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Piece of Syria(ピースオブシリア) | 難民
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アッサラームアライクム! Piece of Syriaのへむり(中野貴行)です。 先日、トルコ駐在から日本に帰ってまいりました。     ● 生の声を聞きに来てください!(8/21(水)24(土)@大阪)   トルコで感じたこと、聞いたこと(シリア国内含む)の詳細は、 イベントでお話ししたいと思っています。 まずは地元の大阪でお話をさせて頂きます。   【8月21日(水)19:00〜 @弁天町 (参加費 1円〜)】 また、アラブ在住経験者さんとこんなイベントも実施します。 【8月24日(土)15:30〜@梅田 アラブの歩き方 〜知ってるようで知らないアラブ〜】 24日の方では、スピーカーとしては登場しませんが、 会場にいますし、交流会にもずっといますので、お気軽にお話しかけ下さいませ。     報告会は、東京・広島・福岡・札幌で実施が決まっていますので、詳細が決まり次第、お伝え致します。 (企画や当日ボランティアでご参加希望の方はお声がけ下さいませ) http://piece-of-syria.org/2019/07/09/summer/     ● イスタンブールのシリア人の今   「IDを持っていないで外に出て、警察に見つかれば、”不法移民”として即シリアに帰される」 「今月(2019年7月)から、シリア人を追い出すキャンペーンが始まった」 「差別があり、ヒジャーブをトルコ人の子どもに剥ぎ取られる事件があった」     私が駐在中に主に滞在していたのは、シリア国境の近くシャンルウルファです。 そのため、僕の知るイスタンブールの情報の、ごく一部でしかありませんが、そのような声を聞きました。      シリア人家庭の状況を調べるために、シリア人スタッフが家庭訪問をしていると、 「ここに住んでいるシリア人は、共益費(道路の掃除などを依頼するお金)を払おうとしないんだ!シリア人はこの国から出て行け!」 と言われたこともあるそうです。 (ただ、実際にその部屋を訪問すると、住んでいたのはシリア人ではありませんでした。 イスタンブールにはエジプト、アフガニスタン、ウズベキスタン、イランなどから来た外国人が住んでいます)     イスタンブールの市長選で野党が勝利し、対シリア難民の政策が高圧的になったと感じているそうです。     「トルコ シリア難民に退去命じる動き 住民とのあつれき表面化」(NHK 2019/7/23) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190723/k10012005141000.html 「『殺される』襲撃者の影に脅えるシリア人、トルコで反移民感情高まる」(REUTER 2019/7/10) https://jp.reuters.com/article/turkey-syria-refugee-idJPKCN1U50SF     ● イスタンブールの「不法移民」とは?   シリアから逃れてきたシリア人は、トルコで「一時的な身分証」の登録をします(Kimlik)。 Kimlikがあれば、公的な医療や学校を、無料で利用することができます。 申請から受理まで時間がかかることもありますが、病気や出産などがあれば、すぐに登録をしてくれるそうです。 Kimlikは、県ごとの登録となり、原則として、登録した県から出ることができません。 仕事が多いイスタンブールに行きたいと願うシリア人も多いですが、イスタンブールはKimlikの新規発行を停止しています。 そのため、違う県でKimlikの登録(シリアから来たばかりで登録することが多いので、よく分からないまま登録する、という話も聞きました)し、 仕事を求めて、イスタンブールにやってきて、身元確認が不十分でもできる仕事に就くケースがあります。 それが、ここで言う「不法移民」です。   こうした「不法移民」が「即シリアに帰らされる」と話すシリア人がいる一方で、 「ソイル大臣は、一時保護制度の対象となっているシリア国民が国外追放になることはないと強く述べた。 ソイル大臣は、一時保護制度の対象となっているシリア国民で移民登録がない人はキャンプに、 移民登録がある人は登録されている県に送られると説明した」とのことです。   「ソイル内相、移民政策について発言」(TRT 2019/7/24) https://www.trt.net.tr/japanese/toruko/2019/07/24/20190724-002-1241849       ● シリアが、シリア人がこれからどうなるのか?   この問いを、当のシリア人に尋ねても「分からない」という返事がかえってきます。 私たちができることは決して多くないかもしれませんし、大きいものではありませんが、 「まず知ることから始めたい」とお考えの方は、イベントに足を運んでいただければ嬉しく思います!   ( ↓ 画像をクリックすればイベント申込ページに飛びます)     【トルコ便り】 ①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち  ● シリアの今 ②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突 ③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち ④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド ⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID      ● 医療と教育事情 ⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は ⑦【シリア人のID ~市民権と欧州の難民~】● トルコの市民権を得る ● 中東の「難民」、欧州の「難民」 ◉【トルコでの僕の仕事とクルド民族について】     http://piece-of-syria.org/2019/07/09/summer/   【ご寄付】 ・ネットでのご寄付   ・銀行口座でのお振込 ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/) まで、ご一報くださいませ。    ...

