こんにちは。スタッフの坂田です。
前回のレポートから、間が空いてしまいましたが、
改めて、ウサマ来日中の様子についてご報告です。
広島の地で最初の訪問先は、広島大学。
国立大学の単一キャンパスにおいて、全国3位の広さはなんだそうです。
大学の周囲をぐるりとバスが走っているというのも頷けます。
向かった先は、齊藤一彦先生の研究室。齊藤先生は、シリア隊員(JOCV)の経験を活かし、スポーツを通じた国際協力を研究されています。訪問時は、「The significance and role of cooperation in PE and sports」というテーマで、アラビア語を交えながら講演を行い、スポーツを通じた開発や平和に向けての活用事例について意見交流を行いました。
また、齊藤先生のゼミ生のみなさんの力作動画を共有いただき、活動地である、シリアやトルコでもできる簡単な体つくり運動を紹介いただきました。
ウサマ自身も、資源が限られた中で、少しの工夫で効果的なアクティビティが実践できることに、期待と学びがあったようです。帰国後に、現地のスタッフと一緒に、活動に役立ててもらえたら嬉しいな、と思います。快く受け入れてくださった、齊藤研究室のみなさん、ありがとうございました!
その後は、広島大学の学生のみなさんや一般の方を交えた、Piece of Syriaの活動報告イベントを開催しました。
会場となったMIRAI CRIEは、カフェスペースや宿泊スペースもある地域、企業、研究機関、大学などの出会いと協働の場。当日は平日にもかかわらず、学生のみなさんを中心に、約30名の参加者が集まってくださり、国際協力への興味や関心の高さを感じました。
今回は、Piece of Syriaの代表・中野、現地スタッフのウサマだけでなく、広島大学の溝渕 正季先生にご登壇いただき、「語ることも理解することも難しいシリア戦争」と題して、現在のシリアの情勢についてご紹介いただきました。
その後、シリアの現状を聞いた上で、中野から、平和だった頃のシリアの話をすると、意外!という声が聞こえるほど。紛争状態が12年も続いているシリアに関して、平和だった過去を伝えるメディアは多くありません。だからこそ、シリアが平和だったことを伝え、「シリアいつか行ってみたい!」と感じてもらう人の輪を広げることは、意義のあることだと考えています。
また、現地スタッフのウサマからは、支援を開始したことには、小学生だった子が、戦火の中でも諦めずに学び続け、現在大学に通っているという、明るい話を聞くことができました。シリアを巡る課題は大きいですが、継続した支援を届けることで、確実に平和な未来を創ることができる、そう思えた時間となりました。
<ご参加くださった方の声を抜粋でお届けします。>
・広島が戦争の悲惨さを伝える場所だけではなく、教育の重要さを伝える場所だとシリアの人に思われていたこと。
・希望と平和はセットなのだと思います。
・シリアの平和な環境と親切な人々の対応が、私が今まで想像していた以上のものでした。
・シリアの現状をしれたこと、特に元は日本より安全で素晴らしい国であったことです。
終了後は、溝渕ゼミの学生のみなさんとの交流会にお招きいただき、
イベントの中では語り尽くせなかった、シリアや国際協力について、貴重な意見交換の時間を過ごせました。日本の若い世代が、日本と世界の未来に希望をもち、学びを深めていることをお聞きして、教育の重要性を改めて実感する機会でした。
ご参加くださったみなさん、訪問先のみなさん、そしてイベントの開催を調整くださった、JICA広島デスクの新庄さんにも感謝です。ありがとうございました!