みなさんこんにちは!Piece of Syriaスタッフのけいじゅです。
先日の3月12日(土)プロボノスタッフしほさんによるオンラインイベントが開催されました!
イベント終了後のアンケートも、ぞくぞくと高評価をいただき・・・
「実際に現地に行かれている方のリアルなお話を聞くことができました。(20代・女性)」
「しほさんの熱い思いとしっかりとした行動力が伝わりました(50代・男性)」
などと嬉しいお言葉もいただきました!
そんな人気が高かったオンラインイベントの理由に迫ります。どうぞご一読ください〜!
▼見逃し配信はこちら(YouTube)から
「小さい頃から、何不自由なく、日本で当たり前のように暮らしてきた」としほさんは語りました。
しかし、世界には環境によって当たり前のことを受け取ることができない人々がいることを知り、
今まで、いかに自分が恵まれていたのかと気づくと同時に、そうした人々の環境を解決することはできないかとずっと考えていました。
そして大学在学時に、Piece of Syriaの講演会で代表の中野のことを知ります。それからもしほさんはPiece of Syriaの活動を追い続けながら、本職でコンサルタントとプロジェクトマネジメントのスキルを磨きました。
そして現在、Piece of Syriaのプロボノスタッフとして、自身の専門的なスキルを活かしながら、現地のプロジェクトマネージメント業務に参画をしています。
「私はこれまで夢をもらう人間だったけど、これからは夢を与えられる人間になりたい。」
そんなしほさんの一言に、想いや覚悟が凝縮されているような気がしました。
ところで、Piece of Syriaはガジアンテップというトルコ南東部の地域にあるシリア人とトルコ人向けの補習校を支援しています。
ガジアンテップには、シリアとの国境に面しているため、難民として逃れてきた多くの人々が政府より認可を受け暮らしています。
戦争から11年。みなさんが想像するかもしれない「難民」とは違い、すでに街に移住し、新しく家族を作り、トルコで私たちと同じように生活をしている人がほとんどです。
しかしその裏側で、文化や言語の壁(トルコではトルコ語、シリアではアラビア語を話します)などによって、トルコの学校教育を諦めてしまう子どもたちも少なくありません。
Piece of Syriaは、そうした子どもたちが再び学校教育に戻れるように、学力を取り戻す補習校の支援も行なっています。また、この場所はトルコ人とシリア人の子どもたちの仲を深めるための交流の場としても重要な役割を担っています。
しほさんは、「関わる以上、本気で携わりたい。だからこそ自分の目でちゃんと確かめたい」と、2021年12月にシリア難民の多く住むトルコ南部の街に向かいました。
飛行機で15時間以上も遠く離れた言語も文化も違う地域に、熱い想いをすぐに行動に移すしほさんのバイタリティに、話を聞いていて私も「すごい!」と純粋に動かされるものがありました。
ガジアンテップに訪れて出会ったのは、他人への思いやりやホスピタリティーに溢れる優しい人々でした。
しほさんは、日系NPOで仕事をしていた女性のシリア人の方のお宅に招かれました。そこではなんと、旦那さんとお子さんのご家族みんなで迎えて入れてくれました。
そこでふるまわれたのは、おいしいシリア料理やシリアのデザートの数々。
しかし、しほさんはそのおもてなしを素直に喜ぶことができずにいました。
それは、ご家族の生活が決して裕福ではないということを知っていたからです。
コロナの状況やトルコでの一時的保護というステータスの中で、雇用の問題は厳しく、そんな中で他人に気を使っているのだと、しほさんは申し訳なく思いました。
しかし、ご家族はこう言いました。
「シリア人にとって、ゲストにおもてなしをするのは文化であり誇り。今は、状況が変わってシリアにいた頃と同じような暮らしはできていないけど、こうして遠くから来た大切な人をおもてなしする心は忘れたくないの。それは私たちシリア人の誇りだから。だから、遠慮をしないで。」
私も大学在学中、トルコに住むシリア人の方々のおうちに招かれた際、食べきれないほどの美味しい料理の数々が振舞われた記憶があります。こうした記憶を、私も多くの方に伝えたいと思います。
また、そのご家族のお話を伺うと、実は息子のヤマーンくんが、学校でトルコ人の教師から差別を受けていることを明かしてくれました。
「ヤマーンはシリア人だから、みんな口をきくな。」
実はトルコでは、こうした差別がゼロではありません。長期的に滞在しているシリア人の人々に対して、あまり好意的に捉えていない人々もいます。
