シリアの戦争はもう10年となりました。そして今も苦難は続いています。ここ2年ほどは空爆や武力紛争は落ち着きましたが、戦争に加えて新型コロナによって経済は大きく影響を受け、生活の状況は今まで最も大変と言えるでしょう。一方で、シリアの状況を伝える報道が減ったことで、各国の支援やNGOの活動も徐々に減っています。しかし教育は待ってくれません。そして、教育を受けることは全ての子どもが持つべき権利です。
私たちが挑戦しているのは「未来の世代を創る」ことです。短期的なプロジェクトでは十分とは言えません。長期的な視点で考えなくてはならないのです。私たちは、学校や幼稚園という場所を作りたいのではありません。「未来の世代」を創ろうとしているのです。それには少なくとも10年という月日は必要です。
教育は国を作り直すために本当に重要な基礎になります。私は多くの海外の方と仕事をしていますが、日本の皆さまが特に、長期的な視野でシリアの教育に気をかけて下さっていると感じています。皆様が、継続的に支援をしてくださっていることがとてもありがたいです。
皆さんが支えている生徒たちは、今は幼く小さいですが、いつか大人になった時に皆さんに会いに行くでしょう。それは、平和な未来が創られたということです。その時、「子ども達が未来を作った」のではなく、「日本の皆さんと子ども達が一緒に未来を作った」と言えるでしょう。あなたは、未来を作る架け橋となってくれているのです。本当に心の底から感謝しています。
ウサマ・アッジャン
(Education Without Border 教育プロジェクトマネージャー)