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Piece of Syria(ピースオブシリア) | イベントレポート「戦争の起こる少し前〜シリアで何が起こったか〜」
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イベントレポート「戦争の起こる少し前〜シリアで何が起こったか〜」

イベントレポート「戦争の起こる少し前〜シリアで何が起こったか〜」

 

アッサラームアライクム!Piece of Syriaの中野です。
東南アジアから、数日間の日本を経て、現在トルコ駐在に戻りました。

 

日本にいる間に行ないました、報告会+講演会「戦争の起こる少し前~シリアで何が起こったか~」についてレポートを書かせていただきます。

 

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 「今と昔のシリア」を知れる貴重な機会
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「シリアについて知らなかったので、本当に驚きました!」

 

僕たちの報告会は、いつも「初めまして」の方がたくさん来てくださいます。

 

そのため、本を読めば出てくるような、難しいお話はできるだけ少なくして、
シリアを身近に感じていただく体験談を中心に、「もっと知りたい!」と思っていただけることを目標にしています。

 

 

<イメージとは違う平和だったシリアの日常>

 

また、「戦争があったからシリアに関わった」方が非常に多い中で、
戦争が起こる前の「平和な日常」についての話は、ほとんど出てきません。

 

 

アラビア語で会話し、現地の人たちの家で、同じものを食べていた経験はたった2年ではありますが、
「貴重な経験」と言って頂いており、僭越ながら、お伝えをしています。

 

 

支援の現地に来ると、素晴らしい活動をされているシリア支援の団体がたくさんあります。
そこから漏れてしまっているところをするのが、僕たちの役割だと思っています。

 

 

その役割として行なっているのが、教育支援です。
内容については、こちらに詳しく書かせて頂いていますので是非、ご一読頂ければ幸いです。

 

【Piece of Syria報告会】でお伝えしたこと(2018年12月)

 

 

 

 

 

 

「”今と昔のシリア”を知れる貴重な機会ですね!」
「シリアについて知らなかったので、本当に驚きました!」とのご感想を、今回のイベントでもたくさん頂きました。

 

 

そして、今回のイベントの後半は、
シリアの戦争が起こる少し前について、日本在住シリア人ハルドゥーンさんの講演をしてもらいました。

 

 

<普段は同志社大学院で神学を学ぶハルドゥーンさん>

 

 

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 戦争の起こる少し前に動いた人たちの存在
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平和だった頃のシリアに、少しずつ忍び寄って来たのは、
「不信仰者」という言葉を使って、扇動する湾岸諸国の宗教指導者(シェイフ)でした。

 

湾岸諸国のシェイフは、衛星テレビを通じ、「こんな人たちは不信仰者だ。殺していい。戦争をすべきだ」と訴え、
それは湾岸諸国で「学んだ」シェイフにも届き、シリア国内のモスクでもその「思想」が広がっていったそうです。

 

<ハルドゥーンさんの資料より。元は下記のYoutubeの動画です>

 

 

 

 

シリアで起こった「攻撃的なデモ」(デモ隊より警官などの犠牲の方が多い)の裏には、
こうした過激な考え方という土台が作られていた、という背景もあったと指摘していました。

 

 

シリアをめぐる戦争については、本当に複雑です。
その中で、「お金の流れ」を見るというのは、状況を把握するのにとても重要な指標だとハルドゥーンさんは言います。

 

 

 

<かつてシリアは様々な宗派・宗教が対立なく受け入れられていたと言われています>

 

 

 

当日にハルドゥーンさんが説明して下さったことをここでまとめるのは非常に難しいので、ハルドゥーンさんがその日、紹介してくれた本をここに挙げさせて頂きます。

 

・国枝 昌樹 『テレビ・新聞が決して報道しないシリアの真実』

・青山 弘之『 シリア情勢――終わらない人道危機 』

・青山弘之ほか『「アラブの心臓」に何が起きているのか――現代中東の実像』

 

