.jpg)
このたび、NPO法人 Piece of Syria は
第21回「TOTO水環境基金」助成事業の助成先団体として採択されました。
まずは、日頃から活動を支えてくださっている皆さまに、心から感謝をお伝えします。
皆さまの応援があったからこそ、シリアでの新たな一歩を踏み出すことができました。
長い内戦が終わり、人びとは少しずつ故郷に戻り始めています。
ですが、現地でよく聞くのは、こんな言葉です。
「家は残っている。でも、水が足りない」
「畑に戻りたい。でも、農業を再開できない」
戦争で壊れたのは、建物だけではありません。
水を引く仕組み、農業を支える基盤、そして“続けていける”という希望もまた、失われていました。

今回私たちが取り組むのは、
シリア北部・アレッポ県の農村地域での灌漑(かんがい)と水利用の事業です。
この地域では、限られた水を効率よく使えないことで、
多くの水が無駄になり、農業をあきらめざるを得ない状況が続いています。
だから私たちは、
「水を配る」支援ではなく、
水を大切に使いながら、暮らしを立て直していく支援を選びました。
農家の人たちと一緒に、灌漑の方法を見直すこと
少ない水でも作物を育てられる技術を共有すること
そして、子どもたちに「水を守ること」を伝えていくこと
この3つを組み合わせて、地域の中に“続いていく仕組み”を残したいと考えています。

この事業では、農家だけでなく、学校に通う子どもたちとも一緒に学びます。
植物を育てながら、水の大切さを知る授業。
「水がなかったら、どうなるんだろう?」と考える時間。
子どもたちは、未来の農家であり、未来の地域の担い手です。
だからこそ、水をめぐる学びを“体験”として残したいと思っています。
私たちは、「シリアをまた行きたい国にする」というビジョンを掲げています。
それは、観光の話だけではありません。
人びとが安心して暮らし、働き、
「ここで生きていこう」と思える場所を取り戻すこと。
水が戻れば、畑がよみがえり、
畑がよみがえれば、暮らしが戻っていく。
今回のTOTO水環境基金のご支援は、
その連鎖を生み出すための、大きな後押しです。

これから現地での活動が本格的に始まります。
進捗や現地の声は、今後もこのブログでお伝えしていきます。
引き続き、Piece of Syriaの歩みを見守っていただけたら幸いです。
■TOTOさんからのプレスリリースはこちら