  世界で6800万人を超え、かつてない規模へ拡大している難民問題。       持続可能な社会の実現を目指し、 「誰一人取り残さない」をスローガンとするSDGs達成へ向けて、 難民問題に向き合うことは必須の課題です。       かつて日本より平和だったシリアは今、 内戦によって一国では世界で最も多い600万を超える人々が、 世界各地へ避難を余儀なくされています。       また、アフリカ・南スーダンでは、 近年に生じた大規模な衝突によって、200万を超える人々が、 国内外へ避難を余儀なくされています。       そうした現実を自分事として捉え、 支援活動をされている実践者の方々から、 紛争と難民の現実を伺うことを通して、 持続可能な社会をつくるために、 私たちにできることを、ぜひ一緒に考えませんか?       ●JICA関西HPでの詳細 https://www.jica.go.jp/kansai/event/2019/190401_01.html         ●JICA関西Facebookでの詳細 https://www.facebook.com/JICAKansai/posts/2225166350882890       ●チラシ https://www.jica.go.jp/kansai/event/2019/ku57pq00000kqc6x-att/ku57pq00000kqc7w.pdf            【日時】 2019年6月8日(土)13:30~17:00(その後、交流会17:40まで)     【会場】KYOCA京果会館  3F  HACOBA  〒600-8841 京都市下京区朱雀正会町1−1 /  TEL: 0120-60-8448  JR嵯峨野山陰線「梅小路京都西駅」 徒歩1分(京都駅から一駅の新駅)   会場地図 : https://goo.gl/maps/Sn9LsqhGtw12                 【入場料/定員】 無料 / 先着70名(要申込)       【主催】JICA関西   【協力】認定NPO法人 テラ・ルネッサンス、シリア支援団体Piece of Syria           【講師】   ・中野 貴行さん (元青年海外協力隊(JICA) シリア / シリア支援団体Piece of Syria代表)   ・栗田 佳典さん (認定NPO法人 テラ・ルネッサンス 京都本部事務局)           【プログラム(予定)】 ●13:30 – 13:40  アイスブレイク ●13:40 – 14:50     第1部 「シリア内戦と難民の現実」   中野 貴行さん (元青年海外協力隊(JICA) シリア / シリア支援団体Piece of Syria代表)     ●15:00 – 16:10   第2部 「南スーダン紛争と難民の現実」   栗田 佳典さん(認定NPO法人 テラ・ルネッサンス...

  アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。 ● トルコの市民権を得る ● 中東の「難民」、欧州の「難民」 についてお伝えさせていただきます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ トルコの市民権を得るメリット ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコ便り⑤でお伝えしましたが、トルコに住むシリア人のステータスは、 「来たばかりの人」、「Kimlik(外国人登録)」、「市民権」の3種類です。     市民権を取得するには、 ・トルコに5年住み続けていること ・トルコ語が話せること、 ・トルコにとって品行方正であること ・学歴や技術を持っていること 等、条件があります。   しかし、話を聞いていると、その条件がピッタリ当てはまる人でなくても市民権を得ていたり、 逆に取れていない人もいる、とのことです。   Kimlikがあれば、教育や医療を受けることができますが、移動の自由がありません。(参照)トルコ便り⑤   Kimlikを登録した県以外への引っ越しどころか、移動さえ難しく、 移民局の許可がなければ、県外に出られず、許可もなかなかおりないため、 仕事探しや家族に会いに、隣の町にいくことができない、という話をよく聞きます。 (日本で県外に出られない、という制約を想像してもらえたら、その大変さがイメージできそうです)   <僕らにとっては非常に便利なトルコのバス事情だが…>   トルコの市民権を得た場合、トルコのパスポートを取得することができ、 トルコ国内だけなく、日本をはじめ海外に行くこともできます。 家を購入することもできます。   トルコの与党は、シリア人に対して、無理に追い出すような政策をしていませんが、 野党はその反対の姿勢になるので、当然、シリア人を追い出すような対案を持っています。 「いつか選挙で与党が負けた際には、急にシリアに退去強制させられるかもしれない」 そんな不安もある中、トルコの市民権の取得は、 トルコに住む家族の仕送りに頼っている家族にとっても、 シリアに帰ったら徴兵制で戦前に送られるかもしれないと不安を感じている若者にとっても、 自分と家族の安定と安全を守ってくれるものなのです。   ただし、それが認められたケースは非常に限られています。 (聞いた話だと3万7000人。多そうだがトルコに住むシリア人全体の1%)     http://piece-of-syria.org/2019/03/03/kimlik/       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中東の「難民」欧州の「難民」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   「難民」といえば、難民キャンプに生活しているイメージをお持ちかもしれませんが、 実際には数%程度で、ほとんどが家賃を払って、都市で生活をしています。 そして「難民キャンプ」と名前がついていますが、 そこに住んでいる人たちは、実際には「難民(Refugee)」というステータスではありません。 「Asylum Seeker」(亡命希望者)というステータスです。 言い換えると、「難民になりたい」ということで、「難民」にはなっていません。   <イラクの難民キャンプ>     「難民申請」「難民認定」という言葉があるように、 申請し、認定されないと難民にはなれないからです。 シリアから国外に避難する際、周辺国のトルコ、ヨルダン、イラク、レバノンに向かうことが多いです。 しかし、それらの国では「難民」となれず、 ドイツやスウェーデン、カナダやアメリカなどで「難民」を目指すわけです。   例えば、僕が2016年にスウェーデンに訪れた際に教えてもらった例で言いますと、 難民申請から認定まで2年ほどかかりますが、 その間、語学訓練が実施され、授業に行けば生活費が支給され、家も個室(相部屋の場合も)でした。 難民認定後、5年以上定住し、安定した就労していることが認められると、国籍を得ることもできるそうです。   <スウェーデンの難民キャンプと語学学校>   シリア周辺国はまだ途上国で、ここまでの保障ができかねます。 制度が変わることも珍しくなく、いつ追い出されるかもわかりません。 就労そのものが認められていなかったり、仕事がなかったりします。 周辺国のシリア人は仕事がなくなれば「ゆっくり死んでいく」と表現している人さえいました。 トルコを除けば、国籍の付与も少ないため、特に子ども達の将来を考えて、不安だと言います。 子どもは、今住んでいる国しか知らないが、その国の国籍もないままで、その国の教育しか受けておらず、 いつしか実際の故郷にも、縁がない状態になってしまうからです。 将来への保障が感じられる「難民」と、 特に子ども達が不安定な立場になる不安が大きい「難民希望者」。     「ゆっくり死んでいくくらいなら」と、命をかけて死のリスクを負って ヨーロッパに密航する人たちがいたのです。 そして、家族を呼び寄せて、子ども達への未来を紡ぐために。   <トルコから見えるほどの距離にあるギリシャのレスボス島。かつては難民が殺到していた>      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シリア人は難民になりたかったのか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   シリアの人たちは、シリアという国が大好きです。 難民や難民希望者として受け入れている国への感謝をしつつも、 「シリアの方が豊かだったし、いい国だよな」という声ばかりです。 ヨーロッパに渡ったシリア人でさえ、その調子です。 (もちろん、そこに、三丁目の夕日的な「昔は良かった」という美化されたノスタルジーがあると思いますが) 離れ離れで暮らす家族、戻れない故郷は、いつも彼らに影を落としているように感じます。   いつか、シリアに戻れる日を。家族が集まれる日を。 僕らができることは限られていますが、 できることを、ひとつでも積み重ねられたらと思っています。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【トルコ便り】 ①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち  ● シリアの今 ②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突 ③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち ④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド ⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID      ● 医療と教育事情 ⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は ◉【トルコでの僕の仕事とクルド民族について】   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ご寄付】 ・ネットでのご寄付   ・銀行口座でのお振込 ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/) まで、ご一報くださいませ。    ...

