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Piece of Syria(ピースオブシリア) | PiS
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Author: PiS

      A.「すべての人が、自分らしく力を発揮できる世界であること」を目指しているからです。     私たちは、シリアの人たちを「支援の対象」とは見ていません。 尊敬すべき友人であり、学ぶことが非常に多い、圧倒的な人間力を持った人たちだと考えています。     シリアに住んだ人が体験した、親切のエピソードは数え切れないと思います。   そうしたエピソードについて、記事を寄稿させていただき、大きな反響を得ました。宿に置き忘れた腕時計が帰って来たり、重い荷物を持っていたら助けてくれたり、挙句、バスで隣に座っていた人が運賃を払ってくれていたり。遊びに行ったら、ご飯とパジャマがついてくるなんてことも珍しくありませんでした。     シリアってどんな国?ニュースでは伝えない騒乱前の平和な国のエピソード           そんなシリアの人たちに対して、国際協力という立場で行っていたものの、「助けよう」なんておこがましく、 「どうやってありがとうを表現したらいいんだ」といつも考えていたような毎日でした。     私たちが、教える立場ではなく、学ぶ側にいたという経験があるのです。   そうした経験からも、大切にしたいのは、 「シリアの人たちは能力が持っているが、それが発揮できない状況があるなら、それを取り除こう」という姿勢です。その根底にあるのは、「彼ら自身の問題は、彼ら自身で解決できる」という信頼です。     [caption id="attachment_16439" align="aligncenter" width="500"] 現地の人が動きやすくするために活動していた隊員時代[/caption]   2011年から始まった武力紛争は、彼らの力を発揮できる環境を壊してしまいました。 その中で、立ち上がっている芽吹きが、難民という立場であっても、自分が仕事が不安定であっても数年間、集めた募金をすべて現地への支援に使うという信念を持ったウサマさんというシリアの友人の行動です。   「戦争によって、子ども達を失われた世代にしてはいけない。子ども達は未来であり、教育こそが武器だ」 [caption id="attachment_16441" align="aligncenter" width="500"] 現地に足を運ぶウサマさん[/caption]   彼の信念からくる教育支援の活動を応援することで、シリア国内に希望をつむぐことが、私たちの活動です。 それは「シリアの問題はシリアの人たちが解決すべきだ」ということと、「解決できない障壁があるなら、それを取り除こう」というのが私たちの姿勢だからです。       「すべての人が、自分らしく力を発揮できる世界であること」の実現のために、今一度、皆様のお力をお借りできないでしょうか?     1日33円。 それが、子ども達一人の1ヶ月の教育につながります。   シェアだけでも嬉しいので、是非、ご協力のほど、宜しくお願い致します。         ●支援の詳細   ●支援するには    ・ネット経由→ https://pieceofsyria.thebase.in   ・振込   →ゆうちょ口座 ピースオブシリア        店名 408(ヨンゼロハチ)        普通 4328753   ※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、 お振込みの場合は下記にて、ご一報くださいますようお願い致します。  ・メッセージ、DM  ・メール(piece.of.syria@gmail.com)  ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/)   その際、リターンをご希望の際はご遠慮なく、お知らせ下さいませ。     ●現地の声   【Piece of Syriaとは】 Piece of Syriaは、「ひとかけらをひとつなぎに」をコンセプトに、シリアの平和を目指して、一人ひとりのチカラが発揮できる世界を目指して、2016年5月に設立されました。   Pieceには、一人ひとりの力を合わせて、紛争により、パズルのPieceのようにバラバラになってしまったシリアを、再びPeaceにしていきたいという想いを込めました。   一人ひとりのチカラは決して大きなものではないかもしれません。 