アレッポ郊外・カナーティル村で、Piece of Syria(以下、PoS)は現地パートナーのSyrian Academic Expertise(SAE)とともに、公益財団法人TOTO水環境基金のご支援を受けて、点滴灌漑(ドリップ灌漑)プロジェクトを開始しました。
畑でぽたぽたと落ちる細い水の流れを見つめながら、ある農家さんがこう語ってくれました。
「地表灌漑では、これだけの量を灌漑することはできませんでした」
その一言に、長引く紛争と深刻な気候変動に直面する農村のリアルな課題と、新しい技術を前向きに取り入れて未来を開こうとする力強さを感じます。
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シリアでは古くから、畑全体に水を流し込む「地表灌漑」が先祖代々受け継がれてきました。
しかし現在、気候変動による水不足が深刻化する中で、「水の大量消費」や「重い労働負担」が大きな課題となっています。
PoSが今回のプロジェクトで目指すのは、単に「新しい技術を届けること」ではありません。「地域が自分たちの力で復興・再建していくための基盤をつくり、水を大切にする文化を根づかせること」です。
そのため、資材の提供だけでなく、水資源の現状や気候変動の影響、近代的な灌漑の利点をしっかり伝える啓発・勉強会も大切にしています。
8月には42世帯の農家が対象として選ばれ、点滴灌漑キットの提供と技術研修がスタートしました。
さらに今後は、5つの小学校・約1,000人の子どもたちを対象とした「水に関する啓発授業」も予定しています。
「水を守る文化を、畑から教室へ」――この取り組みの広がりを想像すると、胸が熱くなります。

現地での活動は、着実にステップを踏んで進められています。
農家さんと一緒に、「なぜ点滴灌漑が必要なのか」「水を節約することが地域にどんな意味を持つのか」、そして気候変動が農村に与える影響について話し合いました。
フィルター、蛇口、パッキン、点滴灌漑用リール5巻など、必要な機材一式を一軒一軒丁寧に説明しながら手渡ししました。
畑にチューブのネットワークを敷設し、夏野菜の栽培がいよいよスタート!実習に参加した農家さんの表情は、とても明るく活気に満ちていたと現地から報告が届いています。
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現地から届いた言葉には、長年の農法への愛着を持ちながらも、新しい一歩を踏み出す温かさと力強さがありました。
「点滴灌漑と地表灌漑には大きな違いがあります。まず水の節約、そして労働力の負担が少ないこと。オリーブやぶどうの季節でも、その差は歴然です」
「私たちにとって初めての経験でした。以前と今とでは本当に大きな違いがあります」
「何より大事なのは水の節約で、水を無駄にしないこと。団体の皆さんに感謝しています」
長年親しんできたやり方を変えることは簡単ではありません。それでも前向きに新しい技術を受け入れる農家の方々の姿勢に、地域自体のたくましさを感じます。
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点滴灌漑プロジェクトは、まだ始まったばかりです。 しかし、農家さんの希望に満ちた言葉やこれからの子どもたちの変化を思い描くたび、「この取り組みは必ず地域の力になり、未来をつくる基盤になる」と強く実感しています。
Piece of Syriaはこれからも、現地の皆さんと肩を並べ、水を守り、学びを支え、未来を育む活動を続けてまいります。引き続き温かいご支援をよろしくお願いいたします!
シリアで教育支援を続けるPiece of Syriaが積み重ねた成果、そして昨年春に、15年ぶりにシリアを訪れた代表・中野が見たリアルなシリアと想いをお話します!
ぜひ気軽にご参加くださいね。

【日時】9月28日(月)20:00〜21:00 + 交流会
【申込】https://syria-20260928.peatix.com/view

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