  アッサラームアライクム!Piece of Syriaのへむりです。 最近、トルコも暖かくなり、桜かアーモンドの花を街中に見ることができます。 今回は、僕がトルコでどのような日常を送っているかを書きたいと思います。   <シリアの春に見たアーモンド>   <トルコで見かける桜?アーモンド?>     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 様々な民族が混じるオフィスで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   現在、僕はNGOの専門家という立場でトルコ駐在をしています。   活動内容は、シリア難民の人たちがコミュニティを作り、 NGOがいなくなった後も、自立して生活していくお手伝いです。   僕自身が直接、受益者のシリア人に接するのではなく、 NGOオフィスで働くスタッフ達への働きかけをしています。   他の国や地域の活動を紹介して、彼らなりに応用して欲しいと思っているのですが、 「この地域では」とできない理由を並べ立てられたりもして、もどかしいこともあります。 基本的にはモチベーションは高く、やる気のあるスタッフが多いため、楽しく過ごしています。   オフィスには、トルコ人とシリア人、そして民族的には、 トルコ系、アラブ系、クルド系が入り混じっています。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ イラクに住むクルド人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコには、世界最大の少数民族と言われるクルド民族が多く住んでいます。   クルド民族は、トルコ・シリア・イラク・イランにまたがって生活していますが、 自分たちの国を持っておらず、それぞれの国の中で「クルド語禁止」など、 文化や政治を表立って表現できていません。   <The Kurdish Project>   イラクでは、サダムフセイン政権下で迫害を受けていましたが、 アメリカによるイラク侵攻によって、フセイン政権が敗北し、クルド人は自治権を拡大し、 イラク北部に、バグダッドとは別の自治地域を作りました。   2016年に僕がイラク北部のクルド自治地域の「首都」エルビルを訪れた際は、 バグダッドとは別の独自のビザで、入国できました。 (最近、バグダッドに統一されたと聞いています)   「(中東では目の敵にされる)アメリカやイスラエルが大好きだ」という話を聞いたのが、すごく印象的でした。     <高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶエルビルの街並み(2016年)>      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シリアに住むクルド人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シリア北東部のハッサケ、カミシリ、コバニは「クルドの町」と呼ばれ、 デリゾールやアレッポの一部の地域にも、クルド人が多く住んでいます。   クルド人は市民権(選挙権)を持たない、クルド語の学習ができないなど、権利が抑えられていましたが、 2011年のデモの後、アサド政権は、そうした抑圧を緩和しました。 南部の首都近辺が反政府組織との騒乱で揺れる中、 イラクで起こったイスラム国が、シリアの北東部の国境を超えて占拠し、 シリアの都市ラッカを首都とした時期がありました。      やがて、クルド部隊が盛り返し、イスラム国を撃退していき、 現在、シリア北東部はクルド組織の占領下にあります。 トルコ軍がシリア北部への侵攻し、占領地を広げる中で、この地域がどうなるかが まだ見えていません。   <現在のシリアの地図(2019年3月11日)>   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ トルコに住むクルド人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコではかつて、アラビア文字でトルコ語を表記していました。 それが今は、英語に近い文字を使っています。それは100年ほど前に遡ります。 第一次世界大戦で同盟国が敗北したことで、オスマン帝国トルコが分割占領されていきます。 その抵抗運動を組織し、「近代トルコ建国の父」として、トルコ共和国を建国したのがケマルパシャ。 肖像画や銅像、そして紙幣で、トルコの国中で彼の顔を見ることができます。     彼の進める「西洋化」政策によって、文字が変わり、「政教分離」が進められます。 その中で、宗教を拠り所ではなく、「トルコ民族であること」を拠り所にしていきました。   しかし、トルコ共和国内には、クルド語を話す「クルド民族」がいます。 それに対して「トルコ語を学んでいないだけだ」とし、クルド語の教育やメディアは禁止され、 「トルコ人化」を進めようとします。 それに対するクルド人の反発は「テロ  vs テロ対策」まで発展しますが、 今では、クルド系政党が国会で議席をとるにまで至っています。 (弾圧がないわけではない、とトルコに住むクルド人から聞くことも)   もちろん、陸でつながっていて100年前まではオスマン帝国という一つの国だったので、 トルコ人の中にもアラブ系もいます。 つまり、トルコ人の中にある民族的アイデンティティには、 「トルコ」「クルド」「アラブ」がある、ということです。 それが顕著に見えるのが「家の中の言葉」です。 外では、学校教育の中でトルコ語を学んでいるので、トルコ語を話しますが、 家庭では自分たちのアイデンティティ言語を話します。 (シリアやイラクでも同様です)     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 多言語多民族のオフィス ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   僕のいる町は、シリア国境が近いため、アラブ系トルコ人もシリア難民が多く住んでいます。 またクルド人にとっての「首都」にあたるディヤルバクルという街も近く、クルド民族も多い。 そんなわけで、オフィスには、トルコ人とシリア人、そして 民族的には、トルコ系、アラブ系、クルド系が入り混じっています。 アラビア語を話してたから、シリア人かな?と思ったらアラブ系トルコ人だったり、 チーム内にアラビア語が通じないトルコ人、英語が通じないシリア人がいて、クルド語が通じないシリア人がいて、共通語が全くなかったりすることも(トルコ語が話せないシリア人も多い)。 朝の挨拶はいつもパニックです(笑)。     <シリア人が多く住む地域ではシリア人のお店も>   僕がいるチームでは、シリア人スタッフが、シリア人世帯に家庭訪問をし、 情報共有をしたり、ワークショップやイベントを企画したり、 障害や病気があった場合は、ソーシャルワーカーにつないだりしています。 家庭訪問の際、男女ペア、アラブ系とクルド系がペアになるようにしています。 家の中に女性しかいない場合、男性だけが家に入るのを良しとしない文化があったり、 アラビア語を話せないクルド系世帯もいるからです(シリア人スタッフは全員アラビア語を話せる)。   <トルコ南部の街角にて。スーパーマーケットと書いてある>   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 毎日の過ごし方 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   スタッフの勤務は8時半から夕方5時半まで。 その間、僕は基本的に自由ですが、与えられた目標を達成できるよう行動しています。   土日や仕事終わりには、スタッフに誘われて英語クラブに行ったり、 スタッフが経営するダウンタウンのカフェに行ったり、 近隣の町まで出掛けて、シリア人・トルコ人・クルド人の友人に会ったりしています。   