたします!
●イベント紹介
毎週、視点が変わる世界の話を伺う「木曜サマル」ですが、今回は初めての学生チーム企画としてお送りします!
学生チームみんなで準備していますので、是非ご参加ください!