ですが、そうした小さなチカラを紡いでいくことで、世界をよくするような大きな変化を起こせるかもしれません。   僕らは、微力ですが、無力ではありません。 一人ひとりの持てるチカラを発揮することで、平和を実現することを目指して、「Piece of Syria」は誕生しました。       【活動内容】 ① シリアを伝える活動と平和教育  写真展、講演、物販、映像、文章などを通して、今のシリアだけでなく「昔とシリアがどうだったか」を伝えます。  報道により、シリアのイメージは「危険」「戦争」「テロ」と言ったものになっており、それはあたかも昔からだと思われています。  しかし、かつてのシリアは日本よりも治安が良く、昔の日本のような「豊かさ」を持つ国でした。  現在のシリアの様子だけでなく、過去のシリアを伝えることで、平和の大切さに気づく機会を提供いたします。       ② シリア国内の教育支援 支援が届いていないシリア国内の学校を支援しています。 2010年まで97%だった就学率が、50%以下に下がっている現実を受け止めて、シリアを復興する人財である子ども達が、教育を受けていない「スキマの世代」とならないために、夢と希望が持てるように資金と物資を提供します。   シリアは元々、ほぼすべての子どもが学校に行けるほど教育水準が高い国でした。しかし、2011年に始まった騒乱により、現在、就学率は50%以下になり、場所によっては6%とさえ言われています。 シリアを復興する人財である子ども達が、教育を受けていない「スキマの世代」とならないための教育支援で、夢と希望が持てるように資金と物資を提供します。   2016年、クラウドファンディングで130万円を集め、シリア国内に住む100人の子ども達へ教育を届けました。2017年前半も、その成果についての報告会や物販の収益やご寄付を、シリア北部にある100人の子どもが通う幼稚園への緊急支援も追加で行ないました。 現在、シリア国内の、支援の届かない地域にある、100人の子ども達が通う幼稚園と、100人の障がい児が通う学校が、厳しいシリアの冬を超えて教育を続けるための支援のためのクラウドファンディングを実施中です。どうか、応援を宜しくお願い致します。         ...

  アッサラームアライクム! Piece of Syriaの中野貴行です。   私たちにできることは、きっとある。 そんな思いを込めて、動画を作りました。 5分間。 僕らが世界を変えるかもしれない、5分間です。   ご支援に興味を持ってくださったら、是非こちらまで!↓       [wpcdt-countdown id="16375"]   ...

  Q. 私たちが支援している学校ってどんなところ?     A. 他の組織から支援を受けていない、シリア北部にある幼稚園・学校・障がい児学校です。 国内で活動を行なう [A Little Help is Enough] が支援する学校になります。大きく分けて4つあります。   ※[A Little Help is Enough] は、Piece of Syriaと協力関係にあるNGOです。  詳細は本文の最後の方で。     ① 幼稚園   3〜7歳が通う。100人規模。3クラス。 スタッフは8人。   シリア国内に国連などが支援に入ってきてはいるが、 対象は小中高のみで、幼稚園は入っていない。 そのため、この園には、どこからもお金が全く入ってきていない状況で、 先生達の給料が支払われていないため、それが急務。   先生達も家族がいるため、給料が支払われないのであれば、 先生という職を辞して、稼げる他の仕事や海外に行く可能性がある。   先生がいなくなれば、園を閉じる事態になってしまうが、 一度、閉鎖してしまえば、再開するのが難しいとのこと。     2013年からアレッポ内にある幼稚園を支援していたが、戦火を避けるために避難し、 2017年からアレッポ郊外の場所を移して、運営を続けている。   先生の給料、授業や心のケアのための教材・筆記用具、氷点下を下回る寒さのためのストーブや防寒具への支援が必要。       ② アレッポ郊外の学校   6〜15歳が通う。3つの洞窟内の学校と1つの学校。各300人規模。全部で15クラス。 洞窟内にあるのは、空爆の被害を避けるためで、安全のために外から見えない場所に。 スタッフは40人。   夏は暑さ、冬は寒さが厳しいが、安全を最優先している。 他のところからの支援がある。   現在、洞窟の学校3つのうち一つは授業を中断している。 (武力紛争の悪化のため)       ③ 障がい児の学校   6〜15歳の障がいを持った子ども達が通う学校。75〜100人規模。3クラス。 スタッフは6人。   