皆さん、こんにちは!Piece of Syriaインターンの岡田です。
現在、Piece of Syriaはシリアの北部に位置するトルコとの国境地域に幼稚園を建設する事業を行っています。
こちらの幼稚園は、Piece of Syriaの現地パートナー団体であるEducation Without Bordersの運営のもと、今後より多くのシリア人の子どもたちへ教育を届けていきます。
今回の活動報告ブログでは、こちらの幼稚園のビフォーアフターなどをお届けします!
■なぜ幼稚園建設なのか?幼稚園の重要性と現状
本プロジェクトの事業地であるシリア北部は、集中する国内避難民の人口に対して、幼稚園の数が足りていません。
それゆえ、幼稚園に通うことができない子どもが多くいることが課題となっています。
また、公立の教育施設はあっても、長引く戦争状態と情勢の複雑さにより公共サービスが機能しておらず、ボランティアとして無償で働く教員も少なくありません。
シリアでは、幼稚園の段階で小学校で受ける教育の基礎となる学習を習得させるため、幼稚園に通えない子どもが多いことは、その後の初等教育へも進めない子どもを多く生んでしまう恐れがあるのです。
今回幼稚園を建設しているアザズは、アレッポ県に位置する小さな市です。アザズはトルコが統治する地域に属するため、シリア政府からの公共サービスや、国際機関からの支援が入りづらく、人口に対する教育機関の不足が課題になっています。
また、2023年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震では、アザズも大きな被害を受けました。多くの校舎が崩壊し、再建が進んでおらず、さらに教育を受ける機会が失われています。
戦争前の就学率はほぼ100%と、教育レベルが高かったシリアでは、戦争や災害により教育を受けられない所謂「スキマの世代」を生んでしまうことで、国の復興が遠のくことが強く憂慮されています。
■本幼稚園が目指すもの
2024年7月に校舎完成予定のこの幼稚園は、地域でも数少ない、生徒が無償で通える幼稚園となります。
幼稚園を運営する、当団体のパートナーNGO「Education without Borders」は、これまでもシリアで無償で通える幼稚園を開園・運営してきた経験があり、教育の質の高さや心のケアにも注力したカリキュラムが地域で高い評価を受けています。
本幼稚園も開園後は同様の教育サービスを提供し、地域の約300名の子ども達への教育を受ける機会と、約15名の教員の雇用を創出する予定です。
中長期的な成果としては、子どもたちに継続的な教育の機会を設けることで、戦争や災害によって教育の受けられない世代が生まれることなく、シリアの復興のために寄与する未来の世代をつくることが期待されます。
■本幼稚園ができるまで
今回、私たちPiece of Syriaは「幼稚園校舎の建設、トイレの設置、屋根への断熱材の設置」を担当しています!
建設開始当初の様子・まっさらな土地でした
一から幼稚園の校舎を建設していきました。
基礎工事の様子
完成した校舎。立派な学校の風格です
基礎工事と外装を完工したのち、内装へと移りました。コンクリートがむき出しだったお手洗いも、綺麗なタイル張りの空間へと変化しました。
お手洗い・Before
お手洗い・After
また、幼稚園に欠かせない教室も多く整備され、子どもたちが安心して勉強できる空間を作るべく、生まれ変わりました。
コンクリートが丸見えだった空間も
光が多く入る教室に生まれ変わりました
広いホールも完成しました
6月に入ってからは校舎の最後の仕上げとして、壁や天井に漆喰を塗って表面を滑らかにする作業が行われています。既にお手洗いなどの水道設備も完工され、使用できる状態まで整えられています。
7月に完成する予定の本幼稚園では、9月からの新入生の受け入れを予定しており、約300名の児童に学びの場を提供する予定です。
Piece of Syriaでは、パートナー会員の皆様からのご支援を糧に、引き続きこのような活動を行ってまいります。
皆様のご支援は、この幼稚園のように目に見える形で、子どもたちへの学びの場だけでなく先生たちへの雇用の機会も提供しています。そして、こういった活動が長期的に、アザズ地域の安定にも寄与していきます。
Piece of Syriaは引き続き、そんな活動に共に関わってくださるパートナー会員の皆様を募集しています。私たちと一緒に、シリアをまた行きたい国にするという夢をかなえませんか?