Piece of Syriaの活動は、早朝か仕事終わり、土日で、 記事を書いたり、現地パートナーとの調整、日本のスタッフとのやりとり等をしています。 トルコのビザは「180日間のうち90日間の滞在が可能」というものですので、 日本と行き来しながらになります。   日本にいるときは、家族との時間とPiece of Syriaの活動、講演活動を行なっています。 もうすぐ日本に戻りますので、また報告会を企画していきたいと思います。 是非、いらっしゃってくださいませ。     <スタッフに連れられて遺跡に遊びに行ったり>     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【トルコ便り】 ①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち  ● シリアの今 ②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突 ③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち ④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド ⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID      ● 医療と教育事情 ⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ご寄付】 ・ネットでのご寄付   ・銀行口座でのお振込 ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/) まで、ご一報くださいませ。   ...

  アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。   ● 外国人登録証Kimlikとは   ● 難民キャンプが閉鎖する理由 についてお伝えさせていただきます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  トルコ密入国、直後 ~ Kimlik取得 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコに住むシリア人のステータスは、3つあります。 「来たばかりの人」「Kimlik」、そして「市民権」です。 2011年の戦争前までは、買い物のために国境を越えるくらい自由でしたが、 今では多くの場合、シリアからトルコに来るのは密入国です。 相場は、時期や業者(安全度)によって違うのですが、最近は一人3500$と聞きます。 壁やフェンスができており、業者はその警備のスキマを探して国境を越えさせるのですが、 見つかれば射殺されるというリスクがあります。 (トルコ軍が密入国を斡旋しているケースもあるらしいですが、定かではありません)   2011年3月以降トルコ軍国境警備隊は避難しようとしたシリア人400人を射殺(2018年8月28日)#シリア #トルコ #難民 https://t.co/Qiikn6unK3 — シリア・アラブの春顛末記 (@SyriaArabSpring) 2018年8月29日   国境を越えた後、Kimlikという外国人登録証(Protection Card)の申請を行ないます。 「以前はそれほど重要視されていなかった」というこのKimlikが、 1~2年前から死活問題になる程に重要になっているとのことです。 Kimlikなしでは、学校に行けず、病院も保険なし、仕事もままなりません。 銀行口座や携帯電話を取ることもできないそうです。 (なので、国境を越えてすぐのところに、ヤミのSIMカードが売る人たちがいるんだとか。  ヤミなので、数ヶ月で使えなくなることもあるそうです)   <難民が殺到していた時期、ギリシャの島レスボス島の難民キャンプ前では携帯会社がSIMを売りに来ていた>   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  Kimlikとトルコの難民キャンプ閉鎖 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   Kimlikは申請してすぐに取れるわけではなく、数ヶ月から1年かかることも。 身内に障がいを持った人や病気の人がいた場合などは、優先して発行してくれるそうです。   Kimlikは県ごとの管理になるそうで、シリア人が特に多く流入しているトルコ南部の町では、 Kimlikを発行するイミグレーションオフィスが一時閉鎖したことも(しかも数ヶ月!)。 一度登録してしまえば、その県とIDが紐づくので、引っ越しは難しいと聞きました。 僕が訪れた、あるシリア人の家族は、トルコの難民キャンプに数年住んでいたのですが、 難民キャンプは今年から閉鎖が進んでいます。   トルコ内務省はシリア難民13万人を収容していたキャンプ6カ所を閉鎖(2018年11月22日)#シリア #トルコ #難民 https://t.co/nGrnRt9pNk pic.twitter.com/SSOCYJmlvz — シリア・アラブの春顛末記 (@SyriaArabSpring) 2018年11月24日   そのため、その家族は難民キャンプから出て、自分たちの家を探さないといけないのですが、 キャンプがあった県はシリア人がほとんどいなかったそうで、 シリア人が多く住む、シャンルウルファ県にやってきたのです。 <トルコの難民キャンプ>   しかし県が異なるので、Kimlikがまだ取得していないことも多く、様々なサービスが受けれない状況にあります。 シリア国境近くの難民キャンプの閉鎖の裏には、お金の問題だけではなく、 トルコ軍のシリア侵攻が関係している、という人もいます。 (シリア国内にトルコ軍占領地があり、そこを拡張しようとしています。参照:トルコ便り④)   キャンプのあったところに、軍が配備されており、そのためにキャンプが撤去された、 と、あるシリア人は僕に話してくれました。   ※僕が見た限り、報道では、軍の配備とキャンプ閉鎖との関連は書いていませんでしたが、 軍の配備している場所については、キャンプのある地名(スルチ区・アクチャカレ区)と重なります。 (参考) ●【テロ掃討】 国境向かい側からの挑発に対しトルコ軍が瞬時に報復 TRT2018.11.4   ●Turkey closes six Syrian refugee camps (2018.11.22) トルコ内務省は、19あるシリア難民キャンプのうち6つを経済緊縮を理由に閉鎖した。トルコに住むシリア人は、2017年の340万人から、2018年には360万人に。トルコ政府は、トルコ軍が占領するシリア北部の安全地帯へのシリア人帰還を進める政策をしているが、実際にはトルコのシリア難民の数は増えている。トルコ南部のガズィアンティップ県、マルディン県、シャンルウルファ県の、13万2000人の住む6つの難民キャンプを閉鎖した。 内務省は、閉鎖の理由について経済の緊縮とし、キャンプに住んでいたシリア人は経済支援を使って家を借りていたと話した。3万1000人のシリア人はトルコの他のキャンプに移動した。6つのキャンプ閉鎖によって、7690万リラ(1450万ドル)が節約できたという。   <スルチ>  <アクチャカレ>   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  僕らは、夢の中にいる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   「数ヶ月あれば、状況は変わってしまう。  だから、僕らは帰るのは難しいんだ。まだまだリスクが高い」 と、言うと、友人は涙目になりながら、僕に語ります。   「まるで、夢の中にいるみたいだ。  7…いや、もう8年だよ。戦争が始まってから。  僕の故郷も、政府軍に、ダーイシュ(IS)に、クルド軍に、  めまぐるしく支配する組織が変わり、そのたびに破壊されてきた。  