新たに始めた事業で、どこからも支援がなく、厳しい状況。 寒さ対策と先生の給料への支援が必要。       ④ イドリブ郊外の学校   6〜15歳が通う。400人規模の学校2校。合わせて10クラス。 スタッフ16人。   イドリブ県の武力紛争が激しくなっているため、現在こちらの学校はストップしている。 県内の1000校もの学校が運営を停止していると言う。       現在、私たちはクラウドファンディングを行なっており、 ① 幼稚園、③障がい児の学校へ優先して、支援をいたします。   (④は運営が止まっていて、②は他の団体からの支援があるため。  余裕分ができれば、②へも支援を行なう予定にしています)     http://piece-of-syria.org/whatyoudo/fundforwinter/     中東といえば「砂漠」=「暑い」というイメージを持たれる方は多いですが、 シリアは四季があり、冬は氷点下を下回り、 路面が凍結したり、雪が降ることもあります。   そうした寒さ対策の支援なしでは、学校・幼稚園で授業を受けることは難しいです。   [caption id="attachment_16408" align="aligncenter" width="225"] 冬は氷点下まで下がるシリアの冬[/caption]     また先生達に給料が支払われておらず、A Little Help Is Enoughからの、 先生へのわずかな報酬(かつての給料の1/10程度)が頼りになっています。   先ほども書きましたが、先生達も家族がいるので、 このままでは家族の生活のために、先生を辞して、別の仕事か海外に行く可能性があります。 そうなると幼稚園は閉鎖し、再び開けるのが難しくなるそうです。   なんとか、この閉鎖を避けるため、迅速な支援が必要とされています。   「今すぐにでも!」という火急の知らせがあるので、 今月末に集まった分を、先立って現地に送ります!!   すでにご支援の連絡をいただいております皆様、 本当にありがとうございます!!!   是非、ご一緒に世界の未来を創る活動をしていきましょう!     ● A Little Help Is Enough   シリア国内の教育支援を行なうNGO。   トルコ在住のシリア人のUsama Ajjanが、2012年から日本人など海外の友人から寄付を募って始める。   ウサマ氏は、元英語教師で、アレッポ大学 英語学科卒業。在学中、日本語を学ぶ。卒業後、小中高それぞれの学校で英語教師として働く。シリアの騒乱が起こった後もシリアに残り、教師を続けていたが、誘拐事件に遭ったことを機にシリア国外から教育支援を行なうと決意し、トルコへ避難。自身の生活費を削っても、学校への支援を絶やさないウサマ氏の姿勢を見て、2016年より、Piece of Syriaとして協力することを決める。       ...

アッサラームアライクム! Piece of Syriaの小林です。 今日は嬉しいことがあったので少しだけ! つい先日、6月にへむりさんとトルコに行った時にお世話になったあるシリア人から連絡がきました。 帰国後に少しやりとりしてから、私から連絡はしていなかったので、元気なことが分かっただけでも嬉しかったのです。 が、彼は私から連絡がないから心配で。 そして、8月に大阪でピースオブシリアの報告会(アラサー女子。未経験からのシリア支援〜私ができたこと、皆とできること〜)があったのですが、 そのためにへむりさんがつくってくれた予告movieを見つけたみたいで「日本語は分からないけどあれは感動したよ!」と。 近況を伝えあい、 彼はトルコでシリア難民のサポートをする団体で変わらず働いていて、彼の家族もシリア国内で元気にしていると。   トルコで私は彼と 初めまして で出会って、一緒に過ごした時間は本当に短かかったので 私の名前なんて覚えてくれてるかなと思ってたぐらいなのに… そんなこと覚えてるの?!というくらいに事細かに想い出話しをしてくれて本当に嬉しかったです。 ささいな事かもしれないけど、 別に彼がシリア人だからって訳じゃないかもしれないけど、 出会いを大切にしてくれているこの優しさに、笑顔とほんわかしたものと幸せをもらいました(^^) 人との繋がりって過ごした時間の長さじゃないんだな! これからもこうやって彼ら彼女たちと繋がっていければ良いなと心から思います。 早くみんなに逢いに行けますように!   近々、ピースオブシリアでシリア国内の学校に通う子どもたちのためのクラウドファンディングを行う予定です。 詳細が決まり次第、お知らせさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します!...

