シリア危機が始まってから13年経った今も、砲撃などの暴力行為、避難生活、重要なサービスへのアクセスの欠如が、子どもたちの生活を脅かし続けています。2011年以降、シリアでは約500万人の子どもが生まれていますが、彼らは、生まれてから常に紛争と隣り合わせで生きています。
長引く戦争の中で、教育へのニーズは依然として高いままである、とシリア支援団体「NPO法人Piece of Syria(大阪府 代表理事 中野貴行 以下、Piece of Syria)は訴えます。
■シリア危機から13年が経過した現在の状況と課題
紛争から13年、そして昨年2月に発生した地震の影響も重なり、シリア北西部の学齢期の子どもたち220万人の、45パーセントが学校に通えていません。
2024年2月現在、シリア北西部全体の約30パーセントの学校が一部また全損し、校舎の修復が必要とされています*。長引く戦争の中で、公共サービスが行き届かず、経済的に苦しい世帯が、全体の85パーセントにも上ることが報告されています。
家計のやりくりの中で、生命維持に必要な医療や食料にまわした結果、教育の優先度が下がり、その結果、子ども達の教育が妨げられ、児童労働や家庭内暴力など、子どもの人権に配慮が必要な問題が発生しているという報告もあります。
また、周辺国の政情の悪化によって国際社会からのシリア関連への支援が減ったことで資金難となり、識字教育機関が閉鎖に追い込まれる状況があると、現地パートナーのシリア支援団体のスタッフから報告がありました。
■Piece of Syriaのこれからの取り組み
私たちPiece of Syriaは、緊急性・優先度が低いと見なされがちである教育支援を「平和の担い手を育てるための緊急支援」と考え、現地のニーズに柔軟に寄り添いながら、継続的な支援を実施しています。
長期化する戦争のため、求められる支援のあり方も変化しています。
シリアから避難した方が最も多く住むトルコで、私たちが運営している補習校の事例を紹介します。当初、家庭内で使われる母国語のアラビア語とは異なり、トルコ語で行われる授業についていくことが困難なため、トルコ語・英語・算数を学ぶ補習授業が求められていました。
しかし、今やトルコ生まれの母国を知らない子ども達が多くなり、理数科の補習に加えて、アラビア語の授業やシリアの文化を学ぶことが最も求められるようになりました。
Piece of Syriaでは、現在までに、シリア北部の幼稚園の継続的な運営、トルコ南部のシリア難民向けの補習校、緊急地震支援に加えて、地震後の「復興支援」として、約250名が通う小学校の校舎2校の修復、修復が完了した小学校54校への越冬支援(約30,000人の小学生が対象)、長引く戦争と地震による子どもや保護者のトラウマに対する心のケアセンターの運営(約1,000人が対象)を進めています。
■継続的な支援で支えるシリアの教育
こうした私たちの活動は、皆さまからのご寄付によって支えられています。
お預かりしたご寄付は、主に先生たちの給与等、幼稚園と補習校の運営に必要なシリア人スタッフ人件費として活用させていただいています。
支援を受けて運営するシリアの幼稚園の教師ヌール・ワヒバ先生(仮名)はこう話します。
■「平和なシリアの担い手を支える教育支援」へのご寄付はこちら
https://piece-of-syria.org/whatyoudo/donation.html
※1日100円を継続的にご支援いただくことで、シリアの子ども1人に教育を安定して届けることができます
食糧支援や物資支援などの緊急支援だけでなく、より安定的に質の高い教育支援をしていくために、継続的な支援を届けてくださるパートナー会員として、私たちの活動を応援していただけませんか?
【活動地トルコから生中継あり!】
Piece of Syria活動説明会|教育で平和なシリアの未来を創る
〜皆さんのご寄付で生まれた成果〜
<日時>3月23日(土)20:00-21:00 +交流会
<参加費>無料
<申込> https://pos2024mar.peatix.com/
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