皆さん、こんにちは。Piece of Syria ボランティアの村上華です。
6月18日、21日にオンラインで開催された クラウドファンディング活動報告会「シリアの子どもたちの今とこれから」をレポートさせていただきます。
今回のイベントでは、2024年秋のクラウドファンディングと年末年始の緊急クラウドファンディングのご支援者様、そして毎月のご寄付をいただいているパートナー会員の皆さまを対象に、Piece of Syriaが現地でどのような活動を行ってきたのか、そして今、シリアの子どもたちが今どんな現実と向き合っているのかをお伝えしました。
代表の中野が先日、約15年ぶりのシリア出張で撮影してきた映像とともに、現地の様子や人々の声を交えながら、リアルな現状と今後の展望についてを報告しました。
また、ブレイクアウトルームでは、参加していただいた皆様との意見交換や、Piece of Syriaとの関わりのきっかけについても共有していただきました。
私たちも、ご参加いただいた皆様が、どのような思いや関心から支援に参加されているのかを知ることができて、とても励まされました。また、参加者同士のつながりが生まれる機会もたいへん好評でしたので、また企画をしていきたいと思います!
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次回は 7月24日(木)20:00-21:30 に開催!
是非ぜひ、皆さんのご参加をお待ちしています。
【申込】https://syria202507.peatix.com
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(写真:幼稚園の教室で学ぶシリアの子どもたち)
① あなたのご寄付が3375名の子どもたちに教育を
まずはご寄付で生まれた成果についてお伝えします。
戦争によって、教育だけでなく遊びの機会も奪われ、学校を「怖い場所」と感じる子どもたちや、外で自由に遊ぶ経験が乏しく、集団生活や友達との関わりに不安を抱える子どもたちも多くいます。だからこそ、小学校に入る前に、安心して通える幼稚園で、遊びや学びを通して「学校=楽しい場所」と感じてもらうことが大切です。
幼稚園の成果として、退学率が56%にもなるシリア北西部で、幼稚園に通った子どもたちの9割は学校に通い続けることができています。
(写真:幼稚園の教室で学ぶシリアの子どもたち)
幼稚園は、子どもたちに、心身の回復と社会性を育む居場所となります。私たちの幼稚園では、「暗記勉強」に偏りがちな、シリアの一般的な幼稚園とことなり、演劇をしながら太陽系の仕組みを学んだり、ワークショップをしたり、職業見学や遠足(歯医者、消防署、オリーブ農園など)、運動によるストレス発散などの活動を行っています。3人に1人が睡眠障害を抱える、と言われるシリアの厳しい環境下でも写真や映像で見ることができた子どもたちの輝く笑顔は、希望の光そのものだと感じました。
(写真:幼稚園の教室で学ぶシリアの子どもたち)
こうした活動を実施できたのは、すべてクラウドファンディングやパートナー会員の皆様のご寄付のおかげです。これからも、私たちと一緒に、子どもたちが再び未来を描けるよう、教育の土台を作り続けていただけたら嬉しいです。
② アサド政権崩壊後の暫定政権下のシリアの状況と、今後の展望
2024年12月アサド政権が崩壊しました。そして、避難していたシリア人の方が母国へ帰還する動きがみられます。しかし、今のシリアの状況は、子どもたちだけでなく大人にとってもまだまだ厳しい状況にあります。
このような厳しい状況の中であっても、中野さんが現地を訪れた際、戦争以前と変わることなく人びとの温かさと気遣いを受けることができました。
(写真:中野にふるまわれた料理)
私が特に印象的だったエピソードは、中野さんが青年海外協力隊として活動していた頃に渡した手紙や品々を、今も大切に保管してくれていた家族です。命の危険がある中で、中野さんとの思い出の品を持って避難していたことを聞いて、深い感動を覚えました。また、中野さんが活動していた村に戻った際に、中野さんのことを親御さんから聞いていた子どもたちが、初対面にもかかわらず優しく笑顔で迎えてくれたことも、心に残るお話のひとつです。
(写真:中野が青年協力隊時代に渡したお手紙を保管してくれていた家族)
③ 変化するシリア情勢の中で届ける、これからの教育支援
Piece of Syriaでは引き続き、子どもたちへの教育の機会提供に加え、
例:デジタルアーカイブと教育支援を通じた文化と平和の架け橋
シリアかるたの作成:遊びながらシリアについて学べる機会を増やす
戦争が終われば、故郷に帰れて元の生活ができるわけではありません。
むしろ戦争が終わったことで、避難先の国から強制送還されるのではないかという不安に直面している方もいれば、シリアに帰還しても家がない、仕事がないという不安と日々向き合いながら生活をしている方もいます。
(写真:戦争で破壊した家で生活する様子)
「また行きたいと思えるシリアに」——それは、子どもたち自身がそう願える未来を目指すことでもあると、私は感じました。
戦争によって心にも傷を負い、安心して眠ることさえ難しかった子どもたちが、
もう一度、「明日が楽しみ」と思える日々を取り戻せるように。
怖かった学校が、友達と笑い合える場所に変わっていくように。
Piece of Syriaは、そうした子どもたち一人ひとりの声に耳を傾け、心に寄り添いながら、希望の土台を築いていきます。
すぐには消えない不安や痛みを抱えながらも、確かに前を向こうとする子どもたちの姿に、私たちは日々学ばされています。
そして何より、クラウドファンディングや継続寄付を通して支えてくださった皆さまのおかげで、この活動が実現できています。
参加者の皆さまからの感想 (一部抜粋)
「爆撃などの被害を受ける学校が怖い場所」と感じる子どもたちがいることに辛い印象を受けましたが、支援活動を通して学ぶこと、友達と遊べることの喜びを感じている子供たちの言葉に感動しました。」
「シリアの現地の様子が動画で見ることができたのがよかったです。倒壊した建物などの様子は心が痛みましたが、子ども達の笑顔は癒やされました。」
「シリアに関する報道が少ない中、実際に行かれた中野さんのお話がとてもよかったです。」
「可哀想だからという単に後ろ向きな理由ではなく、シリアまた行きたい国にするという前向きな活動目標を掲げて活動されている貴団体のパーパスに大変感銘を受けました。」
【7/24】Piece of Syria活動説明会|
教育で平和なシリアの未来を創る
〜最新のシリア訪問から見えた「これから」の私たち〜
【日時】7月24日(木)20:00-21:30