アッサラームアライクム!Piece of Syriaのへむりです。   先日、JICA四国で行われたJICAボランティア秋募集の国際理解イベントにて、Piece of Syriaの写真を展示して頂きました。   「来場者112名で、関係者を含むと130名くらいの方とシリアについての時間を共有できました」 「多くの方が見入っており、関心の高さを垣間見ることができました」 と、ご報告いただきました。   「戦争」「難民」「テロ」といった非日常ばかりがどうしても、メディアでは伝わりがちですので、 それとは別の「生活」や「家族」といった「日常」の側面をお伝えする機会になって、 世界の見え方が変わる機会をご提供できていたのなら、嬉しく思います。     http://piece-of-syria.org/2017/09/06/meet/       また、先立って、JICA四国でも展示を行なっていただきました。   [caption id="attachment_16331" align="alignnone" width="379"] 高知県立図書館ブログ 2017-09-19「展示のお知らせ」[/caption]     これを見た記者の方に、新聞にも掲載していただきました。 [caption id="attachment_16330" align="alignnone" width="300"] 2017年9月20日 高知新聞[/caption]   先日、始めるとお伝えしましたクラウドファンディングも準備しております。近日中にスタートいたしますので、少々お待ちください!   http://piece-of-syria.org/2017/09/30/newproject-2/   もうすぐやってくる厳しいシリアの冬。 その中でも、子ども達が笑顔で通える学校を、幼稚園をサポートします。     僕たちができることは、きっとある。 僕らは、微力だけど、無力じゃないから。     ...

アッサラームアライクム! Piece of Syriaのへむりです。   日本も涼しくなってきたと聞きました。 UAEも「昼間は5分も歩けない!」という暑さと湿気が落ち着き、昼間でも10分は歩ける程度になりました。 まだ夜に窓を開けれる余裕はありませんが。     シリアの夏も非常に暑かったですが、日陰や夜は涼しく、生活するのには快適でした。   一方、冬は寒くて0度近くまで下がり、道が凍結してバスが出なくなることもありました。   夏向けに家が作られているので、家の中でも冬は寒いです。   シリアの冬の、身体の芯まで冷え込む寒さは、 「中東=暑い」というイメージのままでは想像しにくいかもしれませんが、 僕は家の中で息が白くなるほどの寒さで、電気ストーブの前を動けないほどでした。   でも時々停電しますので、その時はひたすら毛布にくるまるのみです。   [caption id="attachment_16316" align="alignnone" width="800"] トルコの雪景色。最近のシリアはここまで雪が降っていないそうです。[/caption]   そんな寒さから逃れるために、僕がとった方法は、シリア人の家に逃げ込むことでした。 灯油ストーブがある場所に一家が勢ぞろいして暖をとり、僕は身も心もあったまりました。       シリアにまもなく寒い冬がやってきます。   Piece of Syriaでは、 子ども達が寒さで勉強ができなくなったり、 学校に来なくなったりしないための越冬支援の準備をしています。 是非皆様と協力して、子ども達の笑顔を守っていければ!と思っています。     私たちは支援が届かない場所への教育支援を活動の柱としています。   今回も、他の組織からは支援が届いていない学校・幼稚園向けに、心のケアのための絵や運動の授業、無給で働く先生達へのサポートも含めて行なっていきます。   このクラウドファンディングは、10月をめどに始めます。しばし準備のお時間をいただき、皆様と一緒に創っていければと思います。   お金の使い道や、スタートの日時、リターンなどについては近日中にお伝えいたしますので、少々お待ちくださいませ!   また、広報やイベント企画など、関わりたい!と言う方は、是非、お声かけくださいませ!!     [caption id="attachment_16318" align="alignnone" width="800"] 前回のご支援者ご提供の写真より、前回のリターンです。今回は…?[/caption]      ...

