(マイナス面を質問したくなかったので、あまり聞けていません)
寒さを防ぐためのブロック塀の積み方などがあるそうなのですが、治安上の理由からできなかったそうです。
アッサラームアライクム!
Piece of Syriaのへむりです。ヨルダンにあるザータリ難民キャンプを訪問し、伺ったお話を共有させて頂きます。
※見聞きした話になるので、公式なデータではなく、ご参考としてお読み下さいませ。
また、時期によって状況は異なります。こちらは2017年11月時点です。
基本的に、無料で誰でも教育を受けることができます。
ですが、村落部から逃げて来た親達が、教育に関心を持っていないケースがあり、学校より働いて欲しいと願う場合も多いと聞きました。
キャンプ内の学校は、ヨルダンの教育省が運営しているもので、
卒業すれば、普通の公立学校と同じ卒業証明書をもらえて、大学に行けます。
学校は午前が女子、午後が男子、と行った風に分かれています。
学校は、年齢ではなく学力がベースで学年が振り分けられています。
(シリア騒乱直後に、学校に通っていないケースもあるため)
そうした正式な学校の他に、NGOが運営する補習校のようなものがあり、
学生の補習のほか、学校に行っていない子ども達のために、読み書き計算や情操教育を実施しています。
そうしたNGOでは、学習に関心がない家庭の子ども達に、学校に来てもらうように家庭訪問をしたりもしますが、
最終的には自分の意思で来てもらうことを重視しています。
ヨルダンの大学の授業料は高く、奨学金を得て行くケースが多いとの話で、キャンプから大学へ通うバスを大学が準備してくれたりもするそうです。キャンプ内で短期の授業を行なったりすることも。
治療、出産、予防接種など、基本的には無料で受けられます。
しかし、薬が不足しており、薬局はキャンプの外の街に行かなければありません。
また、歯科医療は3ヶ月待ちだそうです。
できてます。
しかし、キャンプ内の電波は非常に弱いです(外部と連絡してテロなどのリスクを避けるためと聞きました)。
電気も計画的に停電しています。
また、シリア市内も電力不足や電波が弱いこともありますが、
小さな村に住む、僕のシリアの家族ともWhatsAppでビデオ通話ができるほどにはアクセスができました。
(マイナス面を質問したくなかったので、あまり聞けていません)
寒さを防ぐためのブロック塀の積み方などがあるそうなのですが、治安上の理由からできなかったそうです。
ちなみに、セキュリティゲートを抜けると、「シャームゼリゼ通り」と呼ばれる商店街がある。
(シリアの首都ダマスカスの別名”シャーム”と、”シャンゼリゼ通り”を掛け合わせた名前だが、以前はシャンゼリゼ通りと呼ばれていた)
普通の街と見間違うほど、八百屋、服屋、仕立て屋、レストラン、携帯ショップなど充実した店が並んでいます。
正確には違法だそうですが、限られた有力者が卸問屋らしく、その辺りは曖昧になっているそうです。
普通の街と大きく違うのは、自転車屋さんが多いこと。
シリアでは慣習的に子ども達しか乗っている姿を見ませんでしたが、
東京ドーム112個分という広大なキャンプ内の移動に、自転車が大活躍しています。
インフラや治安面を見ても、よくなってると聞きました。
水インフラは、今は給水車やバキュームカーで供給していますが、来年には上下水道を通す予定だそうです。
ですが、あるキャンプ内の施設で働くヨルダン人によると、
「シリアの状況が良くなって来たから、ザータリ難民キャンプの半分近くのシリア人がシリアに戻ったよ。
キャンプを出て行った人が皆、シリアに戻るとは限らないけれど、大半はシリアに戻ったみたいだ」と。
他のスタッフからは「シリアに農地や家などがある場合に限るから、帰る人はそれほど多くない」とも。
ちなみに、ザータリ難民キャンプの人口は8万人とされていますが、実際はその倍近い、という話も聞きました。
現在、新たなシリア人の受け入れは行なっておらず、アズラック難民キャンプという別のところで受け入れています。
アズラックは、砂漠のど真ん中にあり、夏冬の寒暖差や、砂嵐がひどく、
ザータリと違って、近くに街がないため、買い物や労働ができないため、非常に人気がありません。
近くの町マフラックからキャンプにバスが行き来する
2016年1月に1度、今回、2017年11月に2度目の訪問になります。
一度目の訪問は、自由行動でしたので、その辺りをぶらっと歩いていると、
通りすがりの方にコーヒーをご馳走になって、そのまま家の中まで案内してもらいました。
水タバコを吸いながら、話を聞いたり、家庭菜園の様子を見せてもらったり。
そのあとは子ども達とサッカーをしたり、また昼ご飯を別のおうちでご馳走してもらったりもしました。
自分たちが大変な立場になっても変わらない、シリアの人たちの「おもてなし」の心に感動しました。
今回もまた、感じたのは、決して悲観的には見えないシリアの人たちの姿です。
ただ、じっくりと話を聞いて見ないことには、もちろん分かりません。
僕が以前、このような記事を書きました。。
「笑顔は貧困の指標にならない。
この言葉を教えてくれたのは、日本人の現地スタッフの人だ。
コミュニティができる、日常がある。そうである以上、笑顔がない、ということはあり得ない。
「貧しさ」を「哀れなもの」として強調する時に使われる悲しみの表情に満ちた写真は
ある種の“虚像”で、自然災害や戦争などの異常事態、つまり短期間で突発的な非日常だ。
だが本来、貧困というのは慢性的で、じわじわと人々を苦しめている。
が、そこには笑顔があるのだ。」
「笑顔は貧困の指標にならない ~僕がフィリピンで見てきたこと~」
僕が訪れたわずか2日間で見えたものは本当にわずかではありますが、
一つの視点として、皆さんと共有できれば幸いです。
1000円から始められる、子ども達の未来を創る活動。
ポストカードを買っていただくこと、
シェアをしていただくこと、
そうした一つひとつが世界を変える力になります。
未来を変える力になります。