Piece of Syriaの支援する補習校では、そうした差別を少しでもなくし、平和的な共生を目指してお互いの交流を図る機会を作っています。しかしながら、ヤマーンくんのような現状が残っているのは事実です。
しかしヤマーンくんはこう答えました。
「でもね、実はぼくらは仲良しなんだ。先生は僕と話をするなってその子に言ってるけど、先生にわからないようにインスタグラムで毎日連絡を取り合ってるよ。」
現代っ子なヤマーンくんにも驚かされましたが、それ以上に彼と友達の仲がSNSで繋がっていることがわかりました。今後将来、SNSだけではなく現実の世界で仲良く話し合える日が早くきて欲しいと切に願います。
しほさんは、そのほかにも多くのシリアの人々から話を聞く機会がありました。
トルコ人とシリア人がともに助け合って生きていける社会を作りたいと自ら団体を立ち上げた男性や、若いながらもコミュニティのリーダーとしてホームレスの方をサポートする活動に取り組む女性などに出会いしほさんが感じたことは、
「この国には、熱く深い想いを持った人々のエネルギーがある。」ということでした。
トルコの補習校を運営する現地NGO代表のウサマもその一人です。
しほさんはウサマとともにトルコの補習校に訪問し、そこで学ぶ子どもたちと出会いました。
▼トルコの補習校の子どもたちの様子(音楽)
コロナ禍においても強く前向きに過ごす子どもたちとふれあい、「顔が見える支援を、これからも頑張っていきたい。」と語るしほさん。
ひとりひとりのライフストーリーが見えてくるように。私も含めたスタッフ一同もこれから頑張っていきたいと思います。
◯「知る」から始めるわたしたちの支援
ここまでレビューを読んでいただき、ありがとうございました!
ぜひ、このしほさんの想いが、少しでもあなた様に届いて、トルコやシリアで日々を暮らす人々やその人々の文化により関心を持っていただけたらと思います。
また!4月2日(土)19時から、東京外国語大学特任講師のハルドゥーン・フセインさんをお招きして、特別オンラインイベント(参加無料)を開催します。
「戦争で辛い体験をしているシリアの子ども達に、楽しく学べる日本の児童文学を届けたい」とアラビア語に翻訳し、届けている活動についても伺います。
さらに、シリア国内に住んでいる方々からの「シリアの今と未来」について、ビデオメッセージを特別に届けていただきました!
ウクライナ・ロシア危機の中で、平和や戦争について考える機会が増えた今だからこそ、
改めて、平和な未来のために、私たちにできることを一緒に考えませんか?
どうぞよろしくお願いします!
▼詳細はこちら
【日時】4月2日(土)19:00〜20:45+交流会
【参加費】無料・要申込
【スピーカー】
■ハルドゥーン・フセインさん(東京外国語大学 特任講師)
■中野 貴行(NPO法人 Piece of Syria・代表理事)
【こんなあなたに、おすすめです】
・「平和」「難民」「戦争」に関心があり、知りたい!何かしたい!と感じている
・絵本、児童文学など、文化を通じた国際交流・国際協力に興味がある
・シリアに絵本や教育を届けるプロジェクトに興味がある
・今、シリアに住んでいる人たちからの声を聞きたい
━━━━━━━━━━【 #シリアの未来 キャンペーン】━━━━━━━━━━
2022年3月、シリアで戦争が始まって11年となります。
Piece of Syriaは、過去を振り返るだけではなく、次の10年をどうするかを考える最初の一年として、「シリアの人たちと共に、どんな未来を作るのか」を考えるきっかけを作ります。
2022年3月6日から、こどもの日である5月5日までの2ヶ月間、シリアの人たちが描く未来に耳を傾けながら、日本に住む私たちと「10年先の未来に一緒に見たい景色」を考えていきます。
シリアという国にこれまで興味がなかった方々にも、シリアの未来を考えてもらうきっかけになるよう、アート・教育・食・アパレルなど多様なイベント・コラボレーションを実施し、多様なコンテンツを #シリアの未来 のハッシュタグとともに発信していきます。
また同時に、パートナー会員募集 (月額寄付会員)のキャンペーンも実施しています。
どこからも支援が届かない地域に住むシリアの子ども達が、より安定的に教育を受け続ける環境を守るために、200名の仲間を集めることで、シリア国内で新たに100名の子ども達が、より質の高い教育を受けることができるようになります。
【期間】2022年5月5日まで
【特設ページ】https://piece-of-syria.org/news/event/mirai2022.html
【イベント】https://piece-of-syria.peatix.com/
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