アッサラームアライクム! Piece of Syriaのへむりです     先日、スタッフの武田と、現地協力者のウサマさんとSkype会議を行ないまして、現地の情報を聞きました。     彼の支援している場所の状況を聞くと、 特に状況が過酷なのが幼稚園のようで、 他のどこの団体からも支援がありません。     今まではなんとか、 ウサマさんの人脈の中で支援を募ったり、 僕たちが報告会の収益やあずかった募金などでつないでいましたが、 このままでは幼稚園が継続できなくなります。     私たちPiece of Syriaとして、 この幼稚園の、メンタルケアの授業や、 厳しい冬を乗り越える越冬支援のために、 クラウドファンディングを実施することに決めました。     私たち一人ひとりが1日33円を届けることで、 子ども達が笑顔になる、未来に希望が持てる活動になるように!   そして、ご支援くださった方にその実感を持っていただけるような、 かつワクワクするリターンもあるような形にしたい!   …と今、考えております。     実施開始の日程が決まり次第、皆様にお伝えしますので、少々お待ちくださいませ。     また、広報活動やイベント企画など、 国内で一緒に動きたい!という方もご連絡をもらえたら嬉しいです!     http://piece-of-syria.org/contact/         ...

今回でラスト!「高校以上の学校の様子」についてをお届けします!   (1)子ども達の夢と学校の様子 (2)シリアの歴史と識字教室 (3)学校で何を学んでいるのか ——————————————————————————— 次女アーイシャ。16 歳。丸い顔にパッチリとした目の、童顔の美人だ。 中学校を卒業したあと、学校に行かずに家で家事の手伝いばかりをしていた。     [caption id="attachment_16294" align="alignnone" width="300"] 女の子は家の手伝いをする[/caption]       どうして高校に行かないのかが気になっていたが、それは聞いて良い質問なのかを計りかねて、 最近まで理由がわからなかった。     シリアの学校のシステムは日本と似ている。 小学校6年、中学校3 年、高校3 年、そして大学4年(医学部は6 年)。 中学から高校に上がるためには試験を受けなくてはならない。     高い点数を取れば理系・文系の高校へ、良くなければ商業高校、 工業高校、農業高校に進学する。 点数が足りずに進学できない場合もあるそうだ。シリアの商・工・農業高校は数も人気もないらしく、そうした学校に行かずに大学受験に挑むという人もかなり居るようである。     アーイシャもまた、点数が足りなくて理系・文系の学校に届かなかったために高校に行かないことを選択したのだ。 「勉強は好きよ」と言い、自宅の空き室を先生に貸して開かれている塾で、アラビア語と英語を学んでいる。         [caption id="attachment_16298" align="alignnone" width="300"] 村の塾[/caption]     高校には行かず、2 年間首都で働き、17 歳から受験勉強を始めた少年にも会った。 学習塾で働きながら勉強に励む彼は、「高卒じゃなくたって、大学には行けるんだ。僕はイスラム法学を学びたい」と語ってくれた。     その塾でアラビア語を教えているアフマド先生は、 「僕は商業高校に行ってたんだけど、それじゃ満足できなくなって猛勉強して、文系の高校に編入したんだ」 と言って僕を驚かせた。     「今は塾に行かないと大学に入るのは難しいね」と、アフマド先生は言う。 「昔と比べて学校の数は増えているけれど、国立大学の数は変わらないからね。競争が厳しくなって、そうだな、90%くらいの学生が塾に行ってるんじゃないか?」 おそらく、その数字は眉唾ものだが、「昔より難しくなった」という声はよく聞く。   (ちなみにアフマド先生は、村の高校で教鞭をとっていたのを急に辞め、村に文房具屋さんを開いてオーナーになり、かつマンベジ市の塾の経営者 兼 講師になっていた。村でも塾を開いている)       [caption id="attachment_16299" align="alignnone" width="300"] 町の中にある塾[/caption]     その大学受験は、バッカーローリエと言われる試験が全てである (紛らわしいことに「高校三年生」のこともバッカーローリエと呼ぶ)。   いわばセンター試験のようなものだが、シリアには二次試験はない。 このテストの点数を基に、大学と学部を決める。たとえば、医学部に行きたいと志願していても、テストの点数が足らなければ工学部を選ばざるを得なくなる。     家の近いアレッポ大学でアラビア語を専攻したいと思っても、点数が足りなければラタキア大学を選ぶことになるかもしれない。 各大学の各学部で足切り点が決まっているのだ。 その一覧が書かれたシートを見ながら、自分の入りたい、入れる大学と学部を選択するのである。         [caption id="attachment_16300" align="alignnone" width="300"] アレッポ大学で開かれた日本フェスティバル[/caption]     ある英語教師に言わせれば、これは「優秀な人材を出さないためのシステム」だ。 合計点で学部が決まるので、どの教科もまんべんなく点数を取らないといけない。 だから、英語が得意であっても、他教科で足を引っ張れば、英語に関わる学部に進めなくなる。 各人が得意なものを伸ばせないのである。 なまじ優秀な人材が出てきたら政府が困るから、というのが彼の弁。     「そして、どこのアラブの国でもやっているんだよ」と嘆いていた。 そして、彼は流暢な英語で夢を語ってくれた。     「今は学校と塾で英語を教えている。そうすることで子ども達にチャンスを増やしたいからだ。 英語は国際言語だからね。これができれば世界が広がる。 だが、いつかそれを辞めて翻訳の仕事をしたいと思ってるんだ。 様々な本は英語で書かれている。それを訳して、多くの知識を伝えたいんだ。」       [caption id="attachment_16296" align="alignnone" width="300"] アラビア語の本が並ぶ駅を改装した本屋さん[/caption]     大学受験の話に戻ろう。 バッカーローリエは2 回しかチャンスが無い。それでダメなら大学を諦めるしかない。 どうしても大学に行きたければ、私立の大学か外国で学ぶ方法があるけれど、国立大学と比べて圧倒的に授業料が高い。   短大という選択もある。長女ファルドスは、マンベジから1時間、村からだと計2 時間はかかるであろうアレッポ市の短期大学で美術を学ぶ。 アレッポ市にある親戚の家に居候しているが、週末には家族が恋しくて実家に帰ってくる。   短大は2 年間で、「卒業したら、 村の学校で美術を教えるつもりよ」と話してくれた。     医学部・薬学部に入るのはとりわけ難しい(正答率95%くらいが足切り点になる)。 よって多くの医師・薬剤師がロシア・ウ クライナ・ルーマニアなどの旧共産圏の大学で学んでいる。 百万円単位のお金はかかるので、誰でもと言うわけには行かないが、シリアでは医師も薬剤師も非常に儲かる職業なので、海外留学させてでも行けばリターンがある。       マンベジの薬局の “オーナー”のほとんどは留学で学位をとった人だ。 あえて“オーナー”と言ったのは、薬剤師は名前だけ置いておいて、 店番に空き時間のある公務員(先生・役場職員)を雇っていることが多いからである。   [caption id="attachment_16295" align="alignnone" width="300"] 薬局。薬は自国で生産されていて、低価格。[/caption]       そんな薬局で働く学校の先生と話した。 