皆さんこんにちは!Piece of Syriaプロボノメンバーの岡野です。
本日お届けするのは、2/4(火)に、クラウドファンディングのリターンとして開催された「SAKURA幼稚園オンラインツアー」のレポートです!
Piece of Syriaでは、シリア国内外の幼稚園、補習校等で継続的な教育支援を行っています。その支援先の1つSAKURA幼稚園では4歳から6歳の子供たち約300名が通い、戦争によるトラウマからの心理的なケアを受けながら、学校に通う習慣を身に着け、学習の基礎を学んでいます。
戦争が続いていたシリアは、治安が悪く、子供たちが外で遊ぶ機会がありません。子供たちだけで遊ぶ経験をしていないことなどから、小学校の生徒の退学率は55%という高い水準にあります。
子供たちが幼稚園に通園し、子供たちが安心して、学び、遊ぶ経験を積み重ねることで、退学率を下げることができます。
SAKURA幼稚園の卒園生の小学校退学率は1割程度であり、なおかつ優秀な生徒として表彰されています。
オンラインツアーでは、SAKURA幼稚園での授業風景や、子供たちが遊具で遊ぶ様子、また通園バスなどを中継してもらいました。また、質問タイムでは、生徒や先生が、参加者からの質問に答えてくれました。
まず、中継の一番最初に映し出されたのは、SAKURA幼稚園の通園バス。通園バスは2台ありますが、日本からの寄付により購入されたものです。公共のバスも無く、治安が安定していない環境で、子供たちを家から幼稚園まで安全に通わせることができる点で大きな役割を果たしています。
次に各教室での授業風景も見せてもらいました。幼稚園では、国語(アラビア語)、社会、理科、算数、宗教の授業があります。算数の授業をしていた教室では、数を数える生徒の姿がありました。中継では、どの教室でもしっかり椅子に座って授業を受ける姿が見られましたが、先生は、「子供たちがどこかに行ってしまうこともあるから、教室運営が大変!」とも話していました。この日は、生徒がうさぎになりきって、ぴょんぴょんとはねながら、ニンジンを11本拾う様子があり、遊びの要素も取り入れた内容で、数を学んでいました。
また別の教室では、太陽系の惑星を学ぶ子供たち、また絵や工作を楽しむ子供たちもいました。
参加者からの「何の授業が好きですか?」という質問には、それぞれの子供たちが「算数!」「アラビア語!」「アクティビティ!すごく力を貰えるから」とちょっとはにかんだようなかわいらしい表情で答えてくれました。
また、園庭のブランコや滑り台で遊ぶ子供たちの姿も見ることができました。シリアでは、治安の面で、外で遊ぶことが難しいため、この園庭のように安心して遊べる場所が必要だと言います。「何の遊びが好きですか?」の質問に、「滑り台!」「ブランコも好き!」「空手!」との答えが。空手の型も見せてくれました。
恥ずかしそうに答える園児もいて、「なぜ子供たちはシャイなのですか?」という質問には、「子供たちは家と幼稚園でしか人と接しないから、自己表現することがむずかしいんです。こういった子供たちの課題に先生たちは向き合っています。」と現地スタッフが話してくれました。また先生からも「子供たちは家にいることが多いので、幼稚園になじんでもらうことが大変です。生徒の話に耳を傾け、聴くことに力をそそいでいます。」と答えてくれました。
オンラインツアーでは、子供たちが落ち着いて授業を受ける様子、いきいきと遊んだり、絵や工作を楽しむ様子を見ることができました。またクラスの皆で踊りを披露してくれたり、両手で作ったハートを私たちに届けてくれたり、心温まる一幕もありました。
日本では、教育はあたりまえに受けられるものとして捉えられがちですが、オンラインツアーで、度々耳にした、「教育が平和なシリアの未来を創る」という言葉に、改めて「教育」が果たす役割を考えさせられました。
最後にオンラインツアーはこのような言葉で締めくくられました。
「SAKURA幼稚園の教科書、バック、通園バス、授業料は子供たちに無償で提供されています。これらはすべて日本からの支援があってこそできていることです。ここで学ぶ子供たちは、将来のエンジニア、医者、裁判官などになり、平和なシリアの未来をつくっていくのだと思います。」
これからも、シリアの子供たちに継続的なサポートを届け、平和なシリアの未来を築いていくために皆さんのお力を貸していただけると嬉しいです。