 

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 そもそもなぜ、シリアで戦争が起こったのか
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シリアで戦争が起こった理由につきましては、
私たちは「分からない」と言わざるを得ないのが本音です。

 

 

(Piece of Syriaは、団体として、政府支持や反政府支持など、
政治的な主張を訴える活動を主にしておらず、
あくまで中立的な立場で活動するように心がけております)

 

 

「改善を訴えたシリア民衆の平和的なデモに対し、シリア政府が無慈悲な攻撃を加えた」という話だけでなく、
「シリアの政府転覆運動のため、欧米が働きかけてデモを組織した」という話もあるからです。

(後者については、アブドルバーリ・アトワーン 著『イスラーム国』前述の国枝さんの著書に記述されています)

 

わたくし中野個人としては、難民となったシリアの人たちを訪ねて、
ヨルダン、トルコ、イラク、レバノン、ギリシャ、イタリア、ドイツ、スウェーデンなどで、
様々な立場のシリア人や、シリア支援団体の人たちから、様々な意見を聞く機会に恵まれました。
駐在を含めると、計8ヶ月ほどの期間になります。

また、日本でも、NGO関係者やジャーナリストや専門家の人たちからの話を聞いたり、著書を読んだりしています。

その上で「分からない」ということをお伝えしています。

 

シリアの人たちから話を聞くたび、一人ひとり全く違う理由で難民となり、移民となり、シリアに残っており、異なるシリアについての意見を持っていたからです。

 

<一人ひとり全く違う理由で難民となり、移民となり、シリアについての意見を持っていた>

 

 

今回のご感想の中に「民主化運動が戦争を引き起こしたとお考えですか?」とのご質問をいただきました。

しかし、「ひとつの事象が戦争を起こしたわけではない」と考えていると同時に、
「何かを悪者にして、それさえなければ問題が起こらなかった」と考えることは、危険ではないだろうか、と私たちは考えています。

 

 

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 シリアの戦争と日本は「遠い世界」なのか
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「戦争は宗教が理由だった?それなら日本とは関係なさそうだ」
といった旨の感想もいただきました。

 

ハルドゥーンさんの講演の趣旨はそのつもりではなかったと思うのですが、
大切なのは「何を伝えたかったのか」ではなく、「何が伝わったのか」です。

 

ファシリテーター役としての反省を込めて、ハルドゥーンさんに代わりまして、
この点を掘り下げてお伝えさせて頂きます。

 

 

 

ハルドゥーンさんの主張は「宗教によって戦争が起こった」というお話ではなく、
宗教という[求心力]が、戦争に利用されてしまったということと、
そういった[強い主張]に、疑問を持てる「教育」の重要性を訴えていたように思います。

 

それは、かつてのルワンダで起こったような、普通の隣人たちが
不寛容に相手への攻撃を仕掛ける正当性に、扇動されて憎しみ合い、殺し合いに発展してしまったのと、
僕は共通点を感じました。

 

 

歴史を鑑みると、戦争は「正義」を理由に、あるいは「平和」を理由に起こされています。

きっとそれは「日本は関係ない」というものではなく、
異文化への不寛容や、善悪を分ける強い主張の中で、今の日本社会に侵食しているように感じています。

 

シリアの場合、利用されたのが「宗教」でしたが、人を扇動するものは他にもあります。
「経済」「恐怖」「不安」「成功」など様々な感情が利用される可能性があります。
一見すると、それは「常識的」で「論理的」で、「納得がいく」、「仕方がない」と思う形をしています。

 

 

<シリアで私たちがサポートしている学校でも「考える」ことを大切にしています>

 

 

 

教育の目的は、一方的に「常識」や「正しさ」を教えるのではなく、
多様な考え方を知り、視野を広げ、「考える」ことだと思います。

 

 