僕が「先生になりたいって子どもが多いなって思ったんだけど、それはどうして?」 と尋ねたら、  「教えるという仕事は人の役に立つ仕事さ。みんな、教えたいんだ。イスラムの教えに喜捨(ザカート)ってあるだろう?  貧しい人に、お金を渡すムスリムの義務だ。知識だってそうさ。あるものが無いものに渡す。これも立派なムスリムの仕事なんだよ」 と教えてくれた。    「知識が仕事や発展につながっていく。健康にもつながる。学んだことを伝えることで、人を幸せに出来る。  だから僕も誇りを持って仕事をしてるんだ。」              夢とは何だろう。 ある日、僕は思った。 希望を持たないというのは、絶望しないための生きる知恵ではないかって。 夢を持てば、叶えられない現実に絶望するのではないかって。     かつてフィリピンに行ったときも、シリアで暮らしながら日本のことを話す時も、 日本の話をするのは格差を見せ付ける行為なんじゃないかって、不安だった。   今も、何が正解かなんて解らない。でも、ブトゥーレに届いた気持ちが嬉しかった。 「夢の無い人生なんて、ないものと一緒よ」と、夢を語ってくれた。   叶わないから夢なんかじゃない。 叶えるために夢がある。 そして夢の実現はゴールではなく、新しい夢へのスタートラインだ。   夢を叶えたことが自信につながり、また新しい夢を持つ。 大きな夢を描く。 僕も夢を描こう。子ども達が夢を叶えられる世界になるように、と。     2009年9月に、「TAKAのシリア通信」として書いた文章より抜粋。...

    前回の「シリアの歴史と識字教室」の続きを掲載させて頂きます。 ((1)は「子ども達の夢と学校の様子」でした。)   http://piece-of-syria.org/2017/09/13/oldsyriavillage-2/   ——————————————————————————— 僕の一番の話し相手が、三女のブトゥーレ。 冒頭の夢を語ってくれた少女だ。中学生だが、賢さも人当たりの好さも群を抜いている。   彼女の言葉をベースに作った動画         「私ね、小学校1 年生の授業は受けてないの」と言う。 いぶかしげな顔で僕は尋ねる。 「どうしてさ?」   「飛び級よ。小学校1 年生でやる内容のことはもうクリアしてるって言われて、いきなり2 年生よ」 「そんなのがあるんだ」 「あれ?日本は無いの?」 「うーん、無いなぁ・・・・・ところで、ブトゥーレは学校が好き?」 「うん、好きよ。勉強するのが好き。学ぶのって素晴らしいことだと思う」 「うん、そうだね」と、僕は頷く。         「学校ではどんな授業があるの?」 「まず、アラビア語でしょ。英語に、数学。理科は生物・化学・自然科学、社会は歴史・ 地理・哲学があるわね。 フランス語もあるけど、先生が居ない学校もあるみたい」 「そっか、第一次世界大戦後にフランスに 占領されてた影響だね。他には?」 「宗教の授業があるわ。私はその先生のことが嫌いだけど(笑)。厳しすぎると言うか、優しくないのよね。みんな苦手だって言ってるわ」 「へー、宗教!どんなことを習うの?」 「お祈りの仕方だとか、イスラム教徒と してやるべきこととか、道徳を学ぶわね」 「僕が学生のとき、『道徳』って授業はあったけど、それと似てるのかな」   「あと、愛国心の授業があるわ」 「何それ?」 「民主主義とか、自由・社会主義とか、バース党のこととかを学ぶの」 「美術とか体育とかは?」 「あるわよ、もちろん。あ、通知表、見る?」 「うん」と僕が頷くと、部屋の引き出しから小学校から今までの通知表を見せてくれた。 10 段階評価で、ほとんどが9か10だ。     [caption id="attachment_16277" align="alignnone" width="300"] 通知表[/caption]       「宿題をしなくちゃ」とテキストを絨毯の上に広げる。 