帰っても、僕の住んでいた家はもうないんだ」   朝起きて、家族とご飯を食べ、学校や職場に行き、 2時には仕事を終えて、家に帰って、家族とご飯を食べ、 夕方から夜にかけて、友人たちとおしゃべりしたり、親戚の家に行ったり・・・。 のんびりと、人と人とのつながりを、家族を大切に生きてきたシリアの人たちの「当たり前」。 それが再び、「当たり前」になる日がくるように、僕たちができることはあるのでしょうか。 答えは出ないままですが、今できることを少しずつ積み重ね続けたいと思います。   次回は、シリア人のIDの続き、「kimlik取得後」と「市民権」について、解説したいと思います。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【トルコ便り】 ①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち  ● シリアの今 ②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突 ③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち ④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド ⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID      ● 医療と教育事情 ⑥【シリア人のID ~教育と医療~】● 母国語で学べない● 病院に行きたい時は ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ご寄付】 ・ネットでのご寄付     ・銀行口座でのお振込 ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/) まで、ご一報くださいませ。   ...

  アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。     ● トルコのバス事情   ● シリアの中のトルコとクルド   についてお伝えさせていただきます。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  トルコのバス事情  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコの市内バスは、日本のPitapaのようなICカードが使われています。   現金で払うより運賃が半額ほどになるのでありがたいのです。   [caption id="attachment_17511" align="alignnone" width="500"] ここにピッと当てる[/caption]     ただ難点は、「どこで売っているかを探し当てるのが大変」ということと、 「町ごとに流通してるカードが異なる」という点です。   カードは、バスターミナルの売店の窓口を見つけられたら、5リラで買えます。 (町ごとに違うカードなので、毎回探し当てないといけないのが大変…)   チャージは、日本のようなチャージの機械もしくは窓口でできます。 または、雑貨屋さんでもチャージできる所があります。     バスの中は譲り合いの文化。 女性や年配の方が来られたら、男性陣はさっと席を譲ります。       ちなみに。   今いるのは、割と保守的だと言われるトルコ南部の町ではありますが、 ヒジャーブで髪の毛を隠した女性達だけで出歩くのも、日常的な出来事です。 (シリアでも、それは普通でした)   長距離バスは、頻繁に街と街を行き来しています。 また、小さな町にも空港があって、LCC(格安航空)も行き来しています。     【バスと飛行機が一覧で出てくる便利なサイト】     [caption id="attachment_17514" align="alignnone" width="500"] <バスターミナルとチケット>[/caption]     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  移動できないという日常 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   先日、長距離バスの移動中に、セキュリティによるIDチェックを受けました。 バスが止められ、セキュリティが車内に入り、乗客のIDを一人ずつ預かっていきます。   僕はパスポートを見せれば、特に何も言われたりはしませんが シリア人は事情が違うんだそうです。   昨年の緊急事態宣言以降、シリア人は許可がないとトルコ国内の都市移動ができなくなったのです。   行き先に家族がいるか、仕事を探すなどが明らかじゃないと許可も取れないそうです。   5年も住んでいる国で、自由に移動できない、というのは、 なかなか想像できないと思います。     トルコ、非常事態宣言を2年ぶり解除 デモ制限などの新法も準備 (新法が、事実上の「非常事態宣言」の恒久化だとして批判も)     [caption id="attachment_17516" align="alignnone" width="500"] <ヨルダンの街中にて>[/caption]   ヨルダンにいた時も、長距離バスではなく首都のアンマンの市内バスで、 抜き打ちで、乗客全員のIDチェックされたことがあります。   下記の地図にあるように、湾岸諸国を除くシリアの周辺国が非常に多くの難民を受け入れています。   Syria Crisis | Refugees and IDPs – DG ECHO Daily Map | 19/04/2018         国連やEUからの支援を引き出して、トルコ政府はポケットに入れてるんじゃないのか? きちんと届いていない!と憤るシリア人たちの声も聞いたりはするのですが、 難しい舵取りの中で、自国民の不満を爆発させないようにしながら、 テロの芽を摘み取りつつも、人道的な対応を迫られている国々の努力は肌で感じます。   とはいえ、「ここしか居る場所がない」とトルコに住むシリア人が、 自由に移動さえできない、というのは、彼らに暗い影を落としているように思います。 許可がないまま移動した場合、 「シリアに強制的に返される」「投獄」になるかもしれないそうです。     [caption id="attachment_17518" align="alignnone" width="500"] <ヨルダンの市内バス>[/caption]     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  可能性を求めて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   トルコは今、シリア北部に支配地域を作っています(トルコ便り③に詳細)   [caption id="attachment_17694" align="alignnone" width="500"] Syrian Civil War Map[/caption]   こちら住むシリア人によると、 トルコは、その支配地域を広げようと画策している、と言います。   狙っているのは、今、クルド人が支配している地域だそうです。   マンベジ西部の村の近くで、トルコ主導の軍とクルド軍が戦闘に。 マンベジが攻撃されないように、米政府とトルコ政府で協定が結ばれていたが、反故された形とのこと。 僕が出会った友人たちの平和な日常を願ってやみません。#Manbij #シリアhttps://t.co/ne5FRKI50a — へむり。@シリア国内への教育支援 (@hemuri_) 2018年11月20日   このことについて、トルコに住むあるシリア人からは、   「トルコの支配地域が増えてくれた方が嬉しい。  クルド支配地域は治安も悪く、警察が機能しておらず、  家に泥棒が入られた友人も、泣き寝入りしたんだそうだ。   (クルドが支配する)俺の故郷のデリゾールでは、  アフガンなどから来たドラッグの売買が蔓延していて、  街角で売られていたり、シリア政府支配地域にも流れていると聞いている。    一方、トルコ軍がコントロールしている地域は、治安も安定している。  今、トルコ政府はシリア人をその支配地域に戻るように呼びかけている。    トルコ政府は決して強制はしていないが、  引っ越し費用を出したり、仕事を斡旋しようとしてくれたり、と。  俺もトルコが支配してくれている地域なら、シリアに帰ることを考えるよ」   と話していました。         とは言え、僕の住んでいたマンベジ(Manbij)が戦闘地の候補になっている現状に、不安は募ります。   こまめに友人たちに連絡を取るようにはしていますが、どうか無事でいてほしいです。   「当たり前の日常」という幸せを、 叶わない夢ではなく、再び日常に。   その日まで活動を継続していきたいと思います。         【イベント】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12月21日(金)夜...

  アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。 12月半ばまで、トルコに駐在しています。   こちらで話を聞いた     ● 閉じ始めた難民キャンプ   ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突   についてお伝えさせていただきます。     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  閉じ始めた難民キャンプ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   「難民キャンプに行ったんですか?」 「難民キャンプに行きたいんですが、どうしたらいいですか?」   そんな質問を投げかけられることは多いのですが、 実は、シリア難民のうち、難民キャンプに住む人は全体の10~20%に過ぎません。     大多数は、家賃を払って、都会に住んでいるのです。     [caption id="attachment_17459" align="alignnone" width="524"] UNHCR (Accessed 2018.11.13)[/caption]       ヨルダンでは、難民キャンプが非常に人気がなく、 率先して人が都市へ出ていく、という話をよく聞きました。   シリアの状況が落ち着き始めると、その数は非常に増えている、と ザータリ難民キャンプで働くNGOスタッフから教えてもらいました。   [caption id="attachment_17462" align="alignnone" width="524"] ヨルダンにあるザータリ難民キャンプ[/caption]     一方、トルコでは逆に、難民キャンプの人気が非常に高かったのです。   キャパシティの問題から断っているものの、キャンプで住みたがるシリアの人たちは多くいました。   家賃なし、フードクーポン、食料配給など、恵まれた状況はヨルダンと同じなのですが、なぜかトルコではキャンプの人気が高かったのです。   トルコでは合法的に難民が働くことができ、ヨルダンでは働けないにも関わらず。 (今年聞いた話では、ヨルダンも状況が変わりつつある、とも)   [caption id="attachment_17463" align="alignnone" width="524"] 車窓から見えたトルコの難民キャンプ[/caption]     そんな人気の難民キャンプが最近、閉鎖しつつある、とのことです。   5万世帯も住んでいる、とされる2つの難民キャンプのうち、1つが閉鎖、 その閉鎖に伴い、引っ越したシリア人家族には引越し費用が支払われるとのこと。   が、その数ですので、全世帯への支払いは滞っており、 今までぬくぬくとしたキャンプ生活をしていた人たちが、寒空の下に放り投げられた形です。   キャンプに住んでいた時は、外で働いて得た給料は貯金できたのですが、 今では家賃に、食費に、生きていくために働かないとずぐに困窮してしまいます。   前回お伝えしたように、トルコは比較的、難民が住みやすい国ではありますが、 「仕事があれば」という前提が必ず付きます。       [caption id="attachment_17464" align="alignnone" width="524"] 起業できるトルコではシリア人が運営するお店も。アラビア語が見える。[/caption]         2018年からアラビア語で教える学校は全て閉鎖され、 トルコ人と同じ学校に通うことが義務となったトルコ。   トルコ政府の「心変わり」の中で、シリアの人たちは常に不安定な状況となります。   「一番の問題は、未来だよ。  どうなるか分からない。私たちは良い。が、子ども達が心配だ」   難民を訪ねる旅を始めた3年前にも聞いた同じ声が、 今もなお、シリア人の口から聞こえてきます。     http://idea-journey.com/refugeecamp/   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  シリア人とトルコ人の中で起きた衝突 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   つい先日、トルコ南部でシリア人による、トルコ人の銃殺事件が起こりました。   どうやら、事の発端は、トルコ人側がシリア人女性への暴行があったそうですが、  そのリベンジとして、被疑者のトルコ人2人を銃殺したとのことです。   (こちらについてのニュース記事を探したのですが、出てこないので、   伝聞ではありますが、複数の人から話を聞いています)   ※追記(記事を教えてもらいました) Irish Times 2018.10.7 "Syrians in Turkey face anger and violence" 「シリア難民にトルコ人が殺された」というのは(きっかけはともかく) 世界で最もシリア難民を受け入れているトルコ人の国民感情として、 心地よいものではありません。   [caption id="attachment_17460" align="alignnone" width="1024"] UNHCR (Accessed 2018.11.13)[/caption]     「この事件が起こってから、外に出るものはばかられるんだ」  というシリア人男性もいるほどです。   トルコに住む、一部のシリア人には「市民権」を与えられており、  トルコ人と同じように海外に行けるほどなのですが、   そうでないシリア人については、  常に不安定さと隣り合わせで生きていかないといけません。   「一番の問題は、未来だよ」     そんな言葉は、平和な頃のシリアにいた時は一度も聞いたことがありませんでした。   ですが、多くのシリア人に出会う中で、絶望よりも希望に出逢うことも多いです。     「意志があるところに、道は開ける」と、家族のため、  そして、自分自身の夢や、子ども達の未来のために行動を止めない人たちが沢山います。   その意志に寄り添い、その灯火を途絶えさせないために行動し続けたいと思います。     トルコ便り①【シリアはどうなるのか?】 トルコ便り②【トルコに住むシリア人の声】 トルコ便り③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】     ・ネットでのご寄付     ・銀行口座でのお振込 ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/) まで、ご一報くださいませ。       #僕らは微力だけど無力じゃない #ピースオブシリア#シリア#教育支援             ...

