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Piece of Syria(ピースオブシリア) | トルコ便り⑦【シリア人のID ~市民権と欧州の難民~】
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トルコ便り⑦【シリア人のID ~市民権と欧州の難民~】

トルコ便り⑦【シリア人のID ~市民権と欧州の難民~】

 

アッサラームアライクム。Piece of Syriaのへむりです。

● トルコの市民権を得る
● 中東の「難民」、欧州の「難民」

についてお伝えさせていただきます。

 

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トルコの市民権を得るメリット
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トルコ便り⑤でお伝えしましたが、トルコに住むシリア人のステータスは、
「来たばかりの人」、「Kimlik(外国人登録)」、「市民権」の3種類です。

 

 

市民権を取得するには、

・トルコに5年住み続けていること
・トルコ語が話せること、
・トルコにとって品行方正であること
・学歴や技術を持っていること

等、条件があります。

 

しかし、話を聞いていると、その条件がピッタリ当てはまる人でなくても市民権を得ていたり、
逆に取れていない人もいる、とのことです。

 

Kimlikがあれば、教育や医療を受けることができますが、移動の自由がありません。(参照)トルコ便り⑤

 

Kimlikを登録した県以外への引っ越しどころか、移動さえ難しく、
移民局の許可がなければ、県外に出られず、許可もなかなかおりないため、
仕事探しや家族に会いに、隣の町にいくことができない、という話をよく聞きます。
(日本で県外に出られない、という制約を想像してもらえたら、その大変さがイメージできそうです)

 


<僕らにとっては非常に便利なトルコのバス事情だが…>

 

トルコの市民権を得た場合、トルコのパスポートを取得することができ、
トルコ国内だけなく、日本をはじめ海外に行くこともできます。
家を購入することもできます。

 

トルコの与党は、シリア人に対して、無理に追い出すような政策をしていませんが、
野党はその反対の姿勢になるので、当然、シリア人を追い出すような対案を持っています。

「いつか選挙で与党が負けた際には、急にシリアに退去強制させられるかもしれない」

そんな不安もある中、トルコの市民権の取得は、
トルコに住む家族の仕送りに頼っている家族にとっても、
シリアに帰ったら徴兵制で戦前に送られるかもしれないと不安を感じている若者にとっても、
自分と家族の安定と安全を守ってくれるものなのです。

 

ただし、それが認められたケースは非常に限られています。
(聞いた話だと3万7000人。多そうだがトルコに住むシリア人全体の1%)

 

 

トルコ便り⑤【シリア人のID ~kimlikと難民キャンプ~】

 

 

 

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中東の「難民」欧州の「難民」
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「難民」といえば、難民キャンプに生活しているイメージをお持ちかもしれませんが、
実際には数%程度で、ほとんどが家賃を払って、都市で生活をしています。

そして「難民キャンプ」と名前がついていますが、
そこに住んでいる人たちは、実際には「難民(Refugee)」というステータスではありません。

「Asylum Seeker」(亡命希望者)というステータスです。

言い換えると、「難民になりたい」ということで、「難民」にはなっていません。

 


<イラクの難民キャンプ>

 

 

「難民申請」「難民認定」という言葉があるように、
申請し、認定されないと難民にはなれないからです。

シリアから国外に避難する際、周辺国のトルコ、ヨルダン、イラク、レバノンに向かうことが多いです。

しかし、それらの国では「難民」となれず、
ドイツやスウェーデン、カナダやアメリカなどで「難民」を目指すわけです。

 

例えば、僕が2016年にスウェーデンに訪れた際に教えてもらった例で言いますと、
難民申請から認定まで2年ほどかかりますが、
その間、語学訓練が実施され、授業に行けば生活費が支給され、家も個室(相部屋の場合も)でした。

難民認定後、5年以上定住し、安定した就労していることが認められると、国籍を得ることもできるそうです。

 




<スウェーデンの難民キャンプと語学学校>

 

シリア周辺国はまだ途上国で、ここまでの保障ができかねます。
制度が変わることも珍しくなく、いつ追い出されるかもわかりません。
就労そのものが認められていなかったり、仕事がなかったりします。

周辺国のシリア人は仕事がなくなれば「ゆっくり死んでいく」と表現している人さえいました。

トルコを除けば、国籍の付与も少ないため、特に子ども達の将来を考えて、不安だと言います。

子どもは、今住んでいる国しか知らないが、その国の国籍もないままで、その国の教育しか受けておらず、
いつしか実際の故郷にも、縁がない状態になってしまうからです。

将来への保障が感じられる「難民」と、
特に子ども達が不安定な立場になる不安が大きい「難民希望者」。

 

 

「ゆっくり死んでいくくらいなら」と、命をかけて死のリスクを負って
ヨーロッパに密航する人たちがいたのです。

そして、家族を呼び寄せて、子ども達への未来を紡ぐために。

 


<トルコから見えるほどの距離にあるギリシャのレスボス島。かつては難民が殺到していた>

 


 

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シリア人は難民になりたかったのか?
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シリアの人たちは、シリアという国が大好きです。

難民や難民希望者として受け入れている国への感謝をしつつも、
「シリアの方が豊かだったし、いい国だよな」という声ばかりです。

ヨーロッパに渡ったシリア人でさえ、その調子です。
(もちろん、そこに、三丁目の夕日的な「昔は良かった」という美化されたノスタルジーがあると思いますが)

離れ離れで暮らす家族、戻れない故郷は、いつも彼らに影を落としているように感じます。

 

いつか、シリアに戻れる日を。家族が集まれる日を。

僕らができることは限られていますが、
できることを、ひとつでも積み重ねられたらと思っています。

 

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【トルコ便り】
①【シリアはどうなるのか?】● トルコに残る人たち  ● シリアの今
②【トルコに住むシリア人の声】● 閉じ始めた難民キャンプ ● シリア人とトルコ人の中で起きた衝突
③【シリアからトルコへ。トルコからシリアへ】● 難民は負担なのか? ● トルコから去りたいシリアの人たち
④【移動ができない、という日常】● トルコのバス事情 ● シリアの中のトルコとクルド
⑤【シリア人のIDと医療と教育】● トルコに住むシリア人のID      ● 医療と教育事情

 

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