子どもの数が多いせいだろう、シリア人の家で、子ども用の学習机を見たことはまだ無い。 英語のテキストを開き、それを丸暗記していく。 あまりにも気になる間違った発音にだけ、僕も少しだけ指摘を入れながら、その様子を見つめる。       絨毯の上にある他の教科のテキストに手を伸ばし、ペラペラとめくると、保健センターのサービスの紹介や、怪我の処置や健康に関する情報が載っていた。 「それは理科よ」とブトゥーレが顔を上げてニコリとした。 教科書には、写真がほとんどなく、図か絵が載っている。 まさかイスラム教の「偶像崇拝禁止」と関係するとは思わないが・・・。       [caption id="attachment_16278" align="alignnone" width="300"] 衛生テレビでチャンネルは500ch以上あった[/caption]       宿題が一段落したのを見計らって、「学校ではどんなことを話してるの?」と聞いた。 「うーん、普通のこと。テレビの話とか、 歌手の話とか」 「男の子とも話すの?」 「ダメダメ。教室内でも、授業に関する必要なことしか話さないし、道で会っても挨拶もしちゃだめよ」 「先生とはどう?」 「性別に関係なく、授業以外では先生とはあんまり話さないかな。もちろん勉強に関する質問なんかはするけど、雑談ってことはしないわね」       「放課後に、女友達の家に遊びに行ったりは?」 「できないわね。私達の地域の習慣で、そういうのはダメなのよ。大人でも自由じゃないわ。 ・・・・・いいな、日本の女の子って。世界に行ったりできるんだもんね」 言葉をなくした僕に、ブトゥーレが微笑んで、「この前ね、アフマド先生が私たち生徒を湖に連れて行ってくれた の!学校の友達と一緒に遠足よ。楽しかったわ!」と言って、父親の携帯で撮った写真を見せてくれた。   (続く) --------------------------------------------------------- 次回は、「高校以上の学校の様子」についてをお届けします!     http://piece-of-syria.org/2017/09/22/oldsyriavillage-4/  ...

アッサラームアライクム! Piece of Syriaの小林です。 お久しぶりです! 避暑地・長野から大阪に戻ってきましたが、最近は大阪も涼しいと感じる日が増えましたね(^^)   私は、この9月から職場が変わり新しい環境で働いています。 といっても、派遣なのには変わりないですが。 初めましての職場に行くと、自己紹介がてら自分のことを話す機会が多くなります。 海外が好きなことや今やっているPiece of Syriaの活動のことなどを話すと必ずシリアの話しになります。 みなさんにシリアのイメージを聞くと、やっぱりニュースで見聞きしている内紛・戦争・テロ・IS・怖い・危ないといったようなことが真っ先にでてきますね。 私も実際には昔のシリアには行ったことがないし、以前は全く知らなかったので、へむりさんに出会って色々な話しを聞くまでは同じようなイメージを持っていました。 そこで、昔は日本よりも治安が良かったとか私がトルコで出会ったシリア人のことを話すと、みんなすごく驚いていて ずっと戦争をしていた国じゃないんだね。 勝手に中東の人たちって怖い人たちと思ってたけど言われてみればそんな訳ないよね。 シリア人に会ってみたいな。と。 パートで働いているあるお母さんにも話すと、娘さんが青年海外協力隊とか海外に関心があって、私のことを話したら興味津々で今度娘さんとお茶することになりました! (私は協力隊には行っていないですが…)   普段ニュースで見聞きしている情報しかないと負のイメージが強くなってしまうけど、 こうやって少しずつでも昔のシリアやシリア人のことを伝えて、 知ってもらう人たちが増えると何か変わっていくのかな、変われば良いなと心から思います。 世界を変えるのは、いつも誰か「ひとり」の小さな一歩から。...