    こんにちは、Piece of Syriaの中野貴行です。 先日、日本在住のシリア人、ヤーセル君とのコラボトークイベントでした。         ● 普通の大学生に訪れた変化   ヤーセル君は、ダマスカス大学で3年生まで通っていましたが、 戦火が激しくなったことから、国外へ逃れました。 友人を頼って、2013年から日本に住み始めました。   共働きの両親のもとで、悠々自適に 自分のことだけを考えれば良かった大学生から、生活が一変。   日本における難民申請者の壁、言語の壁を越えて、家族を守るために、 ゼロから全てを始めなければならなくなりました。   [caption id="attachment_17358" align="alignnone" width="525"] 認定NPO法人 難民支援協会ホームページより[/caption]   日本の母妹、シリアに残る父への仕送りまで家計を支えながら、 自分の未来について考える余裕もなく、 プロを目指すほど大好きなサッカーもできず、 ただただ目の前のことだけをする日々が続きます。     0.3%しか通らない、難民申請が通り、お父さんも呼び寄せることができ、 厳しい審査をくぐり抜けて奨学金を得て、 途中で止まっていた大学の勉強も再開できるようになりました。   [caption id="attachment_17355" align="alignnone" width="524"] シリアの大学寮。大学まで無料の、かつては「当たり前」だった教育環境[/caption]     ● ヤーセルが伝えたいこと   大学や企業、NGOなどでも講演を依頼され、話しています。   「シリアから来た、というと 『怖い』って言われることもある。 でも、元々のシリアは本当に平和だったんだ」   そんなイメージを変えるのは、僕の義務だ、と彼はシリアについて語り続けています。   [caption id="attachment_17356" align="alignnone" width="528"] 美しく平和な首都ダマスカス。夜に出歩いても危険はなかった。[/caption]     ● 支えることは支えられること   「どうして前向きに行動し続けられるんですか?」 話を聞いていた方からの質問に、ヤーセルは答えます。   「僕らにはいつも選択肢が2つあります。 諦めて何もしないか、 与えられた環境の中で行動するか。 僕一人のことだったら、立ち上がれなかったかもしれません。   でも、僕が何もしないということは、 一緒に住む母と妹、シリアに住む父を、家族を路頭に迷わせるということになります。 家族のことがあるから、僕は前へ向かって、 状況を変えるために動き続けられたんだと思います」     そんな彼の家族への優しくも強い想いに、会場全体が震えたように思います。   そして、彼の言葉から、そして僕自身の経験から、 「支えることは、支えられることでもあるんじゃないかな」と思います。     9月28日(金)にも、もう一度、彼の話を聞く機会があります。 是非、会場で彼の想いに触れてもらえたら!と思います!   http://piece-of-syria.org/2018/08/30/tokyo       シリアの人たちを支えたい!ということに関心がある方は、是非こちらを!     Facebookページ【Piece of Syria】        ...

    こんにちは!Piece of Syria代表の中野貴行です。 イベントのご案内をさせていただきます!   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《1》力を合わせて、幼稚園の閉鎖を止める!クラウドファディングのお願い 《2》【東京】シリア料理を食べに来ませんか?(今〜9/13) 《3》【大阪】イランとシリアの写真展 (9/17〜24) 《4》FacebookでLIVE配信のご案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   《1》力を合わせて、幼稚園の閉鎖を止める!クラウドファディングのお願い   現在、シリア国内の幼稚園の支援活動を現在、実施中です! 「子ども達はマシンガンという武器ではなく、教育という武器を手にしてほしい」 そう言って、シリア国内の幼稚園・ 学校をサポートし続けている一人のシリア人青年がいます。 彼自身もトルコで難民として不安定な生活をしながらも、筆記用具や教科書、越冬のための服や食料を届けています。 2016年、17年のクラウドファンディングでは皆さんのご協力のもと、学校をサポートすることができました。 今年も引き続き、子ども達の未来を支える活動に、力を貸していただけませんでしょうか?         《2》【東京】シリア料理を食べに来ませんか?   シリア料理を、僕は世界一美味しい料理だと思っています。   30年以上、高級ホテルや大使館のレセプションなどで腕を振るったシェフが、今、日本で難民として生活し、かつ、働く場所がない状況でした。(NHK「ラーマのつぶやき」に出てきたお父さんです) そんな彼に、働く場所を作り、最高のシリア料理を食べてもらう!というプロジェクトに参加しており、レストラン内で、シリアの写真展をしています。(9日以外は僕もいます)   【場所】港区北青山2-3-1 伊藤忠ガーデン 2F左手すぐ 「外苑前」「青山一丁目駅」より徒歩5分 【日時】 〜8日(土)11:30〜14:00 9月10日(月)〜13日(木)11:30〜14:00 【料金】1500円、ブッフェスタイル。売り切れ次第終了         合わせて、「ニュースが教えてくれない 本当のシリア」というコラボトークイベントを行ないます。 ●9月7日(金)19:30- @渋谷 ●9月28日(金)19:30- @オリンピックセンター       《3》【大阪】イランとシリアの写真展「行ってみたら、こんなところやっ展」   【日時】9月17日(月・祝)~24日(月・祝)    平日  14:00-20:00    土日祝 10:00-20:00 (イベントによって変動あり)   【場所】 谷六village(たにろくヴィレッジ)   http://piece-of-syria.org/photo2018/ ギャラリートークあり。(僕は常に在廊しています) 詳細はイベントページで随時更新します。       《4》FacebookでLIVE配信のご案内   ギャラリートークの一部は、Facebookにてライブ動画で発信します。 聞き逃さないためにも、是非、この機会に「イイね」をお願いいたします! Facebookページ【Piece of Syria】   ● スペシャルゲスト!今井紀明氏と語るクロストーク 22日(土)「教育って大事なん?日本とシリア、教育をサポートするnpo創設者の思い」   ● 旅するように人生を生きる2人のトークと旅人交流会! 22日(土)「旅人集合!トークイベント「旅するように人生を」+旅会」  ...

