Piece of Syria は、トルコに住むシリア難民向けに補習校を開校し、教育支援を行っています。今回は、補習校を通じて笑顔が増えた生徒、ファティマさんを紹介します!
ファティマさんは恥ずかしがり屋の14歳で、はじめは控えめで大人しい様子でした。そして、彼女は入学当初、母国シリアについてよく知りませんでした。
そこで、先生は色や絵、時にはゲームを使いながら、彼女とその友人にシリアの地理を教えました。すると、彼女たちは徐々にシリアの地理に親しみ、楽しく学ぶようになりました。
ファティマさんは今では、「補習校に行くのが楽しみ!」と毎朝笑顔で登校しています。さらに、他の子どもたちと一緒に遊んだり、学んだり、絵を描いたりすることに積極的に参加するようになり、社交性と自己表現力が向上しました。
授業風景
ファティマさんの成長に関して、現地スタッフからも喜びの声と、今後への意欲を聞くことができました。
「校長は、ファティマが率先して友達に話しかけるのを見てとても喜んでいました。補習校が、子どもたちが成長し、安心して母国語を学べる場所であり続けるよう、これからも努力していきます。」
「私は、子どもたち一人ひとりが『ここに来るのは楽しい』と感じられる場所を作ることを目指し、そのことを念頭に置いた活動を続けてまいります。」
これらの言葉から、スタッフ一丸となり、子どもが安心して学び成長していける場所づくりに励んでいることが伝わってきます。
ファティマさんのように最初は恥ずかしがり屋だった子どもたち全員が活動を楽しめるように、より多様なアプローチを模索しながら、補習校は柔軟に運営されています。現地スタッフに改めて現在の目標を聞くと、こう答えてくれました。
「私の目標は、ファティマと彼女の友人たちに、自分たちの国であるシリアの地図に親しんでもらい、遊びや絵、色塗りを通してシリア周辺の他の地図について学んでもらうこと、そして、自分たちで新しい地図を探して、特に戦争前と戦争後の地図などを通じて、自分たちの国の将来について学んでもらうことです。」
トルコで生まれ育ち、母国シリアを知らない子どもが増える中で、補習校はシリアに親しみシリアとの心の距離を近づける貴重な場になっています。そして、ファティマさんのように学びを通じて笑顔になっていく子どもがこれからも増えていくよう、Piece of Syria は活動を続けてまいります!
校外活動を楽しむ様子
▼政権崩壊後の補習校の運営について
政権崩壊が起き、今後シリア国外に避難していた人々の動きが出てくることが予想されます。その中には、多くの子どもたちも含まれます。そのため、シリア文化を学ぶこと、母国語のアラビア語を学ぶことは子どもたちにとって、シリアで暮らしていくための重要な土台となっています。
帰還に向けて、補習校での教育のサポート、子どもたちの未来の土台作りのために、トルコでの補習校事業は継続しています。
子どもたちの明るい未来のために!