僕たちの講演もまた、「シリアでなぜ戦争が起きたのか」という”意見”を伝えることが目的ではなく、
一般的な「常識」とは違った”視点”の情報をお伝えすることで
僭越ながら、「考える」きっかけをご提供できれば、という想いです。

 

 

今後とも、イベントをしていきますので、是非ご参加のほど、宜しくお願い致します。

また、あなたの住む場所での報告会をしてほしいとのご希望や、講演のご依頼がありましたら、是非ご連絡くださいませ。

(余談にはなりますが、元在シリア日本大使である國枝昌樹氏がシリアについて話されている内容と、
元在ウクライナ日本大使の馬渕睦夫氏が、ウクライナについて話されている内容が似ている点も多く、
その意味でも、鵜呑みにするのではなく、「考える」ということの大切さを感じます)

(参照)馬渕睦夫『世界を操る支配者の正体』

 

 

 

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 収支報告と、ご支援のご案内
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今回のイベントの【収益】は下記のようになりました。

●参加費   94,500円(57人)
●グッズ販売 10,700円
●寄付    6,000円

 

会場費、ハルドゥーンさんへの謝礼を差し引きまして、
シリアの子ども達への教育支援の活動費として大切に使わせて頂きます。

 

今後はこちらから、ご支援を募集しております。
どうぞ宜しくお願い致します。

 


【寄付先】

・ネットでのご寄付

 

・銀行口座でのお振込

ゆうちょ口座 ピースオブシリア
       店名 408(ヨンゼロハチ)
       普通 4328753

 

※お手数ではございますが、報告書や報告会のご案内を送らせて頂きますので、
お振込みの場合は
 ・メッセージ、DM
 ・メール(piece.of.syria@gmail.com)
 ・問い合わせ(http://piece-of-syria.org/contact/
まで、ご一報くださいませ。

http://piece-of-syria.org/2019/07/09/summer/

 

 

共同通信より記事にしていただきました。

 

 

3 Comments
  • Piece of Syria(ピースオブシリア) | 【イベントスタッフ体験談】「一人でも多くの人が、シリアについて知る機会を」
    Posted at 05:09h, 26 2月 返信

    […] 前回のイベント「戦争が起こる少し前」を手伝ってくださったSさんに感想を送って頂きました。 是非、前回のイベントレポートと合わせて読んで頂ければ幸いです。 […]

  • 川崎直子
    Posted at 07:01h, 26 2月 返信

    貴重な情報をありがとうございます。シリアは長い間戦場というイメージばかりですが、元々は文化圏だったんですね。実際現地に行った方のお話を直に聴いてみたいと思いました。教育は考えることを教えることだと改めて思います。これからも応援したいと思います!

    • PiS
      Posted at 15:55h, 04 3月 返信

      川崎様

      コメントありがとうございます。Piece of Syriaの中野です。
      シリアは2011年に戦争に巻き込まれてしまうまでは、本当に豊かで平和で、教育レベルの非常に高い国でした。
      それを知った上で、今のシリアの現状と比べると、その過酷さが想像していただけるかと思います。

      「現地に行った方」というのは意外に曲者で、
      コーディネーターを通じていくことが多いため、また「あらかじめ何を伝えるか決めた上で行く」ことがほとんどで、
      結果的に、取材ではなく「ショッキングな映像集め」「現地の人たちが言っているというVTR集め」となってしまっているように思います。
      しかし「現地に行ったんだから」を免罪符に、多様な意見を無視し「あなたは行っていないから」と客観的な情報を無視するような人と出会ったこともあります。

      「行って話を聞いてきた」は、大きな価値ではなく、むしろ「どれほど多様な意見に耳を傾けられるかどうか」の方が大切に思います。
      その「多様な意見」のために、現地に訪れる、という順番であることが、非常に重要だと私は考えています。

      長い返信になってしまい、申し訳ございません。

      是非、これからも応援を宜しくお願い致します!

      中野

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