  昼の2時には帰って、家族とご飯を食べる「働き方」? 通りすがりの旅人に、お茶をご馳走し、泊めてくれる「おもてなし」? 世界最大の難民受け入れ国で、日本の20倍の以上の「治安」の良さ?     「なんとなく怖そう」な国が「行ってみたかった国」に変わる!? 明日、誰かに言いたくなる話が聞けるトークイベント!       サッカー選手を目指し、日本で難民として暮らすシリア人大学生ヤーセル。 シリアの田舎に住んで、シリア人に「シリア人みたいだ」と言われたシリア支援NGO代表へむり。 ヨルダンのシリア難民の家にホームステイしていた女子大生→平和構築NGOインターン生なお。     「難民として日本に住むこと」について、生の声も是非お聞きください!         << こんな方におすすめ >> ・本当のシリアについて知ってみたい ・中東や難民について知ってみたい ・日本に住むシリアの人の話を聞いてみたい ・青年海外協力隊や国際協力に興味がある方 ・旅やホームステイに関心がある方 ・社会人の方、学生の方、主婦の方     (終了) <9月7日(金)> 【時間】19:30-20:50(受付開始 19:15) 【場所】株式会社Wevnal セミナールーム(東京都渋谷区1-11-8 渋谷パークプラザ 5F) 【定員】35名(申し込み先着順)   <9月28日(金)> 【時間】19:30-21:30(受付開始 19:00) 【場所】国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都東京都渋谷区代々木神園町3-1) 【定員】100名(申し込み先着順)   【参加費】無料 (おひねり制。頂いたお金は全額シリアの方々のために使います)       【ゲスト】   ● Yaser Jamal Aldeen(ヤーセル)   シリア・ダマスカス出身。明治大学 国際日本学部。 ダマスカス大学で英文学を専攻していたが、2013年に母・妹と共にシリアを出国。 2013年10月に親戚の縁を頼り来日。 1年半の間、難民認定が下りるのを待ち続け、2014年に日本政府より正式に難民認定を受ける。自身の経験を、各地の大学で講演している。   シェフの父ナーゼム氏が、現在青山でレストランを開業予定。       ● 中野 貴行(なかの たかゆき / へむり。)   シリア支援団体 Piece of Syria代表。 平和な頃のシリアの田舎に住み、中東・欧州の10カ国のシリア難民を訪ねた唯一の日本人。 大阪生まれ大阪育ち。東京在住。 2008年-10年 シリアにて、青年海外協力隊として母子保健を広める活動に従事。 「ニュースが伝えていないシリアの人たちの姿を知りたい」と、2015年から4ヶ月以上かけて、ヨルダン、トルコ、イラク、ドイツ、スウェーデンなど10カ国でシリア難民・難民支援団体など100人以上から話を聞く。   「シリア国内の、支援がない地域での教育支援」と「シリアの今と昔を伝える平和教育」を行なうNGO「Piece of Syria」を立ち上げ、活動中。 全国の学校で講演・写真展を行ない、好評を博す。 今年4月まで日本企業のドバイ駐在員として、UAE勤務するなど、旅と海外生活合わせて5年半、43カ国。   シリアの子ども達をサポートするクラウドファンディングに挑戦中。       ● 大竹 菜緒(おおたけ なお) シリア支援団体サダーカ事務局員。1994年生まれ、神奈川県出身。   大学の授業で訪れたヨルダンで難民として避難するシリアの人たちと出会い、紛争を終わらせることの重要性を思い知るものの、その活動に関わる人が少ないことに気づく。   2016年10月から約1年間大学を休学。 世論形成や政策提言を通じてシリアの紛争終結のための行動を促すことをミッションとするシリア支援団体サダーカのメンバーとしてシリアの隣国・ヨルダンで活動。 都市部で避難生活を送るシリア人の家庭約40軒を訪問し、彼らの生活状況や母国への帰郷の想いをFacebook等で発信し、アドボカシー(政策提言)に繋げている。 シリア支援団体サダーカ事務局員。シリア和平ネットワークメンバー。アラブ・イスラーム学院でアラビア語勉強中。その他、紛争予防・平和構築を専門とするNGOでインターン中。     【プログラム(予定)】 * 日本より平和だった?シリアの「普通」の生活を知ろう * 「難民」として暮らすって?シリアの人から聞くリアル * 私たちができることってあるのかな?を考える * クロストークと質疑応答        ...